相手も自分も上手に愛するための実践法とは?最大のポイントは「完璧であることを要求しない」-生きづらさを解消する 自己評価メソッド35

勉強会主催の みなみ です。

『自己評価メソッド』を通して、不安や恐れなどの生きづらさを解消するにはどうすればいいのか、そのための自己評価の高め方について、続けてご紹介しています。

今回はその35回目です。

自己評価メソッド―自分とうまくつきあうための心理学

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承認欲求と適切に向き合うための3つのポイント

『自己評価メソッド』は、フランスで人気の精神科医 クリストフ・アンドレ氏によって書かれました。

こちらの記事では、『自己評価メソッド』で紹介されている、自己評価をよくする方法を以下の4つのパートに分けてお話ししています。

  1. 自分を受け入れる
  2. 自分との関係を改善する
  3. 他人との関係を改善する
  4. 行動の仕方を改善する

前回は、「他人との関係を改善する」パートの中の、「人から認められたい」という気持ちから さらに進んだ「人から愛されたい」という気持ちについてお話ししました。

人から愛されたいという気持ちは、人間の根源的な欲求

人間は一人では生きることができず、生きていくには母親からの愛情が必要になります。

また、大人になってからも一人では生きられません。周囲からの援助が欠かせませんね。
これは原始時代から続いていることです。

よって、人から愛されたいという気持ちは、生まれてからの記憶、人間の種としての記憶が起こさせる気持ちであり、根源的な欲求といわれています。

自己評価に問題があると現れる、2つの「歪んだ愛の形」

愛されたいという気持ちと自己評価との関係について、自己評価に問題があると「愛されたい」という気持ちは、次の2つの歪んだ形で現れる、ともいわれています。

①愛情を示しすぎる

低い自己評価の人は、自分に愛されるための自信がないため、相手に過剰に優しくすることで愛されようとします。

②愛情を求めすぎる

見捨てられる不安が強い人は、ちょっと連絡がなかっただけで不安になって、相手を責めることがあります。

また、すぐに親密になろうとする人は、知り合ったばかりでも密な友達づきあいをしてもらおうとするのです。

どちらの場合も、相手からの愛情を受け取らないと「自分には価値がない」と思い込んでいるところから、愛情を求めすぎる行動に出てしまいます。

前回の詳細はこちら

「愛されたい」気持ちと自己評価との関係とは?問題のある自己評価から出てくる「歪んだ愛の形」-生きづらさを解消する 自己評価メソッド34
勉強会主催の みなみ です。 『自己評価メソッド』を通して、不安や恐れなどの生きづらさを解消するにはどうすればいいのか、そのための自己評価の高め方について...

今回は、この「愛されたいという気持ち」と適切に向き合い、自己評価をよくしていくための実践法をご紹介していきます。

上手な愛のための実践法「完璧であることを要求しない」

「愛されたいという気持ち」と適切に向き合い、愛を通じて自己評価をよくしていくための方法としては、アンドレ氏は

「相手に愛情を求めすぎない」
「自分に自信を持つ」
「理想の愛を追求しない」
「相手に失望することを恐れない」

など、上手に愛し、愛されるための実践法はあるといわれています。

しかし、それによって「愛されたいという気持ち」をすべて説明することができると思えない、といわれ、代わりとして、ある女性のことが紹介されていました。

ある女性が生涯の伴侶を得られるまで

その女性はアルメルさんといい(仮名)、自己評価に問題があって、コンプレックスにも悩まされていました。

そこでアンドレ氏のクリニックに通っていたのですが、突然、セラピーに来なくなり、しばらくの間、姿を見せなくなったそうです。

あとで訊いてみたところ、アルメルさんは恋をしている時だったといいます。

「愛されていると思うと、自分にここが足りないとか、ここがいけないなんて考えないようになるんだもの」と語り、セラピーの必要性がなくなったと感じていたのです。

これについてアンドレ氏は、<恋>は自己評価をよくするセラピーの役目をした、といわれています。

<恋>によって「愛されている」という気持ちを抱いて自己評価がよくなることはもちろん、

恋をすると、<相手>や<自分たち>のことに気持ちがいくことで、<自分のこと>を考えなくなり、「(自己評価に問題がある人がよくやる)自分にこだわって、自分を批判する」ことがなくなったのですね。

