生きていれば、悩み・苦しみはつきものですね。
アドラー心理学では
人間の悩みはすべて対人関係の悩みである
といわれています。
生きる上で、人との関わりを避けることはできません。
そして人との関わりがあれば、対人関係の悩みもまた、避けることはできませんね。
もし対人関係の悩みを根底からなくそうと思えば、人のまったくいない宇宙の果まで行かねばなりませんが、そんなことはほぼ、不可能ですね。
避けられない以上は、対人関係の悩みと適切に向き合い、解決していくことが大切ですね。
アドラー心理学について書かれたベストセラー『幸せになる勇気』には
すべての喜びもまた、対人関係の喜びである
とも説かれています。
悩みはつきものであるものの、その悩みを乗り越えれば、その分、対人関係の大きな喜びも手にでき、また自己を磨くことにもつながります。
ではその対人関係の悩み・苦しみから抜け出す方法とは何なのでしょうか?
記事の内容を動画でもご紹介しています
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悩み・苦しみの解決の一歩は、“自分に何ができるか”を考える
悩み・苦しみから抜け出す方法について、アルフレッド・アドラーはこう語っています。
苦しみから抜け出す方法はたった一つ。他の人を喜ばせることだ。
「自分に何ができるか」を考え、それを実行すればよい。
私たちは、苦しみや悩みの原因は「他人にある」と思いがちですね。
悩んでいる人は、「あの人が悪い、この人が私をぞんざいに扱うからだ、私を認めてくれないからだ」など、相手を責めてしまっています。
もちろん、相手に非がある場合もあります。
しかし、だからといって自分のことを棚上げして相手を責め続ければ、ますます関係は悪くなりますね。
「『自分に何ができるか』を考え、それを実行すればよい」とアドラーが語るように、悩みを解決する第一歩は「課題を分離」することです。
相手の課題とは何かを考えるとともに、自分にできることは何かを考える。
もし相手の課題に介入している(相手の人格を否定したり、相手を責めたりしている)とすれば、自分の言動を変えることが大切ですね。
「自分をほめてくれない」
「あれもこれもやってくれない!」
と、相手の至らなさに原因を求めるなど、相手の課題に介入してはないか、振り返ることがまず大事です。
※相手の言動にあまりに問題があり、当事者同士での解決がすでに難しい場合は、第三者に相談して対処をお願いするという選択肢も考慮に入れましょう
「他の人を喜ばせる」ときに大事なのは“貢献感”
では、対人関係の悩みの解消につながるような、自分にできることとは何でしょうか。
それが「他の人を喜ばせること」ですね。アドラー心理学では「他者貢献」といわれます。
この他者に貢献する、他の人を喜ばせるときに大事なのは“貢献感”を持つことです。
貢献感とは「自分は役に立てている、貢献できている」という主観的な感覚のことです。
貢献感は、人からほめられなくても、認められなくても、自分が「役に立てている」と感じられればそれでいい、という感覚です。
「いや、実際にほめられないと貢献感なんて持てないよ」と思われる方もいるでしょう。
しかし、もしほめられなければ、承認されなければ納得できない、貢献した意味がない、というのであれば、それは他者の課題に介入してしまっていることになります。
貢献に対してお礼を言うかどうかは相手の課題だからですね。
貢献感を持ち、自己完結することで、課題を分離できるのです。
アドラーが
自分に価値があると思えるときに人は勇気を持てる。
と語っているように、他者貢献感を持つことで生きる勇気を得て、ますます貢献に踏み出していくことができます。
ただ、自分では貢献できているつもりになっていても、相手の立場にたつと、実は貢献になっていなかった、ありがた迷惑だった、ということもあるでしょう。それでは本当の貢献感ではなく、自己満足ですね。
相手が何を求めているか、どうすれば助けになるかも知り、そのために貢献をする。自分のやったことが貢献になっているかどうかを知る。
そうすることで自己満足ではない、本当の貢献感を持つことができ、さらなる貢献をしていけるのです。
しかし、他者貢献をしたい、相手のやりたいことに寄与したいと思っても、「そんな他者に貢献するなんて、大それたことはできません」と尻込みしてしまう方もいると思います。
確かに他者に助けようと思えば、それ相応の努力は必要になります。努力をし、人に与えられるだけのものを手にするほど、貢献の量も多くなり、サポートの幅も広がりますね。
それでは、そういうすごい人でないと貢献できないかといえば、決してそうではありません。
誰にでもすぐにできて、しかも素晴らしい他者貢献が仏教に詳しく教えられています。
それについては次回の記事でご紹介します。
まとめ
- 苦しみから抜け出す方法をアドラーは、「他の人を喜ばせること。自分に何ができるかを考え、それを実行すればいい」と語っています。相手を責めていても関係は悪化するだけなので、まず大切なのは、課題を分離をして、自分にできることを考え、実行することです
- 私にできることとは、他の人を喜ばせ、“貢献感”を持つことです。貢献感は「私は役に立てている」という主観的な感覚であり、相手からの承認は求めません
- 貢献感を持てれば、自分には価値があると思えて、生きる勇気を得られ、ますます貢献へと踏み出していくことができます。また、自分のやったことが本当に他者の役に立っているかどうかも知って、自己満足にならないことも大切です
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