欲が邪魔されて出てくる心「瞋恚」とは?仏教で知る 怒りの特徴-三毒追放4

仏教を説かれたお釈迦様は、「人生は苦なり」とおっしゃっています。お釈迦様が言われる通り、生きていけばいろいろな苦しみがやってきます。

この「人生は苦なり」の原因は何でしょうか?

それは「無明(むみょう)」すなわち「煩悩」と教えられています。

煩悩の数は全部で108あり、いずれも私たちを苦しませ、悩ませるものです。

なかでも特に迷惑しているものが「三毒」といわれる、3つの煩悩です。

三毒とは

  1. (とん)
  2. (じん)
  3. (ち)

の3つです。

前回の記事では貪(=欲)の心について、その特徴や本性をお話ししました。

前回の記事はこちら

人間の本性は“我利我利”?仏教で説かれる「貪欲」の特徴をわかりやすく解説-三毒追放3
仏教では、私たちを苦しませるものは「無明(=煩悩)」であると教えられています。 煩悩は全部で108もあるのですが、そのなかでも特に私たちを悩ませ、苦しめる...

今回は、三毒の2番目であり、欲の心が邪魔されたときに出てくる瞋の心とは何か、お話ししていきます。

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三毒の2番目「瞋」の心とは?

瞋とは、「瞋恚(しんい)」のことです。

瞋恚とは、今の言葉でいうと「怒りの心」のことをいいます。

怒りの心は、どんなときに出てくるでしょうか?

自分の欲が妨げられたとき、邪魔されたときに出てくるのが瞋恚の心と教えられています

たとえば、楽しみに取っておいたデザートを家族の誰かに食べられたときに怒るのは、「食欲」が邪魔されたからです。

契約まであと一歩の商談を邪魔されて、「アイツのせいで!」と怒りが噴出するのは、「財欲」がもう少しのところで満たせなかったからですね。

恋人やご主人(あるいは奥さん)が思い通りに動いてくれないとイライラするのは「色欲」が元にあるからであり、大勢の人の前で恥をかかされたtことで激怒するのは「名誉欲」が妨げられたからといえます。

満たそうとしていた欲が大きかったときほど、怒りの心も大きくなり、忘れられないものになります。

「ひどいことをされたのだから、腹を立てるのは当たり前だ」と思われるかもしれませんが、この怒りにはいくつかの恐ろしい特徴があります。

理性も教養も吹き飛ばす?怒りの心の恐ろしい特徴

怒りの心の特徴が、それが起きると「理性も教養も吹き飛ばしてしまう」ことです。

数学者であり、哲学者としても有名なピタゴラスは

怒りは無謀をもって始まり、後悔をもって終わる

と語っています。

「ここは怒っておいたほうがいいだろう」と、計画的に怒る、なんて人はいませんよね。

交渉術として、あえて怒りの表情を見せたり、語気を強めたりするテクニックがあるそうですが、そんな場合を除けば、いったん怒り出すと冷静ではいられなくなり、先が見えなくなってします。

まさに無謀から始まるのが怒りですね。

理性も教養を吹き飛ばし、冷静なときには絶対にやらないようなこともやってしまいます。暴言を浴びせたり、相手を殴ったり叩いたりしてしまうのです

そして、「なぜこんなことをやってしまったのか」と、必ず後悔を残すのですね。

どんな人でも怒りに身を任せた挙げ句、後悔した経験はあるのではないでしょうか?

テレビやインターネットのニュースで取り上げられる事件の発端は、この怒りの心でしょう。

気に入らない相手を罵ったり殴ったりした政治家や芸能人、スポーツ選手は、事ある毎に大きく扱われます。
いずれも、悲嘆に暮れている人ばかりです。

有名人以外でも、電車の中で肩がぶつかって頭に血が上り、殺人事件に発展したというニュースもあります。

怒りの炎が燃え上がると、見境のない言動を取り、最後は後悔する。これが怒りの恐ろしい特徴なのです。

自分より弱い相手に起きるのが「怒り」 では強い相手には?

また、怒りの心が起きるのは自分よりも弱い相手、ともいわれます。

自分よりも力が弱かったり、立場が下だったりする人に対しては怒りの心が起こって、ひどい言動を取らせるのです。

では、欲を妨げたのが自分よりも強い相手、立場が上の相手の場合はどうでしょうか?

上司に叱られて腹が立ったからといって、怒りのままに振る舞えば大変なことになりますね(怒りのままに振る舞って、本当に後戻りできない状態になることもありますが…)。

そんなときに出てくるのが、三毒の最後であるの心です。

癡の心とは、どんな心なのか?
強い相手にはどんな心が起きるのでしょうか。

それについて次回、詳しくご紹介します。

続きの記事はこちら

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仏教で説かれている「三毒」について続けてお話ししています。 三毒とは、3つの煩悩のことをいいます。 煩悩は全部で108あると教えられています。 そ...

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この記事を書いた人
南 雄一郎

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