ワークショップ主催の みなみ です。
このブログでは、ワークショップの内容を少しずつご紹介しています。
今回は、『管理しない会社がうまくいくワケ』という本を参考に、「劇的な変化を起こす“外向き思考”」についてご紹介していきます。
自分の小さな「箱」から脱出する方法 ビジネス篇 管理しない会社がうまくいくワケ
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劇的な変化を起こすのは、“行動”ではなく“マインドセット”
『管理しない会社がうまくいくワケ』は、世界で150万部以上を売り上げたベストセラー『自分の小さな「箱」から脱出する方法』シリーズの最新作です。
この本では、「自分を変えたい、組織を変えたい」と思ったとき、まず取り組むべきは「マインドセットを変えること」である、と提唱されています。
自己変革や組織改革では、まず「行動」を変えるべきだ、と思われがちですが、行動を変えるより先に力を入れたいのが「マインドセットの変革」。
それは、結果は行動で決まりますが、その行動を決めているのがマインドセットだからです。マインドセットが行動を決め、どんな結果になるかを決定づけているのです。
実際に、行動だけに着目してパフォーマンスの向上を目指すアプローチは、行動とマインドセットの両方を変えることに着目した努力に比べ、失敗する確率が非常に高い、といわれています。
反対に、マインドセットから変えようとした組織は、行動だけを変えようとした組織の4倍も成功する確率が高いのです。
いかにマインドセットに着目し、その変革に取り組むことが大切であるかがわかります。
そもそも、マインドセットとは何かいうと、
物事をどう見ているか-人や環境、直面している問題、チャンス、責任といったものをどう捉えているのかを意味している
と説明されています。
物事(人や環境、直面している問題など)の見方、考え方、ということですね。
では自分自身にも、また組織でも、劇的な変化をもたらしてくれるマインドセットとは、どのようなものなのか?を前回の記事ではご紹介しました。
前回の記事はこちら
劇的な変化をもたらすマインドセットは、「外向き思考(アウトワード・マインドセット)」といわれます。
この外向き思考とは反対に、問題を引き起こしてしまうマインドセットが「内向き思考(インワード・マインドセット)」です。
内向き思考は、人を人としてではなく、自分の役に立つ“物”として見る、というマインドセットです。
それに対して外向き思考は、人を人として見ているのであり、他者のニーズや目的に関心を持っている、という見方なのです。
内向き思考は、相手を「自分の役に立つかどうか」で見ているため、相手のニーズや目的には関心がありません。
自分のニーズを満たしてくれそうなら「便利な道具」として相手を見て、そうでなければ「やっかいもの、邪魔者」と相手をみなすのです。
対して外向き思考は相手のニーズや目的に着目し、それらを満たすために手助けする、という行動が取れるのです。
では人を人して見る外向き思考はなぜ変革のアプローチとして有効なのか?
また、内向き思考だとどのような問題が生じるかについて、今回は詳しく見ていきます。
「相手を“物”として見る」内向き思考の問題点とは?
内向き思考の問題点を、具体例から見てみましょう。
ケイトとブライアンという母子がいます。
ケイトはバリバリのキャリアウーマンです。
ブライアンは18歳のケイトの息子です。
母子の仲はあまり良くなく、ケイトは特に、ブライアンがしょっちゅう夜遅くに帰ってくることを不満に思っていました。
もしケイトが内向き思考だったら、ブライアンを人ではなく“物”として見ていたら、どうなるでしょうか?
まずケイトは、ブライアンを
- 無責任
- やっかい者
- 礼儀知らず
だと見なし、彼の欠点をあげつらいます。
それに対してケイトは自分自身のことを
- 自分は仕事に対し責任を負っている
- 自分は正しいことをやっている、公正だ
と、自らの良い点を強調します。
そして、ブライアンが家に遅く帰ってくることを批判し、厳しく叱りつけるのです。
では母から指摘を受けたブライアンは、素直に言うことを聞くでしょうか?
もともと母子の仲が悪い状態で、このように指摘をされては、残念ながらブライアンは言うことを聞かないでしょう。
母の言うことを聞けば、自分が悪かったと認めることになるので、それをするわけにはいかないわけです。
するとブライアンはブライアンで、自分が悪くないと証明するために、ケイトの欠点をあげつらうわけです。
自分の事情も聞こうとせず、こんなに厳しく言うなんて、お母さんは
- 独裁的
- 優しさに欠ける
- 口うるさい
と思ったり、言ったりするのですね。
そして、ケイトの言う通りに早く帰るどころか、うんと遅く帰る行動をとるでしょう。
そうなるとケイトはますますブライアンに対する不満を大きくし、あげつらった欠点への思いを強め、さらに厳しく指摘をするのですね。
このように、相手を“物”として見ることで、相手はこちらの望む行動とは真逆の行動を取ることになり、関係がますます悪くなってしまうのです。
この内向き思考の問題点について、次回はもう少し掘り下げてお話ししていきたいと思います。
まとめ
- 「自分を変えたい、組織を変えたい」と思ったとき、まず変えるべきは行動ではなく、マインドセットです。なぜなら、行動のもとにあり、行動を決めるのはマインドセットだからです
- 劇的な変化をもたらすマインドセットが「外向き思考(アウトワード・マインドセット)」、問題を引き起こすのが「内向き思考(インワード・マインドセット)」です。外向き思考は、人を人として見て、そのニーズに着目します。内向き思考は人を物と見て、相手のニーズには無関心です
- 内向き思考は相手の欠点をあげつらい、相手を責め、自分を過大評価します。すると相手は言うことに従うどころか反発し、責め返してきます。するとまた自分は相手を強く責め…、とお互いに自分の望む行動とは反対の行動を相手に取らせてしまうのです
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