6/15(土)レポート セルフ・コンパッションの効果とは?自己批判の苦しみを和らげ、喜びを大きくする-セルフ・コンパッションの効果と身につけ方2

勉強会主催の みなみ です。

今回の勉強会には初めての方3名を含む、7名の方にご参加いただきました!

朝から雨風が強く、夕方にはさらに強まってしまって悪天候のなかでしたが、それでも多くの方にご参加いただき、非常に嬉しく思います^^

ワークショップ後も、悩みを共有してその乗り越え方について考えたり、適切なコミュニケーションの仕方についてシェアしたり、趣味の話もできたりして、有意義な時間となりました。

記事の内容を動画でもご紹介しています

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セルフ・コンパッションとは?人生の苦しみを和らげる「自分に対する慈悲」

今回の勉強会は、
ブッダと心理学から学ぶ「自分への思いやり(セルフ・コンパッション)の効果と身につけ方
についてでした。

このテーマの勉強会では、『セルフ・コンパッションのやさしい実践ワークブック』という本の内容をメインにしてお話ししています。

セルフ・コンパッションのやさしい実践ワークブック

ディスモンド氏は貧しい家庭環境で育ち、人生に対する怒りや悲しみ、苦しみを抱えていました。

しかし大学生のときにセルフ・コンパッションと出会い、その実践を重ねたところ、人生の苦しみが和らいでいき、自分に対しても、また相手に対しても思いやりの心を持てるようになった、と言われています

自分の人生を変えてくれたセルフ・コンパッションをもっと多くの人に共有したいと思われたことから心理療法家を目指すことになり、いまも現役のセラピストとして活躍されています。

そのディスモンド氏によって書かれた『セルフ・コンパッションのやさしい実践ワークブック』では、セルフ・コンパッションとはそもそもどんなものであるのか、そしてその具体的な実践方法が紹介されています。

セルフ・コンパッションとは「自分に対する慈悲」といわれています。

慈悲はもともと仏教の言葉であり、仏教の慈悲をヒントとしてセルフ・コンパッションは生み出されたといわれています。

前回は、では、その慈悲とはそもそも仏教でどう教えられているのかについて、詳しくご紹介をしました。

前回の記事はこちら

今回は、セルフ・コンパッションを実践することで得られる、具体的な効果をお話ししていきます。

心理的な障害のもとになる「自己批判の苦しみ」

「自分に対する慈悲」または「自己への思いやり」といわれるセルフ・コンパッション。

自分への思いやりを持つことで苦しみを和らげ、気持ちを落ち着かせることが可能となります。

ただ、悲しみや苦しみを二度と感じなくなる、ということではありません。人生に逆境がなくなることはなく、不安や欲求不満、寂しさは湧いてきます。

しかしそのような中でも、自分を上手に使うことができるようになり不安や苦悩に押しつぶされて立ち直れなくなる、ということにはならないのです

人生には外的な苦しみもありますが、内的な苦しみに常に苛まれている人もいるでしょう。

内的な苦しみとは、自分で自分のことを認めてあげられずに責めてしまう「自己批判の苦しみ」ですね。

自己批判の強い人は、どんなに周囲から評価され、大事にされようと、「私には何か致命的な欠点があるはず」と思い込んで聞き入れようとしません。

客観的に見れば、十分に努力し、周りからの評価を得ているはずなのに、

「ダメだ」
「もっとがんばれ」
「私なんか愛されるはずがない」

と、自分を責めてしまうのです。

不安や怖れ、抑うつなどの心理的な障害は、自己批判をしてしまうことが元にある、とも言われています。

苦しみを和らげ、喜びを最大限に味わえる

そのような深刻な状況をももたらすのが自己批判の苦しみです。

しかしセルフ・コンパッションを実践すると、人生がつらく、自己批判的なときも、その苦しさが和らげられ、心のバランスを取り戻すことができるのです

また、人生が順調なときは、罪悪感をもたずに喜びを味わえるようになります

逆境にぶつかってしまったり、内的な苦しみを抱えてしまったりしているときはもちろん、人生が順調なときにも効果があるのがセルフ・コンパッションなのですね。

セルフ・コンパッションはたとえるなら、

愛情深く支えてくれる友人がいつもそばに一緒にいてくれる感じ

といわれています。

愛情深く支えてくれる友人、自分を常に受け入れてくれる友人が一緒に入れくれたら、どんな気持ちになるのでしょうか。

自分が順調なときは一緒に喜んでくれて、喜びもいっそう大きくなったと感じます。

自分が苦しいとき、批判的なときは、相手が自分のことを受け入れてくれて、優しい言葉をかけてくれるでしょう。
そうすると、苦しみも和らいだように感じますよね。

ドイツのことわざで「共に喜ぶのは2倍の喜び、共に悲しむのは半分の悲しみ」という言葉があるそうです。
共感してくれる親友がいてくれれば、喜びは倍増し、悲しみは半減してくれる。まさにその通りだと感じます。

ただ、いくら親友とはいえ、四六時中、一緒にいることはできません。

しかしセルフ・コンパッションを身につけられると、必要なときに、そのような感覚を抱くこともできるようになるのですね。

次回は、セルフ・コンパッションと間違いやすい概念について、お話しします。

まとめ

  • セルフ・コンパッションとは「自己への思いやり」「自分に対する慈悲」のことをいいます。批判するのではなく、自分自身に思いやりを持って接するのがセルフ・コンパッションです
  • 自己への思いやりを持っても、悲しみや苦しみを二度と感じなくなる、ということでありません。逆境にぶつかって苦しみ、不安を抱えることもあります。そのなかでも自分を上手に使えるようになり、不安や苦悩に押しつぶされることはなくなるのです
  • セルフ・コンパッションの実践によって、自己批判の苦しみは和らげられ、心のバランスを取り戻すことができます。また人生が順調なときは、罪悪感を持たずにその喜びを十分に味わえるようになります。苦しいときも順調なときにも効果があるのがセルフ・コンパッションです

続きの記事はこちら

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コンテンツレポートブッダとセルフ・コンパッション
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この記事を書いた人
南 雄一郎

2011年 金沢大学工学部 卒業

大学では機械工学を専攻するなか、悩み解消のヒントや生きる指針を教える仏教に強い関心を持ち、仏教講演会に多数参加しました。

また大学卒業後は仏教と親和性のある心理学にも興味を持ち、独学で学びました。

現在は東京都内でライターをしながら、対人関係の悩みを解消し、自立した生き方の実現を目的とした 仏教×心理学のワークショップを開催しています。

自主開催のワークショップは累計750回以上。

2018年 新潟県キャリアセンター様主催 キャリアコンサルタント フォローアップセミナーにて講師をつとめました。

NPC法人HMC協会 認定心理カウンセラー(セルフ資格) 。

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