2/11(月・祝)レポート 「何もかもがサイテーだ」普遍化への2つの対処法とは-ブッダと行動心理学から学ぶ レジリエンスの鍛え方6

勉強会主催の みなみ です。

今回の勉強会には初めての方5名を含む、15名の方にご参加いただきました。

前回の中目黒でのワークショップでは積雪が心配された影響もあってキャンセルが続出してしまったのですが、今回はほぼ皆さん予定通り参加され、本当に多くの方に来ていただき、よかったです^^

参加者の方同士ディスカッションやワークも盛り上がり、充実した時間となりました。

今回のテーマの「レジリエンス」についてますます関心を深められ、レジリエンスを鍛える方法をぜひこれからやっていきたい、という声もお聞きしました。

私自身も自分の取り組みを改めて見直せる良い機会となりました。

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レジリエンスとは?挫折や悲嘆からすばやく立ち直れる鍵

今回の勉強会のテーマは、
ブッダと行動心理学から学ぶ「レジリエンス(=折れない心)の鍛え方」
についてでした。

このテーマのワークショップでは『OPTION B』という、レジリエンスとその鍛え方について解説された本の内容をメインにお話ししています。

OPTION B(オプションB) 逆境、レジリエンス、そして喜び

レジリエンスとは、逆境にぶつかったときに、どれだけ力強くすばやく立ち直れるかを決める力のことであり、「立ち直り力」ともいわれています。

逆境、行く手を阻む障害、人生の荒波を私たちは避けて通ることはできません。

それらに直面したとき、レジリエンスが低い人は、落ち込みから回復するまでに多くの時間を要してしまい、最悪の場合は一人で立ち上がることができなくなってしまいます。

反対にレジリエンスの高い人は悲嘆や挫折からもすばやく立ち上がり、それらにぶつかったことで自分を成長させることさえもできます(心的外傷後成長、という言葉もあります

そして、このレジリエンスはあらかじめ決まっているものではなく、鍛えることができるのです。

ストレスに晒され続けることも多い今の社会では、特に高めることが求められる能力でしょう。

ではどうすれば鍛えられるかというと、立ち直りを妨げる「3つのP」の対処法を知り、それを実践することで可能となるのです

3つのPとは、

  • Personalization(=自責化)
  • Pervasiveness(=普遍化)
  • Permanence(=永続化)

のことですね。

前回は、「3つのP」の1つ目の自責化にいかに対処すべきか、それには自己への思いやりを持つことが有効であり、そのための具体的な手法をご紹介しました。

前回の記事はこちら

1/26(土)レポート これで脱自責化!自己への思いやりを持つ2つの方法-ブッダと行動心理学から学ぶ レジリエンスの鍛え方5
勉強会主催の みなみ です。 今回の勉強会には初めての方5名を含む、10名の方にご参加いただきました! インフルエンザが猛威をふるっているようで、みなさんの体調...

今回は、「3つのP」の2番目である普遍化への対処法をお話しします。

「何もかもがサイテーだ」普遍化への2つの対処法

改めて、立ち直りを妨げる「普遍化」とは何かといいますと、

良くないことに対して、そのことだけでなく「何もかもがサイテーだ」と思い込むことです。

本当はそこまで悪い状態ではないことでも、「何もかもサイテーだ」と思い込んでしまうと、ネガティブな感情がますます増幅し、本当にすべてが悪い状態に思えて、何も手につかない状況になってしまいかねません。

そうなれば立ち直りも遅れてしまうのですね。

この普遍化に対処するにはどうすればいいのでしょうか?

普遍化への対処① 自責化からの解放

『OPTION B』の著者であるシェリル・サンドバーグさん(フェイスブックCOO)は、

何もかも自分のせいにするのをやめると、悪いことばかりではないことに気づく

と言われています。

何もかも自分のせいだと考える「自責化」から解放されることで、普遍化にも自然と対処できるようになるのですね。

自責化と普遍化、両方で苦しまれているときは、まず先の記事でご紹介した自責化への対処に取り組んでいただきたいと思います。

普遍化への対処② 恵みに感謝する

普遍化にフォーカスした対処法として挙げられているのが「恵みに感謝する」です。

ある心理学実験で、参加者が3つのグループに分けられました。

1つ目は「毎週1回、感謝できることを5つ以上書き出してもらう」グループ、

2つ目は「毎週1回、わずらわしいできごとを列挙してもらう」グループ、

そして3つ目は「毎週1回、日常的なできごとを列挙してもらう」グループです。

それぞれ指示されたことを実行した結果、1つ目の感謝グループはほかのグループよりも幸福度が高く、健康上の問題も少なかったのです。

このことから、感謝できることに注目し、それを感じることは、「何もかもがサイテーだ」という普遍化思考を和らげ、事態に適切に対処することに効果的だとわかります。

現状が良くない、良いところなどなに1つもないと思い込むのではなく、ぜひ感謝できることに思いを巡らせ、見つけてみてください。

 

次回は最後のPである、「永続化」への対処法をご紹介します。

まとめ

  • 逆境にぶつかったときに、どれだけ力強くすばやく立ち直れるかを決める力が「レジリエンス」です。レジリエンスの高い人は悲嘆や挫折からもすばやく回復し、自己成長へも変えることができます
  • レジリエンスは立ち直りを妨げる「3つのP」の対処法を身につけることで、鍛えることが可能です。「3つのP」の1つが、「何もかもが最低だ」と思い込む普遍化です
  • 普遍化の対処法として、以下の2つをご紹介しました
    1. 自責化からの解放-何もかも自分のせいにすることをやめることで、悪いことばかりではないと気づけます
    2. 恵みに感謝する-感謝できることに注目することで、普遍化思考を和らげられます

続きの記事はこちら

6/11(火)レポート 立ち直りにいちばん手こずる“永続化”への対処法とは-ブッダと行動心理学から学ぶ レジリエンスの鍛え方7
勉強会主催の みなみ です。 今回は、神奈川の武蔵小杉、さらに平日の開催でしたが、初めての方2名を含む、5名の方にご参加いただきました。お話の機会をいただいて感...

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コンテンツブッダと行動心理学レポート
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この記事を書いた人
南 雄一郎

2011年 金沢大学工学部 卒業

大学では機械工学を専攻するなか、悩み解消のヒントや生きる指針を教える仏教に強い関心を持ち、仏教講演会に多数参加しました。

また大学卒業後は仏教と親和性のある心理学にも興味を持ち、独学で学びました。

現在は東京都内でライターをしながら、対人関係の悩みを解消し、自立した生き方の実現を目的とした 仏教×心理学のワークショップを開催しています。

自主開催のワークショップは累計750回以上。

2018年 新潟県キャリアセンター様主催 キャリアコンサルタント フォローアップセミナーにて講師をつとめました。

NPC法人HMC協会 認定心理カウンセラー(セルフ資格) 。

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