5/17(木)レポート テイカーが必ず落ちる“因果応報”の法則-ブッダと行動心理学に学ぶ GIVEの精神5

勉強会主催の みなみ です。

今回の勉強会では、初めての方お2人を含む、5名の方にご参加いただきました^^

「ぶれない自分になりたい、自分軸を持ちたい。そのためには仏教を学ぶのが良いのではないか」と思われて参加された方もおられ、とても共感しました。

私自身も、仏教を学んだことで人生の指針を知ることができ、今でも大きな支えになっています。

仏教と聞くと、自分とはあまり関係がないと思われたり、あやしいものと思われたりすることもあるのが残念なのですが、ワークショップを開催したり、こうしてワークショップの内容を発信したりすることで、その考えを少しでも変えていければと思います。

記事の内容を動画でもご紹介しています

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人間の3つのタイプと、最も成功しているタイプとは?

今回の勉強会のテーマは
行動心理学とブッダから学ぶ”GIVEの精神”
についてでした。

この回では、『GIVE&TAKE』という本の内容をメインにしてお話ししています。

GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)

『GIVE&TAKE』は、組織心理学者として有名なアダム・グラント教授が、3万人以上を対象に調査をし、「与える」「取る」という観点から人間を3つにタイプ分けできることが書かれています。

その3つのタイプとは

  1. Giverギバー、受け取る以上に多くを与えようとする人)
  2. Takerテイカー、与えるよりも多くを受け取ろうとする人)
  3. Matcherマッチャー、与えることと受け取ることのバランスを取ろうとする人)

です。

皆さんは、どのタイプにあてはまるでしょうか?

割合としては、

マッチャーが最も高く(56%)、
ついでギバー(25%)、
最も少ないのはテイカー(19%)という調査結果が出ています。

このタイプの中で、最も成功から遠ざかっているタイプ(収入や社会的地位が高い)はどれだと思いますか?

それはギバーです。
ギバーは良い人ゆえにだまされやすく利用されやすいため、成功から遠ざかってしまうのですね。

では反対に、最も成功しているタイプはどのタイプでしょうか?

これも実はギバーなのです。

ということは、ギバーといってもさらに2通りに分けられるということですね。

1つは自己犠牲型
もう1つが他者志向性のギバーです。

自己犠牲型のギバーは残念ながら成功から遠ざかってしまうのですが、他者志向性のギバーは相手のタイプを見極め、相手に応じた戦略をとっているため、だまされたり燃え尽きたりすることはないのです
そして「人を助けたい」という思いから自己を磨く努力に励むゆえ、周りから信頼され、成功へと導かれるのですね。

では、その他者志向性のギバーになるにはどうすればいいのでしょうか?

それにはまず、そもそも他者志向性のギバーとはどのような人なのか、その素晴らしい特徴を知らねばなりませんね。

前回のレポートでは、その特徴の1つである「時間に鷹揚」ということ、そして「果報は寝て待て」のことわざからわかる仏教精神との重なりをご紹介しました。

前回のレポートはこちら

4/28(土)レポート “果報は寝て待て”の正しい意味とは-ブッダと行動心理学に学ぶ GIVEの精神4
勉強会主催の みなみ です。 今回の勉強会には初めての方2名を含む、7名の方にご参加いただきました^^ 多くの方にご参加いただき、ディスカッションも盛り上がり、...

ギバーは、与えるという行為に対しての結果を、すぐに得ようとはしません。
時間に鷹揚で、「果報は寝て待て」のことざわの通り、結果に対して寝て待つような姿勢でいられる人なのですね。

反対に、テイカーの場合は、その逆の態度を取ります。

結果に対してどのような姿勢なのか、また、テイカーがそんな姿勢でいるとどういう結果を招いてしまうのでしょうか?

テイカーが必ず落ちる理由である「因果応報」とは?

テイカーの場合は、すぐに成果を求めます。
ゆえに相手から奪ってでも、相手をだまして利用してでも成果を得ようとするのです。

そうなると、一時的には成功したように見えますが、「テイカーは大体の職種において、すぐに伸びるが、すぐに落ちる」と指摘されています。

なぜ落ちてしまうとかという、「マッチャーに足をすくわれる、マッチャーの裁きを受ける」からなのです。

マッチャーは、与えてもらったら、その相手に与えますが、反対に奪われた相手には奪い返そうとしたり、相手に今後は一切協力をしなかったりするのです。

なので、マッチャーを利用したテイカーは、それ以降はマッチャーからの協力は一切得られず、それどころか悪事を暴かれることでその地位が剥奪されるのですね。

このことをグラント教授は「因果応報」と語っています。

日常でも使われている「因果応報」は、元々は仏教の言葉です。「原因に応じた結果が必ず報いる」という意味ですね。

現在は、悪い行為に応じた悪い結果がやってきた、という意味のみで使われていますが、それだけでなく、善い行為に応じて善い結果が返ってくることも「因果応報」なのです

テイカーが利用したゆえにマッチャーからの裁きを受けてその地位を追われるのも「因果応報」ですし、ギバーが与えるという行為によって揺るぎない信頼関係を築き、長期的な成功を収めるのも「因果応報」なのですね。

短期的な結果を求めるのではなく、長期的な目線を持って他者に貢献し、良好な人間関係を築いていきたいですね。

次回は、ギバーの素晴らしい特徴の2つ目をご紹介します。

まとめ

  • 組織心理学者のアダム・グラント教授は、人間をギバー・テイカー・マッチャーの3つのタイプに分類されています。そのなかで最も成功しているのも、最も成功から遠い位置にいるのもギバーであるといわれています
  • 成功しているどうかに関して、ギバーが極端に分かれるのは、ギバーは自己犠牲型と他者志向性の2通りに分かれるからです。最も成功する他者志向性のギバーになるには、まずギバーの特徴を知らねばなりません
  • ギバーの特徴の1つが「時間に鷹揚」。与えるという行為に対して、すぐに結果を求めることはしません。対してすぐに成果を求めるのがテイカーの特徴です。相手を利用し、だましてでも成果を得ようとします
  • テイカーは一時は成功したように見えますが、マッチャーからの裁きによってすぐに落ちてしまいます。これをグラント教授は「因果応報」といわれています。因果応報はもともと仏教の言葉であり、行為に応じた結果がやってくる、ということです

続きの記事はこちら

6/16(土)レポート 人間関係の悪化を招く“責任のバイアス”とは-ブッダと行動心理学に学ぶ GIVEの精神6
勉強会主催の みなみ です。 今回の勉強会には初めての方2名を含む、4名の方にご参加いただきました^^ ご参加いただいた方が、みなさん心理学や仏教への関心が深い...

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この記事を書いた人
南 雄一郎

2011年 金沢大学工学部 卒業

大学では機械工学を専攻するなか、悩み解消のヒントや生きる指針を教える仏教に強い関心を持ち、仏教講演会に多数参加しました。

また大学卒業後は仏教と親和性のある心理学にも興味を持ち、独学で学びました。

現在は東京都内でライターをしながら、対人関係の悩みを解消し、自立した生き方の実現を目的とした 仏教×心理学のワークショップを開催しています。

自主開催のワークショップは累計750回以上。

2018年 新潟県キャリアセンター様主催 キャリアコンサルタント フォローアップセミナーにて講師をつとめました。

NPC法人HMC協会 認定心理カウンセラー(セルフ資格) 。

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