勉強会主催の みなみ です。
今回のワークショップには、初めての方お1人を含む5名の方にご参加いただきました^^
台風の影響が心配されましたが、直撃はなかったようで、本当によかったですね。ただ、また暑さがぶり返してきたので、熱中症に気をつけたいです(>_<)
今回は、「メンバーをギバー(与える人)にするグループの特徴とは?」というテーマでディスカッションをしていただきました。
グループの人、みんながお互いを支え合い、貢献し合えれば、すばらしいグループとなり、グループとしても急成長していけるでしょう。
そんなグループの特徴について話し合いました。
これについてはレポートでものちのちご紹介しますし、ワークショップでは直接お話をしているので、ご都合あえばぜひご参加ください^^
記事の内容を動画でご紹介しています
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あなたはどのタイプ?行動心理学からみる、人間の3つのタイプ
今回の勉強会のテーマは、
ブッダと行動心理学から学ぶ「人間の3つのタイプと、GIVEの精神」
についてでした。
このテーマの勉強会では、『GIVE&TAKE』という本の内容をメインにお話ししています。
GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)
『GIVE&TAKE』は、ペンシルベニア大学ウォートン校のアダム・グラント教授によって書かれたもので、3万人以上を対象にしたある調査結果が紹介されています。
その調査とは、「与える」「取る」という観点で人間を3つのタイプに分類する、というものです。
たとえば、以下のような質問と選択肢があったとき、あなたはどれを選ぶでしょうか?
<質問>
あなたと誰かがどちらもお金を受け取れます。
あなたは、このお金の受け取り方の組み合わせを次の3通りのなかから選ぶことができます。
なお、お金を受け取るもう一人の『誰か』は、あなたのこの先の人生で顔を見ることもない、まったくの無関係な人物です。
あなたはどれを選びますか?
<選択肢>
①どちらも6ドルを受け取る。
②あなたは8ドル、誰かは4ドルを受け取る。
③あなたは5ドル、誰かは7ドルを受け取る。
選択肢のどれを選ぶかで、あなたのタイプが見えてきます(もちろん、この質問だけではその人のタイプはわかりません。ほかにもいろいろなシチュエーションでの質問に答えてもらうことで、タイプの傾向が詳しくわかってきます)。
仮に③を選んだ人は、ギバーの傾向が高いです。ギバーとは、受け取る以上に多くを与えようとする人を指します。
②を選んだならば、テイカーの傾向にあります。テイカーは、与えるよりも多くを受け取ろうとする人をいいます。
①を選んだなら、マッチャーの傾向が高いといえるでしょう。マッチャーは、与えることと受け取ることのバランスを取ろうとする人のことです。
- ギバー
- テイカー
- マッチャー
このようにグラント教授は人間を3つのタイプに分類したのですね。
最も損をしているタイプ、最も成功しているタイプとは?
この中で最も成功から遠い位置いる(収入や社会的地位が低い)のはどのタイプだと思いますか?
それはギバーです。
ギバーは多くを与えようとする「いい人」あるがゆえに、テイカーに利用されてしまったり、燃え尽きてしまったり、自分のことがおろそかになったりしてしまうのです。
では最も成功しているのはどのタイプだと思うでしょうか?
実はこれもギバーなのです。
それは、同じギバーといっても、「自己犠牲型」と「他者志向性」の2通りのギバーがいるから、と教えられています。
自己犠牲型のギバーは搾取されたり燃え尽きてしまったりで、成功の階段からは転げ落ちてしまいます。
しかし他者志向性のギバーは相手を思いやりつつ、燃え尽きたり搾取されたりしないための綿密な戦略を立てることで、成功の階段の一番上にのぼることができる、といわれています。
ではどうすれば他者志向性のギバーになれるのか、ということが『GIVE&TAKE』のなかで詳細に紹介されているのですね。
このレポートではその他者志向性のギバーの素晴らしい特徴や、自己犠牲型のギバーと他者志向性のギバーの違いなどを 少しずつ 続けてお話ししています。
前回は、ギバーの素晴らしい特徴の1つである「他人の貢献に注目する」についてご紹介しました。
前回の記事はこちら
今回は、ギバーの素晴らしい特徴の3つ目「自分のものの見方を相手の視点に合わせる」についてお話ししていきます。
リスト通りの品と独自の品、喜ぶのはどっち?
「自分の視点を相手の視点に合わせる」ことの重要性を示す実験が、『GIVE&TAKE』のなかで紹介されていました。
まず、90人の被験者を半分に分け、一方のグループは「amazon」から贈り物を送る、もう一方のグループは贈り物を受け取る、ということをしてもらいました。
受け取る側は、10個の「ほしいものリスト」を作成し、送る側の人に渡します。
送る側は、その「ほしいものリスト」通りの品を贈る人と、独自の品を贈る人に分けられました。
では、受け取る側の人は、リスト通りの品を送られた場合と、独自(相手が「これは喜んでもらえるだろう」と思って選んだ)の品を送られた場合とで、どちらが喜んだ思うでしょうか?
実験前は、「独自のプレゼントの方が『心がこもっている』と思われ、相手はリストの品より喜ぶのではないか」と考えれていました。
ところがその結果は、
独自の贈り物より「ほしいものリスト」の贈り物をもらったほうがはるかにうれしいと思った
というものだったのです。
相手に何かプレゼントを贈るとき、私たちはついつい、自分の視点でそのプレゼントを選んでしまいがちです。
「自分がお気に入りのものだから、相手もきっと喜んでもらえるだろう」と。
そして、相手の「ほしいものリスト」通りの品を選ぶのは事務的で、心がこもっていないから、それで本当にいいんだろうか、やっぱり自分の選ぶ品を贈ったほうがいいんじゃないか、と思うのです。
しかし実際には、リスト通りの品を選んだほうが、相手は喜ぶのですね(もちろん、独自の品を選ぶためにかけてもらった心や労力は喜ばれると思いますが)。
この実験結果を踏まえてグランド教授はどう考察されているのか?そこから導き出されるギバーの素晴らしい特徴とは何か?
それについては次回、詳しくお話しします。
まとめ
- 組織心理学者のアダム・グラント教授は、人間を「ギバー・テイカー・マッチャー」の3つのタイプに分類されました。このなかで最も成功しているのも、最も損をしているタイプもギバーです。それはギバーが最も成功する他者志向性と、最も割を食う自己犠牲型のギバーに分かれるからです
- 他者志向性のギバーになるには、まずギバーの特徴を知り、それを実践することです。ギバーの特徴の1つに「自分のものの見方を相手の視点に合わせる」ことがあります
- 贈り物の実験で明らかになったのは、人は、独自に選ばれた品よりも、「ほしいものリスト」通りの品を受け取ったほうがはるかに嬉しいと思った、ということです。このことから、相手を喜ばせるには、相手の視点で物事を見ることが大切だとわかります
続きの記事はこちら
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