勉強会主催の みなみ です。
今回の勉強会には初めての方5名を含む、10名の方にご参加いただきました!
インフルエンザが猛威をふるっているようで、みなさんの体調が心配でしたが、お元気そうでよかったです^^
今回は、挫折や悲嘆からもすばやく立ち直れる力(=レジリエンス)をテーマにお話しし、立ち直り方についてぜひ知りたいと、特に関心の高い方に来ていただきました。
「失敗からの立ち直りについて整理ができた」
「普段から実行していることの理論が知れて、勉強になった」
という感想もいただき、私自身もとても励まされました(^^)
今回ご紹介した対処法を日常でも実践していただき、少しでも立ち直りの助けとなれば嬉しく思います。
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レジリエンスとは?次善策をとことん使い倒せるようになる力
今回の勉強会のテーマは、
ブッダと行動心理学から学ぶ「レジリエンス(=折れない心)の鍛え方」
についてでした。
このテーマのワークショップでは『OPTION B』という本の内容をメインにお話ししています。
OPTION B(オプションB) 逆境、レジリエンス、そして喜び
この本は、
- 困難や悲嘆に適切に向き合うにはどうすればいいのか
- 逆境をいかに乗り越えられるか
について、確かな実験データに裏づけられた方法が紹介されています。
この本のキーワードが「オプションB」「レジリエンス」です。
オプションBとは、オプションA(最善策)に対する言葉で、最善策が取れなくなってしまったときの次善策のことです。
最愛の人を失ったしまった、仕事で大失敗をしてプロジェクトを降ろされてしまったとなれば、最善策(最愛の人と一緒に過ごす、プロジェクトを成功させる)は取れなくなってしまいます。
その際の次善策(最愛の人の喪失を乗り越える、新たな仕事に前向きに取り組んで周りから認められる)が「オプションB」です。
そして「レジリエンス」とは、悲嘆や挫折からすばやく立ち直れる力(立ち直り力)のことで、言い換えれば、オプションBをとことん使い倒せるようになる力のことです。
このレジリエンスはあらかじめ決まっているものではなく、鍛えることができます。
ではどうすれば鍛えられるのでしょうか?
それには「3つのP」への対処法を知り、それを実践、習慣化することだといわれています。
3つのPとは、
- Personalization(=自責化)
- Pervasiveness(=普遍化)
- Permanence(=永続化)
のことで、これらが私たちの立ち直りを妨げると指摘されています。
前回は、自分を必要以上に責めて落ち込ませてしまう自責化にいかに対処すべきか、その方法の1つである「自己への思いやりを持つこと」、そして「自責化」と「自己憐憫」との違いについてお話ししました。
前回の記事はこちら
今回は、自己への思いやりの持ち方を具体的にご紹介していきます。
自責化を乗り越えるために!自己への思いやりを持つ方法
自己への思いやりを持つ方法として、特に効果的な2つが、
- ジャーナリング
- 「役に立てたこと」に注目する
です。
①ジャーナリング
1つ目のジャーナリングとは、「自分に宛てて文章を書くこと」をいわれます。
「書くことは、自己への思いやりを身につけるための強力なツール」といわれるほど、書くこと、ジャーナリングは、脱自責化へ効果的な手法なのです。
ジャーナリングに関する実験
ジャーナリングに関して、以下のような実験が行われました。
参加者にはまず、失敗や屈辱的な出来事を思い出してもらいます。
たとえば、
「仕事で大きな失敗をし、上司から厳しく叱責された」
「恋人にこっぴどく振られ、ひどく落ち込んだ」
などのことですね。
つぎに、同じ失敗をした友人をなぐさめるつもりで、自分宛てに手紙を書いてもらいました。
「あなただけが悪いわけではない」
「大きな失敗をしたからといって、あなたは最悪の人間ではない」
「あなたの良さをわかってくれる人が必ずいる。現にあの人はあんな嬉しいことを言ってくれたではないか」
のように、手紙にしたためます。
すると、自分にやさしくした人たちは、たんに自分の長所について書いた対照群にくらべ、幸福感が40%高く、怒りの度合いが24%低下した、という結果が出たのです。
ジャーナリングを行うことで自責化が和らぎ、ストレスも軽減され、幸福感も上昇していることがわかります。
「たった数分間のジャーナリングを数回行うだけでも効果がある」ともいわれています。
忙してなかなか時間が取れない方でも、少しでも実行すれば十分な効果が得られるでしょう。
②「役に立てたこと」に注目する
2つ目は、役に立てたことに注目する、です。
具体的にいえば、「その日にあった“うまくいったこと”をリストアップする」ことです。
これについても、参加者にその日うまくいったこと3つとその理由を1週間連続で書き出してもらう、という実験が行われました。
うまくいったことといっても大きなものに限らず、小さなことでも問題ありません。
たとえば、
- ちょっとおかしかったこと
- 大笑いしたこと
- 仕事で達成感が得られたこと
- 家族との絆が強まったこと
- 未来への希望がきざしたこと
などです。
すると、うまくいったことをリストアップしたグループは、幼いころの思い出を書き出した対照群にくらべ、その後6ヶ月間幸福感が高まった、といわれています。
6ヶ月もの間 幸福感が高まったとは、非常に大きな効果ですね。
こちらもぜひ日常で取り入れていただければと思います。
次回は「普遍化」についての対処をご紹介していきます。
まとめ
- 逆境に直面したとき、そこからすばやく立ち直れる力を「レジリエンス」といいます。レジリエンスを鍛えるには、立ち直りを妨げる「3つのP」を知り、それらの対処法を身につけることです
- 「3つのP」の1つである自責化に対処するには、自己への思いやりを持つことが大切です。自己への思いやりを持つのに特に有効なのが、以下の2つです
- ジャーナリング(自らの過去の失敗・悲嘆に対して、友人をなぐさめるつもりで、自分宛てに手紙を書くことで、ストレスが軽減し幸福感も上昇します)
- 「役に立てたこと」に注目する(その日うまくいったこと3つをリストアップすると、幸福度が高まります)
続きの記事はこちら
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