「愚痴」の由来は仏教!その本当の意味とは?-三毒追放5

仏教で説かれている「三毒」について続けてお話ししています。

三毒とは、3つの煩悩のことをいいます。

煩悩は全部で108あると教えられています。
その中でも特に恐ろしい3つの煩悩を「三毒」といわれるのです。

その3つとは、

  1. (とん)
  2. (じん)
  3. (ち)

でした。

前回は、三毒の2番目である「瞋(=怒り)」の心について詳しくお話ししました。

前回の記事はこちら

仏教で説かれる、欲が邪魔されて出てくる恐ろしい心「瞋恚」とは?-三毒追放4
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「瞋」、怒りの心は、欲を満たすことが邪魔されたときに出てくる心です。
怒りの心は、理性も教養も吹き飛ばし、冷静なときには絶対にしないようなこともやらせる恐ろしい心でした。

欲を邪魔した相手が自分より弱い相手だと、怒りの心が起こります。

では、欲を妨げたのが自分よりも強い相手、自分より立場が上での相手ではどうなるでしょうか?

そのときに出てくるのは「」の心です。
それについて今回、詳しく紹介します。

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仏教で説かれる「愚痴」の本来の意味とは?

「癡」とは、「愚痴」の心のことをいいます。

愚痴と聞くと、上司や仕事、夫・妻や家庭での愚痴を言うなど、不平不満の意味で使われていますが、元々は仏教の言葉であり、意味が異なります。

本来の意味は、嫉妬心恨みの心をいわれるのです。

弱い相手には怒りの心が起きますが、怒りを表に出せない強い相手には嫉妬や恨みの心となるのですね。

また愚痴は、「他人の不幸を喜ぶ心」ともいわれます。

幸せそうな人を見ると苦々しい気持ちになりますが、反対に不幸な人を見ると、口では「お気の毒に」と言いながら、内心ではほくそ笑んでいる…。これも愚痴の心なのです。

2000人近くを対象にしたSNSに関するアンケートで、こんな結果が出たそうです。

利用時間が短い人と比べ、1日中SNSを利用していると答えた人は、うつ病になるリスクが1.7倍だった

Facebookの利用が増えれば増えるほど、幸福感は低下した

なぜSNSを利用するほど幸福感が低下し、うつ病になるリスクが高まるかというと、特に実名での投稿がされているFacebookでは、常に友達が充実感にあふれ、幸せそうにしている投稿が流れてきます(昇進、結婚、出産、国内外旅行など)。

では、友達にはそんな幸せな出来事ばかりが起こっているのかといえば、そうではないですよね。面倒、つまらないことが多かったり、不幸な出来事も起こったりしているでしょう。

しかし実名ゆえに、そういうネガティブな投稿が流されていないだけです。

けれど見る側は、友達はいわゆるリア充で、それに比べて自分は…、と劣等感や嫉妬で苦しんでしまうのですね。

人の幸せを見れば見るほど、自分も幸せになれるのなら、SNSで苦しむ人はいないはずです。
しかし愚痴がある限り、人の幸せを見て手放しで喜ぶことはできないのですね。

さらに人の不幸を見たなら、心から同情し、相手を気遣わねばならない、とは思いつつも、内心はニヤリとしている。
週刊誌が売れ続ける理由も、元はこの愚痴にあるのですね。

嫉妬心や恨みが「愚かで痴(バカ)な心」といわれる理由

愚痴は、愚かで痴(=バカ)と書きますが、何に対して愚かで無知かというと、仏教のベースである「因果応報」であるといわれます。

因果応報とは、因に応じた結果が必ず報いる、ということで、その人に生じた結果はすべて、その人の行いによるもの、といわれています。

ですから、幸せな人はそれだけ幸せになるための努力をしてきたということですし、不幸なのは幸せになるための努力を怠った、ということになります。

それなのに、幸せな人を見て嫉妬心を起こしたり、挙げ句に恨んだりするのは、因果応報に無知であるからであり、嫉妬心や海らの心は「愚痴」といわれるのですね。

本当に因果応報と受け止めたならば、相手の努力をたたえ、自分の怠慢を反省できるようになるはずです

もちろん、私たちに生じる結果は自分の行為のみによっては決まらず、めぐり合わせ(仏教で「縁」といわれます)も重要です。
しかしいくらめぐり合わせに恵まれても、その人自身が善い行いをしなければ、善い結果は生じませんね。その努力はやはり素晴らしいことです。

因果応報を無視して、相手を妬んだり恨んだりしていては、とても自分が幸せになれそうにはありません。
このように私たちは愚痴の心によっても悩まされ、苦しんでいます。

今回ご紹介した「愚痴」、そして「欲」「怒り」の三毒によって私たちは日々、苦しんでいます。
もし三毒をなくすことができれば、相当、幸せな人生を送ることができるように思います。

三毒はなくせるのか、
三毒に悩まされないようにするにはどうすればいいのか。

それについては次回、お話しします。

続きの記事はこちら

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この記事を書いた人
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