勉強会主催の みなみ です。
今回の勉強会には初めての方2名を含む、7名の方にご参加いただきました^^
多くの方にご参加いただき、ディスカッションも盛り上がり、ゴールデンウィークの初日から充実した時間を過ごすことができました! ご参加くださった方に感謝です(>_<)
今回は、以前に別の行事で知り合った方と、約4年ぶりにお会いしました。
来られた当初はわからなかったのですが、お話ししていくうちに以前にお会いしたことがわかりました。ワークショップを続けていると、思いがけないことも起こり、それもまた嬉しく感じます。
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「与える」行為は、良い評判や人間関係をつくってくれる
今回の勉強会のテーマは
「行動心理学とブッダから学ぶ”GIVEの精神”」
についてでした。
これは、『GIVE&TAKE』という本の内容をもとにお話ししているテーマです。
GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)
『GIVE&TAKE』の著者はアダム・グラント氏。
組織心理学者として高い評価を得ている方であり、ペンシルベニア大学ウォートン校にて史上最高で終身教授に就任されています。
グラント教授は、世界の文化をまたいで3万人以上を対象に調査をし、「与える」「取る」という観点で人間を3つのタイプに分類しました。
その3つのタイプとは
- Giver(ギバー、受け取る以上に多くを与えようとする人)
- Taker(テイカー、与えるよりも多くを受け取ろうとする人)
- Matcher(マッチャー、与えることと受け取ることのバランスを取ろうとする人)
です。
このなかで、最も成功から遠い位置にいるのはどのタイプだと思いますか?
それはギバーです。
ギバーは良い人ゆえにだまされやすかったり、利用されやすかったりするのです。実際に、テイカーと比べて収入が平均14%低く、犯罪の被害者になるリスクは2倍、という結果が出ています。
こう聞くと、
「損をしてしまうなら与えないほうがいいのでは?」
「ギバーになんて、ならないほうがいい!」
と思われるかもしれません。
ところが、最も成功しているタイプもまたギバーなのです。
なぜ同じギバーなのに大きな違いが出てくるかというと、ギバーといっても「他者志向性」のギバーと、「自己犠牲型」のギバーがいるからです。
自己犠牲型のギバーは消耗しやすくだまされやすく、割を食ってしまうのですね。
ではどうすれば自己犠牲型のギバーから脱却し、他者志向性のギバーになれるのでしょうか。
そのメソッドが『GIVE&TAKE』に書かれており、それを少しずつご紹介しています。
前回は、ギバーの素晴らしい特徴の1つである「時間に鷹揚」ということをお話ししました。
前回のレポートはこちら
時間や労力、経験に基づく知識などを「与える」行為は、一見、与えたほうが損をしているように思います。
しかしその行為は、やがて自分を成功へと導いてくれる評判や人間関係を構築してくれるのです。時間が経てば経つほど、与える行為は恩恵をもたらしてくれるのですね。
ギバーは時間に鷹揚で、与えた行為の結果をすぐに欲しがるようなことはしません。あくまで相手への貢献のために与えているのであり、自分への見返りを求めたりはしないのです。
このギバーの「時間に鷹揚」という特徴は、仏教精神とも重なるところがあります。
「果報は寝て待て」の正しい意味とは?
「果報は寝て待て」という言葉、聞かれたことがあると思います。
どんな意味で使わているでしょうか。
まず「果報」とは、元々は仏教用語であり、意味は「行いに対する結果、報い」ということです。
仏教では、私たちに起こる結果はすべて、自分の行為による、と教えられています。
これは「因果応報」ともいわれますね。善い結果も悪い結果も、その原因は自分の行為である、ということです。
では、「果報は寝て待て」はどんな意味かというと、誤用されているのが「善い結果は、何もせずに寝て待っていればやがてやって来る」という意味です。
本当に何もせずに寝て待っていれば善い結果は返ってくるかというと、そんなはずはありませんね。寝て待っていても何も返ってこないのが因果応報です。
「果報は寝て待て」の正しい意味は、
努力の結果を待つ場合、やるべきことがすんだのなら、慌てず、焦らず成り行きにまかせてゆっくり寝て待つような姿勢が望ましい。
というものです。
私たちは、結果を焦って求めがちです。なかなか結果が返ってこないとイライラし、もう努力をやめてしまおうかとも思います。
しかし努力の結果が返ってくるまでには時間を要します。一朝一夕にはいかないのです。
けれど正しい方向で努力を重ね、やるべきをやれているのなら、遅かれ早かれ、結果は必ず返ってきます。だから慌てず、焦らず、いっそ寝て待つ。努力の結果に対しては、そんな姿勢でいましょう、ということです。
「人事を尽くして天命を待つ」という言葉もありますが、仏教の観点からいえば「人事を尽くしたなら必ず結果は返ってくるのだから、寝て待つような姿勢でいよう」ということですね。
ギバーは与えるという行為の結果に対して、まさに寝て待っているような人達といえるでしょう。
与えること、他者への貢献に集中し、あとの成り行きは道理にまかせる。このような姿勢でいたいですね。
では反対に、テイカーの場合は結果に対してどのような姿勢なのでしょうか。その姿勢でいると、どんなことになるかについて、次回、詳しくお話しします。
まとめ
- 組織心理学者のアダム・グラント氏によって、人間は「ギバー・テイカー・マッチャー」の3つのタイプに分類されました。なかでも最も成功しているのも、最も成功から遠い位置にいるのもギバーといわれています
- 最も成功している他者志向性のギバーになるには、まずギバーの素晴らしい特徴を知ることです。その1つが「時間に鷹揚」であること、見返りや結果を求めずに人を助けることで、それはやがて自分を成功へと導く評判・人間関係となるのです
- 「時間に鷹揚」というギバーの精神は、仏教精神である「果報は寝て待て」と重なりがあります。仏教では、行いに対する報いは必ずやってくる、ゆえにやるべきことをやったなら結果は必ず返ってくるのだから、焦らずに寝て待つような姿勢でいよう、と教えられているのです
続きの記事はこちら
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