勉強会主催の みなみ です。
今回のワークショップには初めての方5名を含む、14名の方にご参加いただきました。
天候はあいにくの雨でしたが、多くの方にご参加いただき、嬉しく思います^^
続けて参加されている方から、この内容は悩んでいる友人に話したいと言われ、ぜひ共有いただきたいと思いました。
ちょっとしたヒントで、これまでの悩みの解決の糸口が見つかることはよくありますね。今日の内容がそのようになればと願っています。
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理想とする対人関係のあり方とは?アドラー心理学で勧められる「横の関係」
今日のテーマは、
「アドラー心理学に学ぶ 対人関係を円滑にする“横の関係”の築き方」
についてでした。
アドラー心理学では、対人関係のあり方が
「縦の関係」「横の関係」
の2つに分けられており、「横の関係」こそ相手との良好な関係であり、それを築いていくべきと教えられています。
ベストセラー『嫌われる勇気』の著者である岸見一郎さんも
アドラー心理学では、縦の人間関係は精神的な健康を損なうもっとも大きな要因である、と考え、横の対人関係を築くことを提唱します。
(『アドラー心理学入門』岸見一郎著 より引用)
と、横の関係の大切さ、縦の関係の有害さを指摘されています。
縦の関係ではなく、横の関係を築くことで、イライラやムカムカ、モヤモヤとした、ネガティブな感情に振り回されず、精神的に健康になれるのです。
ではその横の関係を築くにはどうすればいいのか、そのメソッドをご紹介しています。
縦の関係を築いてしまうのが、怒りや嫉妬などの負の感情です。負の感情という道具を使って、私たちは相手を支配している、価値観を押しつけようとしているのです。
その感情のメカニズムについては前回、ご紹介しました。
私たちには「相手を支配したい、好きなようにしたい」という目的が先にあり、その目的を果たすには感情的であったほうが便利であるため、感情をつくり出しているのですね。
今回は、怒りの感情が起こるもう1つの側面をご紹介します。
怒りの感情が起きるのは「私は◯◯◯」と思っているから
怒りの感情を引き起こすのは、
「私は正しい、相手が間違いだ」
という思い込みです。
「私は正しいことをしている、相手は間違ったことをしている。それなのに相手は間違いを認めて行いを正そうとしない」と思えば、怒りがこみ上げますよね。
自分の正しさを証明しようと、私たちは怒りの感情を使うのです。
ある女性が、職場の男性に恋心を抱きました。少しでもその男性の気を惹きたい、と思いますよね。
その彼はとても忙しい人だったので、彼女は
「きっと食事もきちんととれないくらい忙しいのだろうから、お弁当を作っていってあげよう」
と思い、あるときにお弁当をつくり、会社に持っていって彼に渡しました。
ところが…。
夕方、弁当箱をとりに行ったら、風呂敷も開けてなかったのです。
もしみなさんが彼女の立場だとしたら、どう感じるでしょうか?
きっと、ふつふつと怒りの感情が出てくるはずです。「いくら忙しいからって、一口も食べないなんて。なんてひどい人なんだろう!」と。
実際に彼女も「もう二度とつくらない!」と思い、彼に対して怒りを露わにしたのです。
「彼のためにお弁当をつくってあげた。私は正しいことをした。それなのに報われなかった」
「お弁当を食べてくれず、お詫びの声もなかった。なんて悪い人なんだろう」
と、まさに「自分は正しい。相手が悪い、間違っている」と思うことから、怒りが生じるのですね。
怒りは「権力闘争」を引き起こす
私の正しさを認めさせようと相手を責めると、相手は非を認めるどころか反論してくる場合がほとんどです。
そうなれば、互いに正しさを証明しようとする「権力闘争」になってしまいます。
権力闘争はどちらが上かを決める争いであり、縦の関係です。権力闘争が始まり、どちらもこの戦いから降りようとしなければ、関係は悪くなる一方になります。
仮に自分が権力闘争に勝利したとしても、関係は縦のままであり、相手には必ず負の感情が残ります。反対に自分が打ち負かされた場合は、相手のことを恨むことになるでしょう。
「私は正しい、相手は間違っている」という思いは怒りを起こし、さらには権力闘争を招き、関係の悪化を生じさせてしまうのですね。
次回は、「縦の関係」「横の関係」はそれぞれどのような関係なのか、その詳細をお話しします。
まとめ
- アドラー心理学では、対人関係のあり方に「縦の関係」「横の関係」があると教えられ、縦の関係は精神的な健康を損なう関係であるゆえ、横の対人関係を築くことが勧められています
- 私たちは、「私は正しい、相手が間違いだ」という思い込みから、自分の正しさを証明しようとして怒りの感情を使い、縦の関係を構築しようとします
- 怒りの感情を使って相手を責め、自分の正しさを見せようしても、相手は非を認めるどころか自らの正しさを証明しようします。このように正しさの証明は権力闘争を生み、互いの関係を悪化させてしまうのです
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