自分を受け入れ、自己評価をよくする実践法「最悪のシナリオを考える・過去を受け入れる」-生きづらさを解消する 自己評価メソッド10

勉強会主催の みなみ です。

『自己評価メソッド』を通して、不安や恐れなどの生きづらさを解消するにはどうすればいいのか、そのための自己評価の高め方について、続けてご紹介しています。

今回はその10回目です。

自己評価メソッド―自分とうまくつきあうための心理学

記事の内容を動画でもご紹介しています

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被害妄想を断ち切り、今を受け入れるには「現実に対して、『そのとおりだ』と言う」

『自己評価メソッド』は、フランスで人気の精神科医 クリストフ・アンドレ氏によって書かれました。

自己評価とはそもそも何か、自己評価の要素とはどんなものか、
また、よい自己評価の利点や、低い自己評価や高くてもろい自己評価の問題点、
そして、自己評価をよくしていくメソッドが詳しく紹介されています。

こちらの記事では、よい自己評価を持ち、生きづらさを解消していくためのメソッドを以下の4つのパートに分けてご紹介しています。

  1. 自分を受け入れる
  2. 自分との関係を改善する
  3. 他人との関係を改善する
  4. 行動の仕方を改善する

最初のメソッドが「自分を受け入れる」です。まず自分を受け入れることができなければ、ありのままの自分を認めることができなければ、自己評価をよくしていくことはできません。

反対に、自分を受け入れることができれば気持ちが楽になり、変わることへの準備が整うのです。

前回は、自分を受け入れる実践法の2番目「現実に対して、『そのとおりだ』と言う」についてお話ししました。

思い通りに物事が進まなかったときや失敗をしてしまったときに、特に低い自己評価の人は「こうなってはもうおしまいだ」「こんな失敗をする私はもうやってはいけない」と、悪い方向へ想像を膨らませてしまい、被害妄想に陥ることもあります。

高くてもろい自己評価の人であれば、ままならない状況に苛ついたり、失敗を認めずに自己弁護したりするかもしれません。

しかしそれでは、状況を受け入れることはできませんね。

そんなときは「残念だが、仕方がない。現実はそのとおりだ」と頭の中で言うことが勧められています。

あるいは、

「誰にでも失敗はある。起きてしまったことは仕方がない」
「失敗は認めて、これから挽回すればいい」

などと語りかけることで、落ち着きを取り戻し、現実をありのままに受け入れることができるのです。
そして、状況をよりよくしていくための行動が取れるようになるのですね。

実践法2番目の詳細はこちら(前回の記事)

自分を受け入れるには?思い込みをなくし、現実の認識を正しくする方法-生きづらさを解消する 自己評価メソッド9
勉強会主催の みなみ です。 『自己評価メソッド』を通して、不安や恐れなどの生きづらさを解消するにはどうすればいいのか、そのための自己評価の高め方について...

今回は、自分を受け入れる実践法の3番目からお話ししていきます。

自分を受け入れるための実践法「最悪のシナリオを考える・過去を受け入れる」

③最悪のシナリオを考える

自分を受け入れる実践法の3番目が「最悪のシナリオを考える」です。これは、深刻な不安障害のセラピーでもよく使われている方法であるといわれています。

最悪のシナリオなんて考えれば、より不安にさいなまれ、被害妄想を悪化させ、落ち込ませてしまうのではないか、とも思われるかもしれません。

しかし実はその反対で、最悪のシナリオを考えることで、いまの状況から本当に最悪の事態は起こりうるのかを冷静に考えることができ、たいていの場合、自分はほとんど起こり得ないことを心配していた、杞憂だったと気づけるのです。

仮にその最悪の事態が起こる可能性があったとしても、その事態をも受け入れて、新たな解決策を見つけられれば、安心することができます。

たとえば、仕事でミスをした際に「こんな失敗をした自分は、きっと責められる。この会社に居づらくなってしまうかもしれない」と思ったとします。

そのときに、あえて最悪のシナリオを先回りして思い浮かべれば(この場合は解雇されること)、

「ミスをしたからといって、さすがにすぐに解雇されることはない。そんなことは心配するだけ時間がもったいない。それよりも失敗の原因をしっかり見定めて、これからは失敗をしないようにしよう」

と考えることができますね。

また「たとえ解雇されることがあっても、それで生きていけなくなることはない。別の仕事がきっと見つかる」と最悪の事態さえも受け入れることができれば、悪い想像は断ち切ることができます。

