勉強会主催の みなみ です。
今回のワークショップには、初めての方お1人を含む6名の方にご参加いただきました!
続けて来られている方が、友人を誘ってきてくださいました^^ このワークショップのことを紹介されたところ、関心を持たれたようです。
ご友人もワークショップの内容を喜ばれ、「本当に有意義な時間を過ごせた」と言われていたそうです。
ご友人が喜ばれたことも、誘われたことにも嬉しさを感じました(^^)
有意義な時間を共有できるよう、ワークショップの内容も常に研鑽していきます!
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世界的ベストセラー『GIVE&TAKE』を簡単要約
今回の勉強会のテーマは、
ブッダと行動心理学から学ぶ「人間の3つのタイプと、GIVEの精神」
についてでした。
このワークショップでは、『GIVE&TAKE』という本の内容をメインにしてお話ししています。
GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)
『GIVE&TAKE』は、組織心理学者であるアダム・グラント氏(ペンシルベニア大学ウォートン校の心理学教授)によって書かれたものです。
簡単に、全体の内容を紹介しますと、
まず、人間を「取る」「与える」という観点から3つのタイプに分けられています(世界中の3万人以上を対象にした調査で明らかにされています)。
その3つのタイプが
- ギバー
- テイカー
- マッチャー
です。
ギバーは与える人-受け取るより多くを与えようとする人、
テイカーは取る人-与えるより多くを受け取ろうとする人、
マッチャーは与えることと受け取ることのバランスを取ろうとする人(自分が与えたなら相手から見返りがほしい、相手から与えられたならその分のお返しをする)のことです。
成功(地位や収入)という基準を設けた場合、この中で最も成功から遠ざかるのは、意外なことにギバーなのです。
ギバーは多くを与えようとする良い人なのですが、それゆえテイカーにだまされやすく利用されやすいのです。
しかし実は、最も成功しているのもギバーなのです。
成功という基準に照らすと、ギバーは成功している人とそうでない人の差が、ほかのタイプと比べて最も大きかったのです。
この結果からギバーにも2通りあるとわかりました。
それは自己犠牲型(最も成功から遠い)のギバーと、他者志向性(最も成功している)のギバーです。
この3つのタイプのそれぞれの詳しい特徴、
ギバーの素晴らしい特徴の数々、
そして自己犠牲型に陥らずに、他者志向性のギバーになるにはどうすればいいのか、
という内容が、さまざまな心理学実験を紹介されながら『GIVE&TAKE』の中でまとめられています。
前回までは、ギバーの素晴らしい特徴の1つである「自分のものの見方を相手の視点に合わせる」についてご紹介をしていました。
前回の記事はこちら
私達はどうしても、「この場合、『私』ならどう感じるだろうか」と自問してしまいがちです。
しかし自分目線で考えていては、相手の本当のニーズはわからず、相手を真に助けることはできません。
対してギバーは、「この場合、『受けとる側』はどう感じるだろうか」と自問し、自分のものの見方、考え方から出ることができ、相手の本当のニーズを知ろうとし、相手の真の助けになることができる人なのです。
まさに素晴らしい特徴ですね。
この相手の視点に合わせる大切さは仏教でも説かれています。今回はそのことを詳しくご紹介していきます。
仏教の2つの精神「我利我利」と「自利利他」
仏教で説かれる「我利我利」とは?
お釈迦様の説かれた仏教に、「我利我利(がりがり)」という言葉があります。
我利我利とは、我が利益・我が利益、ということで、自分の利益ばかりを優先させる心のことをいいます。
「自分さえよければいい」という自己中心的な心です。
- 自分にとって面倒なことはやらない。すぐ人に押しつける
- 自分の利益にすぐつながることしかやろうとしない
- 機嫌の良いときはめちゃくちゃいいが、気に入らないことがあると途端にあからさまに不機嫌になる
- 相手を理解しようとせず、自分の価値観をぶつける
このような人は自己中心的な人であり、こんな人と接するとのは避けたいですし、自分のこのような心は戒めていかねばなりませんね。
我利我利の心では相手の助けとなったり、喜ばせたりすることはできず、他者との良好な関係を築くことはできません。
「めんどうなことをやらずにすむ」と思っていても、やがては重要な役割も任せられなくなり、結果としてその人自身が恵まれることは難しいでしょう。
仏教で勧められるのは自利利他の心
仏教では我利我利でなく、「自利利他(じりりた)」の心がけが勧められています。
自利利他とは、自利は「自分の利益・幸せ」、利他は「他人の利益・幸せ」ということで、自分の幸せと他人の幸せは切り離せない、ということです。
言い方を変えれば、他人に喜ばせることが自分の幸せになる、だから利他行をやりなさい、ということです(利他行とは、相手を喜ばせることですね)。
相手の本当の助けになるには相手を理解すること、相手の視点に合わせることもまた不可欠です。
- 自分にとって面倒だからといってすぐに押しつけない
- 自分の利益にすぐにつながらないことでも他者の視点で考える
- 気に入らないことがあってもあからさまに不機嫌にならない、周囲のことを考える
- 相手を理解しようと歩み寄る
このような人は利他に心がけている人であり、周りの人から喜ばれるでしょう。
そうなれば他者との良好な関係が築かれ、「この人には重要な役割も任せよう」と思われるようになるでしょう。まさに自利利他ですね。
もちろん依頼されたことを何でも引き受ければいい、ということではありません。疲弊するほど無理をするのはよくないですし、周りにも心配をかけてしまいます。
無理なことにはしっかりとノーと言いつつ、できる限り利他に心がけ、他者志向性のギバーに近づいていきたいですね。
まとめ
- 組織心理学者のアダム・グラント氏は、人間を「ギバー・テイカー・マッチャー」の3つのタイプに分類されました。このなかで最も成功から遠ざかっているのも、最も成功しているのもギバーです
- 最も成功している他者志向のギバーになるには、まずギバーの素晴らしい特徴を知ることが大切です。その1つが「自分のものの見方を相手の視点に合わせる」ことです。ギバーは受け取る側の視点からものを見て、相手を真に助けることができるのです
- 仏教に「我利我利」「自利利他」という言葉があります。我利我利は面倒なことを押しつけたり、自分の利益になることしかやらない、自己中心的な考えのことです。我利我利の心では他者と良好な関係は築けず、その人自身も恵まれることは難しいでしょう
- 我利我利と反対なのが自利利他であり、利他とは他者を喜ばせること、他者の視点で見て、他者の利益のために行動することです。利他の行動によって自利(=自分の幸せ、利益)が得られるというのが自利利他であり、仏教では自利利他の精神を持つことが勧められています
続きの記事はこちら
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