勉強会主催の みなみ です。
今回のワークショップには初めての方3名を含む、8名の方にご参加いただきました。
3連休の最後も多くの方に来ていただき、とても嬉しく思います^^
ずっとこちらのワークショップに参加したいと思われつつ、参加出来ていなかった方が、今回初めて参加されました。
前向きなご感想もいただき、大きな励みになりました(^^)
これからもご一緒に学んでいけることが楽しみです。
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『嫌われる勇気』の著者 最新作は、具体的な悩みへの、アドラー心理学の観点からの解答集
今回は、
ブッダとアドラー心理学に学ぶ「即実践的 悩みの解決法」
というテーマでお話ししました。
アドラーブームの火付け役である『嫌われる勇気』。その著者 岸見一郎さんの最新作が『人生を変える勇気』です。
人生を変える勇気 – 踏み出せない時のアドラー心理学 (中公新書ラクレ)
この『人生を変える勇気』では、青年や既婚者、親など、さまざま立場の人からの具体的な悩みが寄せられ、その解決方法がアドラー心理学の観点から紹介されています。
アドラー心理学では、これまでの常識とは一線を画するような教えが展開され、感動を覚える一方、日常に具体的にどう生かしていけばいいかはわからず、そこでとどまってしまう方も多いと感じます。
そのような方にぜひ日常への生かし方を知っていただければ思います。
前回は、アドラー心理学で乗り越えるべき3つのタスクと、そのベースとなる「自己受容」、そして誤っている悩み相談の目的についてお話ししました。
前回の記事はこちら

乗り越えるべき対人関係のタスクとは、
- 愛
- 交友
- 仕事
の3つであり、これらを乗り越えてこそ、人生の喜びを味わうことができると教えられています。
そしてこれらのタスクを乗り越えるときのベースとなるものが「自己受容」です。
自己受容とは、ありのままの自分を受け入れている、自分のことが好きである状態であり、自己受容していることで3つのタスクに積極的に立ち向かうことができるのです。
また、アドラー心理学の悩み相談とは、全面的に相手を「肯定」したり、相手に「同調」したりすることではありません。
むやみやたらに同調しては、一時的には慰めが得られても、「私は悪くない」という思いが強まり、相手はますます自分の考えを変えようとしなくなってしまいます。
悩み相談の目的はそのような一時的ないやし、慰めではなく、根本からの悩みの解決です。
今回はそのことについて詳しくお話ししていきます。
全面的な肯定、同調はNG!カウンセリングの目的は“現実を直視させること”
カウンセリングについて、『人生を変える勇気』で岸見さんはこのように語っています。
自分の愚痴をカウンセラーの前で話し、そのことに満足するでしょうが、その人の人生はカウンセリングの前後では何も変わりません。
それどころか、自分は間違ってないのだ、過去のあれやこれやの出来事、あるいは今の社会の問題などが、例えば生きづらいことの原因であるという考えを強化することになってしまいます。
愚痴を話して、それに同調してもらうだけでは、満足感は一時的であり、
「自分は間違っていない」
「私は悪くない。社会が悪い、過去にあの人にあんなことをされたからだ」
という思いを強くしていきます。
そうなると相手や環境を悪く言うばかりで、自分の考えや行動は変えないため、現状はますます悪くなってしまうのですね。
ゆえに、岸見さんはさらにこのように語っています。
私なら、「あなたはこれからどうしたいのですか」とたずねます。
トラブルの相手と今後どのように関われば人生を穏やかに過ごせるか、どうすれば苦しまずにすむかを一緒に考え、そのように過ごせるために積極的に助言します。
(『人生を変える勇気』より引用)
自分がこれからどうするかを考えてもらい、現実を直視させ、自分にこそ責任があるんだと受け止めてもらい、今後の行動を変えさせることが、悩み相談の目的なのですね。
人間は基本的には責任の所在を曖昧したいのであり、過去や人のせいにせずに自分が責任を引き受けるのは回避したいのですね。
ですから「相手に同調しない。現実を直視させる」という悩み相談の目的を聞かれると、ずいぶん厳しいと感じるのですが、それはむしろ、しっかりと話を受け止めていることの証拠でもあります。
相手の意見に同調せずに「これからどうしたいのか」について考えさせるのは、落ち込ませたり腹を立てさせたりすることが目的なのではなく、現実を直視させ、責任を引き受けさせることが目的であり、それは一時的な慰めではなく、これから先、自立にしていくのに必要なことなのですね。
そのことをぜひ心に留めておいていただければと思います。
次回は、自己受容ができないことへの具体的な悩みを通して、その解決方法をご紹介していきます。
まとめ
- アドラー心理学では、乗り越えるべき対人関係の課題が3つあると教えられています(仕事・交友・愛)。これらのタスクに向かうときの土台、支えとなるのが「自己受容」です。ありのままの自分を受け入れ、自信を持つことで、タスクに積極的に立ち向かえます
- タスクがなかなか乗り越えられずにつまずいているときには、悩み相談することも大切ですが、悩み相談が相手の意見・考えへの同調であっては、その前後では何も変わらず、むしろ「自分は間違っていない、生きづらいのは周囲が問題だからだ」という考えを強化し、ますます生きづらくなる可能性があります
- 悩み相談を受けた人が、「これからどうしたいか」とたずね、相手に現実を直視させて自分にこそ責任があると受け止めてもらい、今後どうすれば苦しまずに穏やかに過ごせるか一緒に考えると、一時的な慰めにならず、相手は自立した人生を歩んでいけます
続きの記事はこちら

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