勉強会主催の みなみ です。
『自己評価メソッド』を通して、不安や恐れなどの生きづらさを解消するにはどうすればいいのか、そのための自己評価の高め方について、続けてご紹介しています。
今回はその9回目です。
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自分を受け入れるメリット、受け入れないことの問題点
『自己評価メソッド』は、フランスで人気の精神科医 クリストフ・アンドレ氏によって書かれました。
よい自己評価を持てば、前向きな気持ちになり、積極的に行動し、言いたいこともきちんと伝えられるようになり、さらに自己評価がよくなっていきます。
それとは反対に自己評価が低かったり、高くてもろい状態だったりすれば、したいこともできず、言いたいことも言えずに自信を失い、さらに自己評価が悪くなってしまいかねません。
それでは生きづらさを抱えてしまいますね。
ではどうすればよい自己評価を持ち、生きづらさを解消できるのでしょうか。
よい自己評価を形成するためのメソッドを4つのパートに分けてご紹介しています。
- 自分を受け入れる
- 自分との関係を改善する
- 他人との関係を改善する
- 行動の仕方を改善する
前回は最初のメソッド「自分を受け入れる」ことの利点、受け入れないことの問題点、また自分を受け入れる方法の1つ目をお話ししました。
自分を受け入れることの利点は、気持ちが楽になることです。
例えば、友人の夕食会に参加し、自分はほとんど知らない文学のことが話題の中心になったとします。
そのときに「自分には文学の知識がない」ことを受け入れない(あたかも自分には文学の知識があると装う)と、どうなるでしょうか。
そのように知っているふりをすると、「意見を求められたらどうしよう?」とひやひやし、落ち着きませんね。
また、会話に入っていけない自分をみじめに思い、楽しそうにおしゃべりしている会食者たちをうとましく思うかもしれません。
反対に「自分に文学の知識がない」ことを受け入れると、どうなるでしょうか。
「自分は知識がないから、だからこそぜひ学んでみたい」と思い、まわりの人の話を聞いて、知らないことを学び、場合によっては「これについてはよく知らないもので、ぜひ詳しくお話しいただけませんか」と質問さえできるでしょう。
ひやひやしたり、自分をみじめに思ったり、ほかの人たちをうとましく思ったりすることなく、気持ちが楽になって、学びの場となり、有意義に時間を過ごすことができますね。
「文学の知識はなかったけれど、話を聞いているみると、奥深くて興味が湧いた。話の中でおすすめてしてもらった文学作品を今度読んでみようかな」と自分の新たな可能性にも気づけるかもしれません。
自分を受け入れないと、思うように変わることができない自分に苛立ったり、落ち込んだりして、「自分はダメな人間かもしれない」と自己評価がゆがみ、自信を失うことにつながります。
その状態が続けば、精神疾患も患いかねないでしょう。
それでは自分を受け入れるにはどうすればいいのか。その最初のステップが「意識的になる」ことです。
そもそも無意識に避けていること、受け入れていないことがわからねば、自分を受け入れることはできず、自己評価が高まることはありません。
「何か、イライラしていることはないか」「気分が沈んでしまう原因は何か」と自問し、受け入れていないことに意識的になること。そうして初めて自分を受け入れることができるのです。
自分を受け入れることの利点・受け入れないことの問題点、「意識的になる」ことの詳細はこちら(前回の記事)
今回は、自分を受け入れる方法の2つ目をご紹介していきます。
自分を受け入れるための実践法「現実に対して、『そのとおりだ』と言う」
②現実に対して、「そのとおりだ」と言う
自分を受け入れる方法の2つ目が、「現実に対して、『そのとおりだ』と言う」ことです。
何があったとしても、たとえ物事が自分の思い通りにはいかなかったとしても、その現実をありのままに認めなければ、受け入れることはできません。
現実をありのままに認めるには、頭の中で、
「残念だが、仕方がない。現実はそのとおりだ」
と言うことが勧められています。
同時に「一番いいのは、まずこの現実を認め、受け入れることだ」とも続けましょう。
起きた出来事から逃げようとしたり、否定したり、問題を矮小化したり無かったことにしようとしたり、言い訳や自己弁護をしたりしても、感情に悪い影響を与え、自己評価はゆがんでしまうのであり、メリットはありません。
「現実はそのとおりだ」と言って現実を認めた上で、ではどうすれば状況はよくなっていくのか、ネガティブな感情をポジティブなものに変換していけるのか、を考えてみましょう。
失敗したときも“悪循環を断ち切る言葉”で気持ちを落ち着かせる
ミスを犯してしまうと、特に自己評価の低い人は、「こんな失敗をする私はダメな人間だ」と必要以上に自分を責め、
さらには「こんな自分は周りから役立たずと思われている。もしかしたらこの場から追い出されるかもしれない」と、悪い方向に想像を膨らませてしまうこともあります。
そうやって自分を責めてしまうのは、「自分は失敗してはならない」という強い思い込みを持っていることにあります。
では失敗を受け入れるにはどうすればいいのでしょうか。
先に紹介した「残念だが、仕方がない。現実はそのとおりだ」と言う、
あるいは少し言い換えて、
「誰にでもミスはある。起きてしまったことは仕方がない」
「いまはその失敗をしただけで、それ以上、悪いことが起こったわけではない」
「まず失敗を認めて、この後、取り返せばいい」
など、自分を落ち着かせることができる言葉を決めておいて、自分にその言葉をかけるようにしましょう。
そのようなポジティブな言葉をかければ、意気消沈することなく、気持ちが前向きになり、粘り強く物事に取り組めるようになるのです。
起こった出来事に「これは自分にとって〇〇だ」というラベルを貼るだけで、感情をコントロールする脳の領域を活性化させ、不安や恐れを鎮め、現状をより正しく認識することが可能になると、脳科学でもいわれています。
うまく物事が進まずにイライラしたとき、失敗を犯して気持ちが深く沈みそうなとき、悪い想像に引っ張られてしまいそうなときは、
頭の中で「現実はそのとおりだ」と言うこと、自分自身にポジティブな言葉をかえることを、ぜひ実践してみください。
次回は、自分を受け入れることの3番目、4番目の実践法をお話ししていきます。
まとめ
- 自分を受け入れる-〇〇ができないと自分を認める-ことで、気持ちが楽になります。状況を前向きに受け止め、積極的に行動し、時間を有意義に過ごすことができるようになります
- 自分を受け入れる実践法の2番目が「現実に対して、『そのとおりだ』と言う」ことです。頭の中で「現実はそのとおりだ」と言うことで、悪い想像を膨らませずに現実を認めることができ、その上で状況をよくするための行動に踏み出していけます
- 失敗をしたときも、「誰にでもミスはある。起きてしまったことは仕方がない」などと言うことで、自分を必要以上に責めることはなくなり、気持ちをポジティブにさせ、粘り強く物事に取り組むことができます
続きの記事はこちら
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