勉強会主催の みなみ です。
ベストセラー書『自分の小さな「箱」から脱出する方法』を通して、人間関係の悩みを解消するメソッドをご紹介しています。
今回はその4回目です。
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人間関係の悩みの原因は、心が“平和的な敵対的か”どうか
『自分の小さな「箱」から脱出する方法』では、あらゆる人間関係の問題の原因は、自分が「箱」に入っていることである、と書かれています。
「箱」というのは「自己欺瞞(=自己正当化)」、自己への裏切りのことであり、箱に入っているというのは、心が敵対的な状態であることをいわれています。
敵対的な心の人(言い換えると、他者を“人”ではなく“物”として見ている人)と接すると、どんな気持ちになるでしょうか?
良い印象は抱かないでしょう。
たとえ態度や行動を繕っていても、心で何を思っているかも伝わるものです。
心が敵対的であればそれも相手に伝わって、相手もまた自分に対して敵対的になってしまうのですね。
このように、良好な人間関係の構築において行動よりも心が重視されるというのが『自分の小さな「箱」から脱出する方法』で主張されていることです。
心が重要視されるというのは、実は仏教でも同じです。
なぜ仏教でも心が重視されるのか?
心と行動の関係とは?
ということについて、前回はお話ししました。
前回の記事はこちら
今回は、「箱」の法則の由来について、ある哲学者の見解をご紹介します。
孤高の哲学者が提唱する、2通りの存在の仕方とは?
マルティン・ブーバーという人をご存知でしょうか?
マルティン・ブーバーはオーストリア出身の哲学者であり、代表作に『我と汝・対話』があります。
ブーバーは、人間には2通りの存在の仕方がある、と主張しました。
1つが「我-汝」、
もう1つが「我-それ」という存在の仕方です。
「我ー汝」というのは、人を人として見ること、言葉を変えれば、「箱」の外にいる状態であり、心が平和的な状態ですね。
対して、「我-それ」というのは、人を物として見ることであり、「箱」の中にいる状態であり、心が敵対的な状態ですね。
ブーバーは、「我-それ」という関係では人間は疎外的な関係から抜け出すことはできない、真に大切なのは「我-汝」の関係であると語っているのです。
「箱」の法則は、このブーバーの提唱した2通りの存在の仕方が根底にあり、「我-それ」という存在の仕方が人間関係の悩みの原因であると教えているのですね。
つまり、家庭や職場での根本的な問題は、私たちの心が敵対的である、人を物として見てしまうことにある、ということです。
裏を返せば、心が平和的であれば、人を物ではなく人として見ることができれば、家庭でも職場でも人間関係の問題は解決する、ということですね。
「箱」の中に入ることの3つの問題点
では「箱」の中に入ってしまうことで、人間関係がどのように悪化してしまうのか、「箱」の中に入ることによって引き起こる具体的な問題点とは何なのでしょうか。
それは以下の3つです。
箱の中に入ることの問題点
- 箱の中に入ると、周りの世界を、自分を正当化する視点から見る
- 自分を正当化する視点から見るようになると、現実を見る目がゆがめられる
- 他の人たちも箱の中に入れてしまう
それぞれ、どのようなことなのか、次回、具体例を通して1つ1つご紹介していきます。
まとめ
- 哲学者マルティン・ブーバーは、人間には「我-汝」「我-それ」という、2通りの存在の仕方があることを提唱しました。「我-汝」は人を人として見ること、「我-それ」は人を物として見ることです
- 「我-それ」という関係では人間は疎外的な関係から抜け出すことはできない、真に大切なのは「我-汝」の関係である、とブーバーは語っています。心が敵対的な状態となり、人を物として見ることが疎外的な関係の原因なのです
- 心が平和的になり、人を人として見ることができれば、家庭や職場での人間関係の問題は根本から解決します
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