「最悪の事態を想定して、受け入れる」ことが習慣化すれば、感情が安定し、被害妄想を防ぐことが可能になります

目の前の問題に飲み込まれずに、相対的に、より広い視点で物事を見るイメージを形成していっていただけばと思います。

④過去を受け入れる

自分を受け入れる実践法の4番目が「過去を受け入れる」です。

本当はやりたいことがあるのに「過去にいやなことがあった。あんな目にはもう遭いたくない」と思ってその行動を避けてしまうことがあると思います。

しかしそれは過去を受け入れていないのであり、過去を受け入れずに行動を避けるとすれば、自己評価をよくする機会を失ってしまうのです。

ゆえに自分を受け入れ、自己評価をよくするには、自分の過去を受け入れなければならない、といわれています。

過去に関しては、「いやな過去は忘れてしまおう」といわれますが、「脳は過去を忘れない」ことが最近の研究でもわかっているそうです(脳の組織である扁桃核と海馬の働きによります)。

したがって、望む行動を実践して自己評価をよくするには、冷静に過去と向き合い、受け入れることが重要なのですね

虐待や暴行などの深刻な心的外傷を伴う過去は、くれぐれも自分一人でなんとかしようとするのではなく、心理療法家(セラピスト)や心療内科医などの専門家の方の力を借りることが勧められています。

自分一人でもできる過去を受け入れる方法「ジャーナリング」

深刻な心的外傷までは伴わない過去に関しては、「ジャーナリング」という方法が有効です。ジャーナリングとは、「自分に宛てて文章を書くこと」をいわれます。

このジャーナリングに関しては、以下のような実験が行われました。

参加者にはまず、過去の失敗や屈辱的な出来事を思い出してもらいます。

たとえば、

「仕事で大きな失敗をし、上司から厳しく叱責された」
「恋人にこっぴどく振られ、ひどく落ち込んだ」

などのことです。

つぎに、自分と同じ失敗をした友人をなぐさめるつもりで、自分宛てに手紙を書いてもらいました。

「そのような失敗をしたからといって、あなたはダメな人間ではない」
「あなたの良さをわかってくれる人が必ずいる。現にあの人はこういうところを認めてくれた」
「過去にこういうことがあったことで、成長できたこともある」

のように、文を書いていきました。

すると、ジャーナリングを通して自分を励ました人たちは、単に自分の長所について書いた対照群に比べ、幸福感が40%高く、怒りの度合いが24%低下した、という結果が出たのです。

「たった数分間のジャーナリングを数回行うだけでも効果がある」ともいわれています。ぜひ自分宛てに手紙を書いて、過去と向き合い、その経験を力に変えて、新たな行動に踏み出してみましょう。

 

以上が、自分を受け入れる実践法でした。まずここから実践され、自己評価をよくする土台を固めていただければと思います。

次回から、よい自己評価を形成するメソッドの2つ目「自分との関係を改善する」についてお話ししていきます。

まとめ

  • 自分を受け入れる実践法の3番目が「最悪のシナリオを考える」です。いまの状況から起こりうる最悪の事態を考えることで、本当にそんなことは起こるのかを冷静に考えることができ、自分はほとんど起こらないことを心配していたと気づくことができます
  • 最悪の事態さえも受け入れることができれば何も心配する必要はなかったと気づけて、感情を安定させることもできます
  • 自分を受け入れる実践法の4番目が「過去を受け入れる」です。「過去にこんないやなことがあった」と過去を受け入れていなければ、行動を回避し、自己評価をよくする機会を失ってしまいます
  • 過去を無理に忘れようとするのではなく(脳は過去は忘れないともいわれています)、過去と冷静に向き合い、いやな感情は切り離し、今度の糧・教訓としていくことが勧められています。自分一人でもできる過去との向き合い方で有効なのが「ジャーナリング」です

続きの記事はこちら

なぜ自分で自分を批判してしまうのか?自己批判の理由、メカニズム-生きづらさを解消する 自己評価メソッド11
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コンテンツブッダと自己評価の心理学
この記事を書いた人
南 雄一郎

2011年 金沢大学工学部 卒業

大学では機械工学を専攻するなか、悩み解消のヒントや生きる指針を教える仏教に強い関心を持ち、仏教講演会に多数参加しました。

また大学卒業後は仏教と親和性のある心理学にも興味を持ち、独学で学びました。

現在は東京都内でライターをしながら、対人関係の悩みを解消し、自立した生き方の実現を目的とした 仏教×心理学のワークショップを開催しています。

自主開催のワークショップは累計500回以上。

2018年 新潟県キャリアセンター様主催 キャリアコンサルタント フォローアップセミナーにて講師をつとめました。

NPC法人HMC協会 認定心理カウンセラー(セルフ資格) 。

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