6/16(土)レポート 人間関係の悪化を招く“責任のバイアス”とは-ブッダと行動心理学に学ぶ GIVEの精神6

勉強会主催の みなみ です。

今回の勉強会には初めての方2名を含む、4名の方にご参加いただきました^^

ご参加いただいた方が、みなさん心理学や仏教への関心が深い人ばかりだったので、雰囲気よく進められ、ディスカッションも盛り上がました(^^)

ただ、内容が盛り込み過ぎだったため、流れが少し分かりづらかった、というご意見もいただき、その点は反省です。

そのようなご意見によって内容を改善できるので、ありがたいです。アウトプットを機に、より良いコンテンツづくりに励みたいと思います。

記事の内容を動画でもご紹介しています

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人間の3つのタイプと、最も成功するタイプ

今回のテーマは、
ブッダと行動心理学から学ぶ「人間の3つのタイプと、GIVEの精神」
についてでした。

このテーマの勉強会では、『GIVE&TAKE』という本の内容を主にお話ししています。

GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)

『GIVE&TAKE』では、「与える」「取る」という観点で人間を3つのタイプに分類しています。

その3つのタイプとは

  1. Giverギバー、受け取る以上に多くを与えようとする人)
  2. Takerテイカー、与えるよりも多くを受け取ろうとする人)
  3. Matcherマッチャー、与えることと受け取ることのバランスを取ろうとする人)

です。

この中で、最も成功から遠い位置にいるのはギバーといわれています。

ギバーはいい人であるがゆえに、だまされやすいというデメリットも持っており、テイカーに利用されることで成功から遠ざかってしまうのです。

ではギバーには救いはないのか? 相手に与えることなく、相手から取ろうとすればするほど成功できるのか?というと、そうではありません。

実は最も成功しているタイプもギバーなのです。

なぜ同じギバーでもこのような違いが起きるかというと、ギバーには「他者志向性」と「自己犠牲型」の2通りがあるから、といわれています。

自己犠牲型のギバーは自分を大切にしないゆえ利用されて燃え尽きやすく、成功の階段の一番下に転げ落ちてしまいます。

反対に他者志向性のギバーは、相手への貢献を第一としながら、自分を守ることも怠らないため、利用されて燃え尽きることなく、良好な評判・人間関係によって成功の階段の一番上にのぼることができるのです。

ではどうすれば、他者志向性のギバーになれるのでしょうか?

それにはまず他者志向性のギバーが備えている素晴らしい特徴を知ることが大切です。

前回までは、素晴らしい特徴の1つである「時間に鷹揚」ということを話しました。

前回の記事はこちら

5/17(木)レポート テイカーが必ず落ちる“因果応報”の法則-ブッダと行動心理学に学ぶ GIVEの精神5
勉強会主催の みなみ です。今回の勉強会では、初めての方お2人を含む、5名の方にご参加いただきました^^「ぶれない自分になりたい、自分軸を持ちたい。そのためには...

今回から、2番目の特徴である「他人がした貢献に注目する」についてお話ししていきます。

相手との関係が悪化しかねない「責任のバイアス」とは?

最初に、考えていただきたいことがあります。

「夫婦関係(もしくは最近の恋愛関係)について、その関係を維持するためにしているすべての努力のうち、あなたがこなしているのは何%ですか」と聞かれたら、どう答えるでしょうか?

関係維持のための努力とは具体的には、

  • 相手のために夕食をつくってあげる
  • 旅行の計画は自分が中心となって進める
  • ゴミ出しをする
  • 仲直りするときは自分から切り出す

などが当てはまりますね。

もし仮にあなたが「関係維持のための努力は自分のほうが少し多くしているから、55%くらいかな」と答えたとすると、パートナーは「45%」と答えないと、辻褄が合わないことになりますね。

ところが『GIVE&TAKE』で、このような指摘がされています。

ある心理学研究によると、カップルの4組に3組が100パーセントをかなり超えるという。

つまり、お互いに自分の貢献度合いを過大評価しているということなのだ。

「自分は相手よりも関係維持の努力をやっている」と思っていても、実は相手も「私のほうこそ関係維持のための努力をやっている」と思っているのですね。

これでは相手に感謝することができず、むしろ自分の貢献が相手に認められないことに対してお互いが不満を持ってしまうでしょう。

このような「相手の努力に対して、自分の貢献を高く見積もること」は「責任のバイアス」といわれ、よく見られる心理状態なのです。

リンクトインの共同創業者であるリード・ホフマン氏は

悪気がなくても、人は自分の貢献を過大評価し、他人の貢献を過小評価する

と語っています。

責任のバイアスは、誰もが持ちうるものなのですね。

しかし、この責任のバイアスを克服しなければ、相手の貢献に感謝もできず、さらに相手に認められないことにイライラし、相手との関係が悪くなってしまうでしょう。

 

この責任のバイアスの原因と対策については次回、詳しくお話しします。

まとめ

  • 『GIVE&TAKE』では、人間のタイプが「ギバー・テイカー・マッチャー」の3つに分けられています。なかでも最も成功から離れているのも、最も成功しているのもギバーといわれています
  • ギバーのなかで最も成功する他者志向性のギバーになるには、ギバーの素晴らしい特徴を知ることが大切です。その1つが「他人のした貢献に注目する」ことです
  • 人は、自らの貢献度合いを過大評価し、相手の貢献を過小評価する傾向にあることが、心理学実験でもわかっています。これは「責任のバイアス」(相手の努力に対して、自分の貢献を高く見積もる心理状態)と呼ばれています

続きの記事はこちら

6/21(木)レポート “責任のバイアス”を克服する2つの方法-ブッダと行動心理学に学ぶ GIVEの精神7
勉強会主催の みなみ です。今回の勉強会には初めての方2名を含む、11名の方にご参加いただきました。平日にもかかわらずたくさんの方にご参加いただき、とても嬉しく...

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この記事を書いた人
南 雄一郎

2011年 金沢大学工学部 卒業

大学では機械工学を専攻するなか、悩み解消のヒントや生きる指針を教える仏教に強い関心を持ち、仏教講演会に多数参加しました。

また大学卒業後は仏教と親和性のある心理学にも興味を持ち、独学で学びました。

現在は東京都内でライターをしながら、対人関係の悩みを解消し、自立した生き方の実現を目的とした 仏教×心理学のワークショップを開催しています。

自主開催のワークショップは累計850回以上。

2018年 新潟県キャリアセンター様主催 キャリアコンサルタント フォローアップセミナーにて講師をつとめました。

NPC法人HMC協会 認定心理カウンセラー(セルフ資格) 。

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