成功・良好な関係につながる“外向き思考”の3つのステップ-ブッダと「箱」の法則に学ぶ 外向き思考7

ワークショップ主催の みなみ です。

このブログでは、ワークショップの内容を少しずつご紹介しています。

今回は、「劇的な変化を起こす“外向き思考”」の7回目です。

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「外向き思考」が生産性も業績も上昇させる

外向き思考」は、シリーズ累計150万部以上を売り上げている『管理しない会社がうまくいくワケ』という本の中で紹介されているマインドセット(=物事の見方、考え方)です。

自分の小さな「箱」から脱出する方法 ビジネス篇 管理しない会社がうまくいくワケ

外向き思考とは、「他者のニーズや関心に目を向け、他者を理解しようとする」ことです。

自分を理解しようと歩み寄ってくれる相手、自分の手助けしようとしてくれる人に私たちは悪い印象を抱かないでしょう。むしろ好感を持ちますよね。
そのような考え方でいれば、良好な関係が構築されていきます。

この外向き思考の反対が「内向き思考」です。

内向き思考は、「他者を理解しようとせず、相手のニーズや関心を無視し、その人が自分に役に立つかどうかで見る」ことです。

外向き思考が人を“人”として見ているのに対し、内向き思考はいわば人を“物”として見ている、ということですね。

物として見られて、喜ぶ人はいないでしょう。
自分中心で、自分のニーズにしか関心を持てない人とは、とても良い関係を構築できるとは思えませんね。

そのため、内向き思考は人と人を遠ざけ、協力的な関係が築かれず、職場でいうなら、そんな人が集まるグループの生産性や業績は落ちてしまいます。
大事な顧客に対しても内向き思考の態度を取ってしまい、会社全体の評価も悪くなってしまうのです。

反対に、外向き思考を取り入れることでお互いの結びつきは強まり、生産性や業績も向上していくのです

前回は、外向き思考を取り入れたことで大きな成功を収めた債権回収会社「CFS2」の例をご紹介しました。

前回の記事はこちら

2倍の債権回収率を実現させた、外向き思考の劇的なアプローチ-ブッダと「箱」の法則に学ぶ 外向き思考6
ワークショップ主催の みなみ です。 このブログでは、ワークショップの内容を少しずつご紹介しています。 今回は、「劇的な変化を起こす“外向き思考”」の6回目です...

今回は、実際に外向き思考に踏み出すためのステップをお話ししていきます。

成功・良好な関係につながる“外向き思考”の3つのステップ

外向き思考では、以下の3つのステップが教えられています。

  1. 相手のニーズ・目的・課題に目を向ける
  2. 相手の役に立つよう適した努力をする
  3. 相手に与えた影響を評価する

最も大事なことが1番目の「相手のニーズ・目的・課題に目を向ける」ことです。

これができなければ、相手のニーズを知ろうとしなければ、そもそも その人の役に立ちたいという気持ちは起きませんし、その人の役に立つよう適した努力もしないでしょう。

裏を返せば、相手のニーズや目的を知ろうとすれば、「その人の役に立ちたい」という気持ちになり、そのための努力もできるようになるのですね。

実際に、この外向き思考の3ステップを取り入れた人が、フォード・モーターの元CEO アラン・ムラーリー氏です。

フォード・モーターといえば、アメリカの三大自動車会社(ビッグスリー)の1つですね(ほかはGM、クライスラー)。

フォードはムラーリー氏がCEOに就任する前、年間170億ドル超の赤字を抱えていたのです。

この状況を打破しようと、ムラーリー氏は週2回のミーティングを実施しました。

それが

  1. BPR(Business Plan Review)
  2. SAR(Special Attention Review)

です。

はじめのBPRに参加するとき、各部門の幹部にあることを義務付けました。

それが「業務計画に対する実績をチャートに書き込む」というものです。

チャートへの記入は色分け式になっていて、

  • 緑 -計画通り
  • 黄色-計画からズレる危険性あり
  • 赤 -計画通り進んでおらず
  • 青 -前週から変化あり

というルールのもと、前週の業務状況をチャートに書き込んでいきます。

そうして提出されたチャートには共通点がありました。それは幹部たちが差し出すチャートはどれもこれも緑一色だったのです

本当にこれが正しいのなら、会社全体の業績も上がっているはずです。ところが会社の損失は膨らんでいきました

なぜこうなったかといえば、幹部たち全員が内向き思考になっていたからですね。

  • 自分は会社の役に立っていないはずがない
  • 自分の地位は守らなくてはならない
  • 足を引っ張っているのはおそらくアイツだ

という、「自分は正しい。自分のニーズのみに関心がある。他者は自分にとって邪魔者だ」という思考に陥っていたのです。

そして、もしバカ正直に業績の状況を書き込めば、周りから責められ、自分は今の立場にいられなくなるという恐れもあったでしょう。

ムラーリー氏の施策は始めのうちは奏効せず、事態は思うように進展しませんでした。

しかしこの事態が大きく変わることが起きたのです。
それについては次回、詳しくご紹介します。

まとめ

  • 他者のニーズに目を向け、他者を理解しようとするのが「外向き思考」、他者を理解しようとせず、自分のニーズしか見えていないのが「内向き思考」です。外向き思考でこそ、お互いの結びつきは強まり、職場なら、個人の生産性や会社の業績も上向いていきます
  • 外向き思考の3つのステップが、以下のものです
    1. 相手のニーズ・目的・課題に目を向ける
    2. 相手の役に立つよう適した努力をする
    3. 相手に与えた影響を評価する
  • そもそも相手のニーズを知ろうとしなければ、相手の役に立つような努力もすることはありません。業績不振時のフォード・モーターは、幹部たち全員がまさに自分のニーズしか見ていませんでした

続きの記事はこちら

フォード幹部の“赤のチャート”が状況を一変させた!外向き思考のレッスン開始のきっかけ-ブッダと「箱」の法則に学ぶ 外向き思考8
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この記事を書いた人
南 雄一郎

2011年 金沢大学工学部 卒業

大学では機械工学を専攻するなか、悩み解消のヒントや生きる指針を教える仏教に強い関心を持ち、仏教講演会に多数参加しました。

また大学卒業後は仏教と親和性のある心理学にも興味を持ち、独学で学びました。

現在は東京都内でライターをしながら、対人関係の悩みを解消し、自立した生き方の実現を目的とした 仏教×心理学のワークショップを開催しています。

自主開催のワークショップは累計750回以上。

2018年 新潟県キャリアセンター様主催 キャリアコンサルタント フォローアップセミナーにて講師をつとめました。

NPC法人HMC協会 認定心理カウンセラー(セルフ資格) 。

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