勉強会主催の みなみ です。
今回のワークショップには、初めての方お1人を含む4名の方にご参加いただきました!
お盆休みと重なったため、来られる方がいるか不安でしたが、初めての方も含めてご参加くださり、とても嬉しく思いました(^^)
今回は、「テイカー(=搾取する人)にならないためのポイントは?」というテーマでディスカッションをしていただきました。
私たちもついつい、自分のことを優先して、相手からしてもらうことばかりを考えてしまう、ということはあるでしょう。
しかしそれでは相手の信頼が損なわれ、関係に亀裂が入ってしまうことさえありますね。
自己中心的な行動をしていないか、改めて言動を振り返る機会となりました^^
記事の内容を動画でご紹介しています
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新進気鋭の心理学者が提唱した「人間の3つのタイプ」
今回の勉強会のテーマは、
ブッダと行動心理学から学ぶ「人間の3つのタイプと、GIVEの精神」
についてでした。
このテーマのワークショップでは、『GIVE&TAKE』という本の内容をメインにお話ししています。
GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)
『GIVE&TAKE』は、組織心理学者のアダム・グラント氏(ペンシルベニア大学ウォートン校教授)が、世界の文化をまたいで3万人以上を対象に行った調査をもとに、人間には3つのタイプがあることと、その特徴が紹介されています。
ここで1つ、質問をします。3つの選択肢から1つを選んでください。
<質問>
あなたたちは、3人でプロジェクトに取り組んでいます。
現在対応すべきタスクが3つ存在しています。そのうちの2つのタスクはとても面白いものです。
しかし、残りの1つは
とても退屈なタスクであることが判明しています。さて、どうしましょう?
<選択肢>
①他のメンバーの1人に対して、
退屈なタスクに取り組んでもらうよう頼み込む。②退屈なタスクに取り組む。
他の2人には、あとで何らかの見返りを要求する。③特に見返りなどは意識せず、退屈なタスクに取り組む。
この質問だけで、その人のタイプを正確に判断することは当然できませんが、それぞれの選択肢がどのタイプに対応するか、見ていきましょう。ある程度の傾向をつかんでいただけると思います。
③を選んだ人は、ギバーの傾向にあります。
ギバーとは受け取る以上により多くを与える人です。
見返りを求めずに、あえて退屈なタスクに取り組むのはギバーの姿勢といえます。
①を選んだ人は、テイカーの傾向にあります。
テイカーはより多くを受け取ろうとする人です。
他のメンバーに退屈なタスクに取り組むよう説得するのはテイカーの特徴が表れているといえるでしょう。
②を選んだ人は、マッチャーの傾向にあります
マッチャーは与えることと受け取ることのバランスを取ろうとする人です。
今回は自分が退屈なタスクに取り組むけれど、後でその分の見返りを要求するのはマッチャーといえますね。
最も成功している・最も割を食っているのは、どのタイプ?
次に問題となるのは、どのタイプが最も成功している(収入や社会的な地位が高い)タイプか、ということでしょう。
最も成功から遠い位置にいるのはどのタイプだと思いますか?
それはギバーです。
最も試験の点数が悪かった医学生も、最も生産性の低かったシステム・エンジニアも、最も成績の悪かった保険の営業マンも、すべてギバーだったといわれます。
では反対に、最も成功しているのはタイプはどのタイプでしょうか?
実はそれもギバーなのです。
最も試験の得点が高かった医学生も、最も生産性の高かったシステム・エンジニアも、最高の成績だった保険の営業マンも、すべてギバーであったのですね。
なぜこのような違いがあるのかというと、ギバーにも2通りあるからだといわれています。
1つ目は「自己犠牲型」のギバー、
もう1つが「他者志向性」のギバーです。
自己犠牲型のギバーは残念ながらまわりから利用されたり、燃え尽きてしまったりで、成功の階段から転げ落ちてしまいます。
しかし他者志向性のギバーは相手に与えながらもしっかりと自分の身を守ることで、階段から転げ落ちることなく、成功の最も上の階までのぼることができるのですね。
ではどうすればそんな他者志向性のギバーになれるのかについて、そのメソッドを続けてご紹介しています。
前回は、ギバーの素晴らしい特徴の1つである「自分のものの見方を相手の視点に合わせる」についてお話ししました。
前回の記事はこちら
「欲しいものリスト」通りの品を贈った場合と、独自の品を贈った場合、相手はどちらをより喜ぶか、という実験が行われ、「独自の贈り物より『ほしいものリスト』の贈り物をもらったほうがはるかにうれしいと思った」という結果が出たそうです。
これは、独自の品を贈られたほうが「心がこもっている」と思われて、より喜ばれるのでは?、という予想に反するものでした。
人を真の意味で助けるのに必要なこととは?
この予想と結果から、私たちは
自分のものの考え方から出ることはなく、「この場合、『私』ならどう感じるだろうか」と自問する傾向がある
ということ、
そして
人を真の意味で助けるには、自分のものの見方の外に出なければならない。
こう自問する必要があるのだ。
「この場合、『受けとる側』はどう感じるだろうか」
と、グラント教授はいわれています。
私たちは相手の喜ぶことをしようと思っても、ついつい「『私』ならどう感じるか」と自問をし、その通りの行動を取ってしまいがちです。
しかし、「欲しいものリスト」通りの品を贈られたほうがはるかに喜びが大きかった、という実験結果からもわかるように、相手を真に助けるには自分のものの見方から出て、相手の見方に合わせなければならないのですね。
自分の視点を相手の見方に合わせて、相手のニーズを知り、それに応える行動を取れるのがギバーなのです。これぞまさに、ギバーの素晴らしい特徴といえますね。
この相手の視点に合わせる、相手のニーズを知る、ということは仏教の観点からも大切であると教えられています。
次回はその仏教の観点を詳しくお話しします。
まとめ
- 組織心理学者のアダム・グラント氏は、人間を3つのタイプ(ギバー・テイカー・マッチャー)に分類されました。このなかで最も成功から遠い位置にいるのはギバー、また最も成功しているのもギバーといわれています
- 最も成功する他者志向のギバーになるには、まず、ギバーの素晴らしい特徴を知ることです。その1つが「自分のものの見方を相手の視点に合わせる」ことです
- 人間は自分のものの考え方から出ることはなく、「この場合、『私』ならどう感じるだろうか」と自問する傾向があります。このままでは相手との間にある「視点のズレ」がなおらず、相手を心から喜ばせることが難しいのです
- ギバーは、「この場合、『受けとる側』はどう感じるだろうか」と自問し、自分のものの見方の外に出ることができるため、相手のニーズをしっかりと満たし、真に助けることが可能となるのです
続きの記事はこちら
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