ところが、アルメルさんの場合、<セラピーの効果>はいつまでも続きませんでした。以前のように不安が押し寄せるようになったのです。

その不安は、まず恋人に対する不満をきっかけとしていました。相手を理想化し続けていると、やがてその人の欠点が目に入ることによって不満を抱きます。

すると、今度は「自分はどうなの?」と思って、自分のことを考えるようになり、自分の欠点が目についてコンプレックスに悩み、あとは自己嫌悪感だけが残ってしまったのでした。

しかし、そのアルメルさんも、あるとき、<生涯の伴侶>を見つけることになりました。

それは、自分が理想化したような相手はではなく、

欠点があるにもかかわらず、しだいに生涯の伴侶になっていきそうな人

を見つけた、といわれています。

「自己評価をよくする」訓練を重ねていった結果、自分自身のことがよくわかり、自分に対しても相手に対しても「完璧であることを要求する」ことがなくなったのだろう、とアンドレ氏は考察されています。

相手に対して完璧であることを要求すれば不満を抱き、自分のことを考えるようになります。
そこでさらに自分にも完璧であることを要求すれば、その要求に応えられない自分のことが嫌いになって、ますます自己評価に問題を抱えてしまいますね。

「完璧であることを要求する」のは幸せになるための障害である、とアンドレ氏は指摘しています。

アルメルさんの実例から、完璧さの追求をやめることが、相手を上手に愛し、自分もまた上手に愛されることの第一歩、実践すべきことといえます。

自分にも相手にも、当然 欠点はあることを念頭に置いたうえで、その中でも相手と自分の長所を見つけるようにして、他者も自己も受け入れるようにしていきたいですね。

他者受容の具体的な方法はこちらをご覧ください。

アドラー心理学にみる、他者を“敵”ではなく“仲間”とみなす方法
「他者が自分の思い通りに動いてくれれば、こんなにヤキモキしなくてすむのに…」 このような思いを、毎日のように抱えられている方もいるかもしれません。 ...

また、自己受容の方法はこちらをご覧ください。

ありのままの自分を受け入れるには?アドラー心理学から知る”自己受容”の方法
「自分のここがイヤで仕方ない」 「自己評価が低くて、何事にも自信が持てない」 と、自分のことが好きになれなくて悩んでいる方は多いのではないでしょうか。 ...

 

次回は、「恥ずかしいという気持ち」と自己評価の関係、恥の感情をいかにコントロールするかについてご紹介していきます。

まとめ

  • 自己評価に問題を抱えていたある女性は、恋をしたことで「愛されている」という気持ちを持てて自己評価がよくなり、相手に気持ちがいくことで、自分へのこだわりや批判もなくなっていきました
  • 恋によるセラピーの効果はいつまでも続くとは限らず、相手に対する不満をきっかけに自分のことについても考え、欠点が目について自己嫌悪感が残ることもあります
  • 相手に対しても自分に対しても「完璧であることを要求する」ことをやめることで、相手の欠点も受け入れて愛し、自分のコンプレックスも受け入れて愛することができるようになるのです

続きの記事はこちら

恥ずかしいという気持ち・恥の感情が<自己評価>に与える影響とは-生きづらさを解消する 自己評価メソッド36
勉強会主催の みなみ です。 『自己評価メソッド』を通して、不安や恐れなどの生きづらさを解消するにはどうすればいいのか、そのための自己評価の高め方について...

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コンテンツブッダと自己評価の心理学
この記事を書いた人
南 雄一郎

2011年 金沢大学工学部 卒業

大学では機械工学を専攻するなか、悩み解消のヒントや生きる指針を教える仏教に強い関心を持ち、仏教講演会に多数参加しました。

また大学卒業後は仏教と親和性のある心理学にも興味を持ち、独学で学びました。

現在は東京都内でライターをしながら、対人関係の悩みを解消し、自立した生き方の実現を目的とした 仏教×心理学のワークショップを開催しています。

自主開催のワークショップは累計500回以上。

2018年 新潟県キャリアセンター様主催 キャリアコンサルタント フォローアップセミナーにて講師をつとめました。

NPC法人HMC協会 認定心理カウンセラー(セルフ資格) 。

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