勉強会主催の みなみ です。
『自己評価メソッド』を通して、不安や恐れなどの生きづらさを解消するにはどうすればいいのか、そのための自己評価の高め方について、続けてご紹介しています。
今回はその25回目です。
記事の内容を動画でもご紹介しています
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感情(気分)と自己評価との関係
『自己評価メソッド』は、フランスで人気の精神科医 クリストフ・アンドレ氏によって書かれました。
こちらの記事では、『自己評価メソッド』で紹介されている、自己評価をよくする方法を以下の4つのパートに分けてお話ししています。
- 自分を受け入れる
- 自分との関係を改善する
- 他人との関係を改善する
- 行動の仕方を改善する
前回は、「自分との関係を改善する」の中の、感情(気分)と自己評価との関係についてお話しました。
感情を抜きにして自分を評価することはできず、感情と自己評価との間には相関関係がある、といわれています。
すなわち、気分がよくなれば自己評価は上がり、気分が悪くなれば自己評価も下がるのです(それとは反対に自己評価 → 気分も成り立ちます)。
自己評価が、気分にもたらす影響
よい自己評価の人は感情知性(自分や他人の感情に気づき、正確に把握できる能力・いまの気分をよい方向へ持っていける能力)が高く、感情を上手に切り替えることができます。
反対に自己評価が低いと、ストレス下でネガティブな感情を抱きやすく、気分の切り替えができません。
それどころか、ますます気分を悪くさせる傾向にあります。
その悪い気分はさらに自己評価を悪くし、無力感に陥ってしまいかねません。そして、無力感はさらに自己評価を悪化させる…、と、やがては「悪い円環構造」にはまってしまうのです。
前回の詳細はこちら
では、「悪い円環構造」にはまることなく、自己評価と気分の関係を<好循環>に持っていくためにはどうすればいいのでしょうか。
今回は、気分をよくすることで自己評価もよくし、<気分と自己評価との好循環>に入るための実践法をご紹介していきます。
気分をよくして自己評価もよくする4つの実践法
実践法① 自分の気分や感情がどうなっていたか、定期的に確かめる
気分をよくするためにまず必要なことは、自分の気分や感情がどうなっているかを確かめることです。
自分の気分・感情に気づくことで、必要以上に思い悩まなくなり、気分が晴れることもあります。
では、自分の気分・感情を知るにはどうすればいいのでしょうか。
アンドレ氏は、手帳を1冊用意して、
その時々の気分を
- 起こった出来事
- それについて自分が考えたこと
とともに記録していく方法を勧められています。
たとえば、気分がふさいでいる時に、
- それはどんな出来事によるものか
- どんな考えが頭に浮かんだか
- どんな行動をとったか
を簡単に書き留めることです。
その上で、自分が考えたことや、それによって生じた気分は、起こった出来事に見合っているものかも振り返ってみましょう。
すると、「そんなに深刻に考えることでもない。落ち込む必要もない」と気づき、気持ちが少し明るくなることもあるはずです。
実践法② その気分が思い込みから来ていないかどうか確かめる
気分や感情は、<事実>そのものではなく、「その事実をどう考えるか」によって生まれてくる、とアンドレ氏は指摘をしています。
仮に、ある人に挨拶をしたのに返事がなかったとします。
そのときに「自分は嫌われている」と思えば悲しくなり、自己評価が傷ついてしまいますね。
しかし「自分は嫌われている」という考えは、実は単なる思い込みで、「相手が何か別のことに気をとられていて、単に気づいていなかっただけ」という可能性もあります。
ゆえに、悲しい気分になる必要はないのですね。
このように、いろいろな可能性を探り、考え方の幅を広げることで、思い込みにとらわれることなく、気分をコントロールすることができるようになります。
実践法③ 定期的に自分の心を見つめる
じっくりと、自分の心を見つめる習慣を身につけることも勧められています。
たとえば、夜寝る前に10分間、静かに目を閉じて自分について考える。
これは、自分の気分の動きをとらえ、自らを客観的に見つめることに役立ちます。
実践法④ 楽しい気分を大切にする
自己評価の低い人は「失敗をして、気分が落ち込んでいる」時に、<楽しい気分>を自分に許さない傾向にある、といわれています。
何か楽しくなるようなことをして気分転換をする、ということもなければ、
楽しい気分になったとしても「今はそんな気分に浸ってはいけない」とも考えるのです。
そうして気分の切り替えができず、ますます悪い感情になっていくのですね。
そのままでは、いつまでたっても気分はよくならず、自己評価にも悪影響が出てしまいます。
そこで、「楽しい気分になるのは人間としての正当な権利で、楽しい気分になっても不真面目でもなんでもない」と考えよう、と勧められています。
具体的な気分転換の仕方として挙げられているのが、
- 気分を変えることの大切さに気づく
- 自分にごほうびをあげる(好きな映画を見る、ちょっとおいしいものを食べる、など)
- 罪悪感を抱かない
の3つです。
「気分を変えることで、自己評価がさらに傷つくのを防ぐことができる」という気分転換の大切さを知り、「楽しむのは正当な権利だ」と思って 罪悪感を持たずに、自然と楽しめる「ごほうび」をぜひ見つけていきましょう。
以上が、<気分と自己評価との好循環>に入るための4つの実践法でした。
次回は、「自分との関係を改善する」の最後のポイント<自分と親友になる>についてお話していきます。
まとめ
気分をよくして自己評価もよくする実践法として、以下の4つをご紹介しました
- 自分の気分や感情がどうなっていたか、定期的に確かめる-
自分の気分・感情に気づくことが、気分をよくする出発点です。感情・気分に気づく方法として、その時々の気分を「起こった出来事」「それについて自分が考えたこと」とともに書き記すことが勧められています - その気分が思い込みから来ていないかどうか確かめる-
思い込みからネガティブな感情が生じます。ゆえに考え方を広げることで思い込みにとらわれずに、気分をコントロールすることが可能となります - 定期的に自分の心を見つめる
- 楽しい気分を大切にする-
罪悪感を抱かないよう「楽しい気分になるのは正当な権利で、不真面目ではない」と考え、楽しい気分を受け入れ、適度に気分転換をしていきましょう
続きの記事はこちら
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