勉強会主催の みなみ です。
『自己評価メソッド』を通して、不安や恐れなどの生きづらさを解消するにはどうす ればいいのか、そのための自己評価の高め方について、続けてご紹介しています。
今回はその19回目です。
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現代は<コンプレックスを助長する時代>といわれる2つの理由
『自己評価メソッド』は、フランスで人気の精神科医 クリストフ・アンドレ氏によっ て書かれました。
こちらの記事では、『自己評価メソッド』で紹介されている、自己評価をよくする方 法を以下の4つのパートに分けてお話ししています。
- 自分を受け入れる
- 自分との関係を改善する
- 他人との関係を改善する
- 行動の仕方を改善する
前回は、「自分との関係を改善する」の中の、「社会の有害な影響から自己評価を守る3つの実践法」についてお話ししました。
私達は絶えず流れてくる<広告>によって、コンプレックスが常に刺激され続けています。
私達が「美しいほうがいい、若いほうがいい」「豊かでありたい」と何気なく思うのは、
「これを使えばもっと美しくなれる、若く見られる」
「この商品は豊かさのしるし」
などのテレビや雑誌、サイトの広告を見て、そう思い込まされているから、といわれています。
そう思わせるのは、化粧品や洋服、自家用車など、多くの商品を買ってもらうためですね。
その商品を手に入れることができなければコンプレックスが刺激を受けて自己評価は深く傷つき、
手に入れたしても、それによる自己評価の高まりは一時的であり、根本から自己評価が高まるわけではありません。
そのような<広告>をはじめとする社会の有害な影響から身を守る方法として、以下の4つをご紹介しました。
- 広告の裏を読む力を高める
-「私は広告の有害な影響など受けない」とおごるのではなく、まずは謙虚になって、広告の裏にあるもの(何を目的にして、何をさせようとしているのか)を読めるようにしましょう - 自問自答する
-何かを手に入れる前に、「それは自分に本当に必要なものか」と自問することを習慣化しましょう - 美男美女が出てきたら、それが彼らの仕事だと思う
-美しく見られることを仕事にしている人と自分とを比べること自体が不要である、と思いましょう - 欠点を自分の一部として受け入れる
-広告で欠点・コンプレックスを刺激されても「欠点でもいい。それが自分の一部だ」と受け入れることができれば、「商品を買ってまで自分が優れているふりをする必要はない」と思えます
前回の詳細はこちら
今回からは、自己主張をして、自己評価を高める方法をご紹介していきます。
自己主張は“自己評価のバロメーター”であり、“自己評価をよくする道具”
<自己主張>と<自己評価>の間には密接な関係があります。
低い自己評価の人、高くてもろい自己評価の人は、きちんと自己主張することが難しいです。
反対に<よい自己評価>を持っている人は、適切に自己主張することができます。
このように自己主張は自己評価のバロメーターの1つであるといわれているとともに、自己主張は自己評価をよくする道具の1つ、ともいわれています。
つまり、自己主張の値が上がると、自己評価の値も上がる。自己主張ができるようになれば、自己評価もよくなっていくのです。
自己主張とは何か?
そもそも自己主張とは、「自分の感情や考え、要求を自由に表現する」ことをいいます。
ただ、自由に表現するといっても、それは
- 感情や考えを一方的に言い立てる
- 要求を強引に押し通す
ということではありません。
相手のことを考えつつも、臆することなく自分の感情や考えを表現することです。
このように説明するのは簡単でありますが、これを実行するとなると、そのときの状況や相手との関係によって、難しい場合が多いと思います。
たとえば、
- 誰かに頼みにくいことを頼むとき
- 頼まれたことを断らねばならないとき
- 相手とは異なる意見を言うとき
などは、「自己主張ができない」レベルが上がり、自分の感情を抑えがちになるでしょう。
特に自己評価が低い人はそうでない人と比べて、「自己主張ができない」レベルが慢性的に高く、自己主張ができない、といわれています。
自己評価がよくなければ、自己主張はできない
自己評価の低い人と自己主張との関係
自己評価の低い人は、「相手から受け入れられない」ことを恐れていて、相手との対立を避けるために、自分の考えを表明することなく相手の要求を受け入れてしまいがちです。
また、断られて自分が傷つくのが嫌であり、「断られるぐらいなら、頼みごとはしないでおこう」と思い、頼みごともできないでいます。
「自己主張しなければ、断られることはなく、自己評価が下がることはない」と、自己評価をこれ以上さげないための防衛戦略をとっているわけですね。
しかしそれでは「自己評価を上げる」機会を失うことにもなる、と指摘されています。
思い切って相手に要求し、相手が快く受け入れてくれたなら、
- 頼みごとはうまくいった
- 相手からも受け入れられた
ということで、自己評価は二重に上がるのですが、その機会を手放してしまうことになるのですね。
自己評価が高くてもろい人と自己主張との関係
では、自己評価が高くてもろい人と自己主張とには、どのような関係があるのでしょうか。
高くてもろい自己評価の人もきちんとした自己主張をするのが難しい、といわれています。
低い自己評価の人とは違って、これらの人は、頼みごとをすることも、相手の要求を断ることもできますが、強引な頼み方になったり、冷たい言い方になったりしてしまいます。
すなわち、相手に攻撃的になってしまうのです。
そのやり方の裏には、低い自己評価の人と同様に「断られて、傷つきたくない」という思いが隠れている、と指摘されています。
高くてもろい自己評価の人は、高圧的な言い方をすることで、断られまいとしているのですね。
しかしそのような自己主張は、自己主張とはいえず、一方的な要求となるでしょう。
自己主張ができないことのデメリット
それでは、自己主張ができなければ、どのような影響が出てくるのでしょうか。
アンドレ氏は行動面・感情面・心理面の3つの側面に分けて、その影響を教えられています。
①行動に与える影響
いやだと言えなくなり、また頼みごとができなくなります。
意見をたずねられたとき、自分がその人と反対の意見を持っていた場合でも、相手の顔色を窺って「あなたの意見には反対だ」と言えません。
あるいは、頼みごとをする際に言い方がきつくなったり、攻撃的な態度をとったりしてしまいます。
②感情に与える影響
欲求不満がたまったり、後から怒りがわいてきたりします。
あるいは悲しくなったり、自分に嫌気が差したりしてしまいます。
③心理面に与える影響
自己主張がきちんとできない自分は弱い人間だ、というイメージを抱き、自己評価が少しずつ傷ついていきます。
これとは反対に、自己主張が少しずつでもできるようになると、自己評価は回復し、適度な自信を持てて、生きやすさを感じることができるようになるのです。
次回は、自己主張ができるようになると自己評価がよくなるメカニズム、そして自己主張をするための実践法をご紹介していきます。
まとめ
- 自己主張は自己評価のバロメーターの1つであり、また自己評価をよくする道具ともいわれています。自己主張ができるようになることで、自己評価もよくなっていくのです
- 自己主張とは、自分の考えや感情、要求を、相手に配慮しながらも臆することなく伝えることです
- 自己評価の低い人は、人から受け入れられないことを恐れて頼みごとができず(あるいは自分が断ることができず)、高くてもろい自己評価の人も自分が傷つくことを恐れ、攻撃的な態度で要求することで断られまいとします
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