ありのままの自分を受け入れるには?アドラー心理学から知る”自己受容”の方法

「自分のここがイヤで仕方ない」

「自己評価が低くて、何事にも自信が持てない」

と、自分のことが好きになれなくて悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

自己評価が低いと他人の目も気になって、チャレンジ精神も湧きません。身動きも取れなくなってしまいます。

自分のことを気にするあまり、相手への気遣いや励ましも少なくなり、良好な関係を維持するのも難しくなるかもしれません。

反対に自己評価が高まれば、他人の目を必要以上に気にすることはなくなりますし、自分のやりたいことへ集中もできるでしょう。
他者への気遣いや貢献もできるようになり、ますます良好な関係を築いていけます。

ではどうすれば自己評価を高められるのか?自分を好きになれるのでしょうか?

“自己受容”の方法を、アドラー心理学から学んでみましょう。

記事の内容を動画でもご紹介しています

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ミケランジェロから学ぶ、自己受容のヒント

自己受容のヒントが、ミケランジェロのエピソードにあります。

(ミケランジェロ・ブオナローティ)

ミケランジェロといえば、ルネサンス期に活躍したイタリアの芸術家ですね。

ミケランジェロの作品で有名なのがダビデ像です。

このダビデ像制作時に、このようなことがあったそうです。

ミケランジェロのダビデ像はよく知られていますが、ミケランジェロがダビデ像を彫った大理石には、大きな亀裂が入っていた、と伝えられています。

それまで誰もそのような大理石を顧みることはなかったのですが、ミケランジェロはこの大理石の中にダビデを見出して、ダビデをその中から取り出したのです

ミケランジェロが、大理石の欠点、すなわち、この場合、大きな亀裂があるということに注目していなければ、決してダビデ像は生まれてはこなかったのであり、亀裂がむしろダビデ像を生かすものであるというミケランジェロの見方の鋭さを語っています

(『アドラー心理学入門』岸見一著 より引用)

大理石に亀裂が入れば、ふつうはそんな大理石はもう使えないと思い、見向きもしなくなるかもしれません。

仮にその大理石以外に手に入る見込みがなければ、それを使うしかありませんが、出来の良い作品に仕上がるとはとても思えないでしょう。

しかしミケランジェロは使い物ならないと見なすのではなく、大きな亀裂からダビデを見出して、後世の残る作品をつくりあげたのですね。

大切なのは「与えられているものをどう使うか」

このミケランジェロのエピソードから、「自己受容」の大きなヒントを得ることができます。

『アドラー心理学入門』ではミケランジェロのエピソードに続いてこう書かれています。

アドラーはいいます。

大切なことは何が与えられているかではなく、与えられているものをどう使うかである」と。

自分という道具は、他の道具とは違って取り替えることができません。

この自分という道具はたしかに癖があるけれども、大切なことはこれをどうやって使いこなすかということです。

そのためにはこの自分という道具を好きになる、あるいは自分を受け入れることができなければなりません。

(『アドラー心理学入門』岸見一著 より引用)

私達は生まれたときから「自分という道具」を与えられたようなものです。
そしてそれは、不出来であろうと癖があろうと、取り替えることはできませんね。

では不出来ならば、もうこんな道具はイヤだ、もうどうしようもない、とあきらめたり自暴自棄になったりするしかないのでしょうか。

そんなことはありませんね。
一見すると不出来で、使いこなすのが難しそうな道具であっても、使いようによっては便利にもなり得ます。

同様に、完璧な人などはおらず、人間は不完全なものであり、どんな人にも欠点がありますが、それらは見方によっては長所になり得るのです

欠点と思えるものでも、見方を変えれば、使いようによっては長所となり、欠点を長所と見なせば、自己評価も高まり、自分を素直に受け入れることができるのですね。

自分に対しても有効な「ラベルの張り替え」

こちらの記事で、

アドラー心理学にみる、他者を“敵”ではなく“仲間”とみなす方法
「他者が自分の思い通りに動いてくれれば、こんなにヤキモキしなくてすむのに…」 毎日のように、このような思いを抱えられているかもしれません。 思うよう...

他者を仲間だと見なすには、「他者の欠点ではなく、長所を見つける」ことだと紹介し、さらに具体的な方法として「ラベルの張り替え」が効果的であると書きました。

このラベルの張り替えは他者だけでなく、自分にも有効です

欠点と長所は同じものであり、ただ名前が違うだけ。だからラベルを張り替えれば長所と見なせる、ということでした。

実例として、

  • 気が小さい人は「慎重で、軽率な行動をしない」
  • 頑固な人は「意思が強い」
  • 融通の利かない人は「几帳面でしっかりしている」
  • 性格の暗い人は「思いやりが深くて、謙虚で、感受性が豊かで、親切」

と自分自身を見なせば、自分を受け入れられるようになります。

そうすれば自己評価も高まって、他人の目も少しずつ気にならなくなり、やってみたいと思っていたことに思い切って挑戦することもできるはずです。

一気に自己評価を高める、自分を好きになることは難しいですが、ラベルの張り替えを行い、自分への見方を変えることで、着実に自己受容ができるようになるでしょう。

まとめ

  • 私達は生まれたときから取り替えのできない「自分という道具」を与えられたようのものです。一見すると不出来であっても、見方や使いようによっては長所を見出だせます
  • 「ラベルの張り替え」をすることで、欠点を長所と見なすことができ、少しずつ自分を受け入れることができるようになります

引用した書籍

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この記事を書いた人
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