2倍の債権回収率を実現させた、外向き思考の劇的なアプローチ-ブッダと「箱」の法則に学ぶ 外向き思考6

ワークショップ主催の みなみ です。

このブログでは、ワークショップの内容を少しずつご紹介しています。

今回は、「劇的な変化を起こす“外向き思考”」の6回目です。

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内向き思考がもたらす「共謀」という悪循環

外向き思考」は、『管理しない会社がうまくいくワケ』という、シリーズで世界150万部以上を売り上げている本の中で紹介されている考え方です。

自分の小さな「箱」から脱出する方法 ビジネス篇 管理しない会社がうまくいくワケ

この外向き思考とは正反対の考え方・見方が「内向き思考」です。

内向き思考は、「人を、自分の役に立つかどうかの“物”として見る」という見方のことです。人を自分の意のままに動かそうとし、それができないとみると邪魔者・やっかいもの扱いするのです。

もし自分が相手から、そのように「利用してやろう、利用価値がなければ邪魔だ」なんて見られたらどう思うでしょうか。

「この人の言っていることは上辺だけで、自己中心的」と思い、とてもその人のことを信頼することはできませんね。相手の言うことを素直に聞き入れることはないでしょう。
そして自分自身も、そんな相手の欠点をあげつらって、自己正当化をしてしまいかねません。

このように、「互いに相手がひどいことをしていると非難している状態」のことを「共謀」ということを前回は詳しくご紹介しました。

前回の記事はこちら

人生を悩ましいものにする最大の要因とは?-ブッダと「箱」の法則に学ぶ 外向き思考5
ワークショップ主催の みなみ です。 このブログでは、ワークショップでお話ししている内容を少しずつご紹介しています。 今回は、「劇的な変化を起こす“外向き思考”...

この共謀状態から抜け出すにはどうすればいいのでしょうか。

それは、他者を理解しようとすること他者のニーズや関心に目を向けることです。他者を理解しようとすることで、関係改善へと着実に近づいていきます。

この他者のニーズや目的に目を向けているのが「外向き思考」です。

今回は、外向き思考のアプローチで実際に大きな成功を収めている会社をご紹介します。

外向き思考のアプローチが劇的な変化を生む

外向き思考で成功した組織が「CFS2」です。この会社はビル・バートマン氏によって設立されました。

「CFS2」は何の会社かというと、債権回収会社です。借金の取り立てをする会社ですね。

債権回収会社というと、どんなイメージを持たれるでしょうか?

怖い人が自宅に来て「借りた金、返さんかい!」と脅している、そして借りた人は自宅に引きこもって頭を抱えながらうろたえている、というところを想像する方が多いと思います。

ところがCFS2は、そのような既存の業者とは違ったやり方(外向き思考のアプローチ)で業務を行ったのです。

既存の業者は「債務者を脅しつけて、取れるものはなんでも搾り取る」というやり方です。これは債務者を物として扱っている内向き思考のアプローチですね。

それに対してCFS2は「債務者が『何に困っているか』を考え、返すお金をつくれるよう手助けする」というアプローチをしたのです。

具体的には、

  • 顧客のための履歴書づくり
  • 求人募集探し
  • 応募書類の記入の手伝い
  • 模擬面接の実施

などを行い、さらには「面接当日のモーニングコール」まで行ったといわれます。

そのうえ変革は、債務回収だけでなく、社員への報酬の決め方にも及びました。

既存の業者が「回収した債権の額」で社員の報酬を決めるのとは違い、「顧客に無料のサービスをどれだけ提供したか」を報酬の基準としたのです

内向き思考がベースの既存業者から見れば、「CFS2は正気か?債務者への手助けを行うなんて、とんだバカげたことをしている」と思うでしょう。

しかし『管理しない会社がうまくいくワケ』には

結果をみれば、彼ら(CFS2)がいかに有効なことをしているかがわかるはずだ。

この業界に入ってちょうど3年後、CFS2の債権回収率は、業界他社の2倍になった

と、驚くべきことが書かれています。

外向き思考のアプローチはバカげたことどころか、従来の2倍の債権回収率を可能にした極めて有効なアプローチだったのです。

「自分たちの仕事がいかにうまくいくか、いかに多くの債権を回収するか」という内向き思考から、「他者を理解し、他者の仕事がうまくいくように手助けする」という外向き思考への転換が、結果的に劇的な変化を生じさせたのですね。

 

ではこのCFS2のように、外向き思考へと踏み出すには具体的にどうすればいいのでしょうか?次回、そのためのステップを、詳しくご紹介していきます。

まとめ

  • 「人を、自分の役に立つかどうかの”物”として見る」という見方が「内向き思考」です。内向き思考では相手と信頼関係を築くことはできず、互いにひどいことをしていると非難する「共謀」の状態を招いてしまいます
  • 共謀状態から抜け出すには、他者のニーズに目を向け、他者を理解しようとすることです。そのような見方が「外向き思考」であり、それが関係改善への鍵となります
  • 外向き思考のアプローチで成功したのが債権回収会社の「CFS2」です。「債務者を脅しつけて、取れるものを搾り取る」という既存の業者のやり方ではなく、「債務者が『何に困っているか』を考え、返すお金をつくれるよう手助けする」というアプローチをしました
  • CFS2の外向き思考のアプローチは有効であり、この業界に入ってちょうど3年後、CFS2の債権回収率は、業界他社の2倍になったのです

続きの記事はこちら

成功・良好な関係につながる“外向き思考”の3つのステップ-ブッダと「箱」の法則に学ぶ 外向き思考7
ワークショップ主催の みなみ です。 このブログでは、ワークショップの内容を少しずつご紹介しています。 今回は、「劇的な変化を起こす“外向き思考”」の7回目です...

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この記事を書いた人
南 雄一郎

2011年 金沢大学工学部 卒業

大学では機械工学を専攻するなか、悩み解消のヒントや生きる指針を教える仏教に強い関心を持ち、仏教講演会に多数参加しました。

また大学卒業後は仏教と親和性のある心理学にも興味を持ち、独学で学びました。

現在は東京都内でライターをしながら、対人関係の悩みを解消し、自立した生き方の実現を目的とした 仏教×心理学のワークショップを開催しています。

自主開催のワークショップは累計750回以上。

2018年 新潟県キャリアセンター様主催 キャリアコンサルタント フォローアップセミナーにて講師をつとめました。

NPC法人HMC協会 認定心理カウンセラー(セルフ資格) 。

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