有名な仏教語「諸行無常」の意味から知る、メンタル危機管理法-パーソナリティ心理学に学ぶ 幸福度を高める 主体的な生き方9

ワークショップ主催の みなみ です。

ベストセラー書『自分の価値を最大にする ハーバードの心理学講義』を通して、幸福度を高める主体的な生き方をご紹介しています。

自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義

今回は9回目です。

記事の内容を動画でもご紹介しています

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パーソナリティ心理学から知る、運命についての2つの信念

『ハーバードの心理学講義』は、ハーバード大学の人気教授 ブライアン・R・リトル氏によって書かれた、「パーソナリティ心理学」について本です。

パーソナリティ心理学は、

  • パーソナリティ(=性格)はどのようなものによって形作られるのか
  • パーソナリティの構成要素とは何か
  • パーソナリティと幸福度(=ウェルビーイング)とはどんな関係があるのか

ということについて研究している学問です。

パーソナリティのなかでも、ここでは「運命についての考え方、信念」について掘り下げてお話ししています。

運命についての信念は大きく2つに分かれます。

1つは自己解決型。「運命は自分でコントロールできる」という信念です。
もう1つは他者依存型で、「問題の解決は他者や環境による」という考え方です。

この2つでは、基本的に自己解決型のほうがメリットが多く、幸福感が高いといわれています。“コントロール感”が得られていることが日常で良い方に作用するのです。

ところが自己解決型には、不慮の出来事によって突如としてコントロール感が失われてしまったとき、健康や幸福感に多大な悪影響が及ぼされるという致命的なデメリットがあるのです

どうすればそのデメリットを克服し、高い幸福感を保ったまま過ごすことができるのでしょうか?

その方法を、前回は仏教の「因果律」の観点からご紹介しました。

仏教で説かれる、運命の法則「因縁和合」とは?-パーソナリティ心理学に学ぶ 幸福度を高める 主体的な生き方8
ワークショップ主催の みなみ です。 ベストセラー書『自分の価値を最大にする ハーバードの心理学講義』を通して、幸福度を高める主体的な生き方をご紹介してい...

悪縁の存在を考慮し、それに備えをすることで、コントロール感の著しい欠如を抑えることが可能となるのです。

今回は、もう1つ、仏教の有名な言葉から、自己解決型のデメリットの克服法をご紹介します。

有名な仏教語「諸行無常」の意味とは?

仏教に「諸行無常」という言葉があります。

平家物語の冒頭に「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり」と書かれていることから、ご存知の方も多いと思います。

その意味は、

「諸行」は、すべてのもの
「無常」は、常が無く、続かない、ということ。

ゆえに「諸行無常」とは、すべてのものは常が無く続かない、永久に続くものはない、ということですね。

自分がどんなに大切にしているもの、人との関係であっても、やがては色あせたり、壊れたりしてしまいます。

良い状況が続くようにと気を張っていても、そのコントロール感を突如として奪うようなことは、どうしても生じます。

事故で大切な人を失ったり、信頼していた人から裏切られたり、災害によって財産が消失したりすることは、悲しいけれども、誰にでも起こり得るのですね。

そのときに、この「諸行無常」ということを心に留めているか、あるいはまったく心にないかは、その後の行動や立ち直りに大きな影響を与えるのです

未曾有の災害であった東日本大震災が起こったとき、世界の国々で「日本国民がこの歴史的な災禍に冷静さを保って対応した」と報道されました。

なぜそのような事態の中でも、日本人はできる限りの冷静さを保つことができたのでしょうか。

これは実は「諸行無常」と関係があったのです。

未曾有の大災害にも、冷静さを保てた理由

フランスの新聞『ル・モンド』では、その理由がこう説明されていました。

おそらく、信者であろうとなかろうと、仏教の教えは日本人の心情にしみ込んでいるそれがゆえに、不可避の出来事を冷静に受けとめることができるのではないだろうか

この精神はある種の社会的順応主義へも繋がるが、それはともかく、日本人ならば「諸行無常」の考えは子供の頃から知っているのである

仏教の教え「諸行無常」が日本人の心にしみ込んでいたゆえに、不可避の出来事も冷静に受け止められたのではないか、と考察されています。

「自分には不幸な出来事など起こり得ない」と思っていれば、実際に大きな災害に遭ったとき、その事実を受け止めることができず、冷静さを完全に失って、パニック状態になるかもしれません。

その後も、なかなか立ち直ることができないでしょう。

しかし「諸行無常」の教えが根底にあれば、もちろん被害に遭ったことはそう簡単には受け入れがたく、つらく悲しい気持ちは消えませんが、まったく予期していない場合と比べれば、まだ冷静に対応することができるのではないかと思います

危機管理の基本は、

最悪を覚悟して、最善を尽くす

といわれます。

最悪の事態を覚悟しておくことは、コントロール感を奪われる状況になったときの冷静さ、立ち直りの早さにつながるのですね。

ただ、悪い事態ばかりを考えて、良い状況をつくることに時間を取れないのは本末転倒です。

根底に「諸行無常」の教えを残しつつ、明るい未来を思い描き、その実現に向けて努力をしていくことをぜひおすすめします

以上が、もう1つの自己解決型のデメリットの克服法でした。

まとめ

  • 運命についてのパーソナリティには「自己解決型」「他者依存型」があります。自己解決型のほうがメリットが多く、幸福感が高まりますが、突如としてコントロール感が奪われると幸福や健康状態に多大な悪影響が及ぼされるというデメリットもあります
  • 自己解決型のデメリットの克服には、仏教の「諸行無常」の教えを受け止めることです。すべてのものは常が無くて続かない、コントロール感を突然として無くす出来事も起こり得ると覚悟することで、思わぬ事態にもできる限り冷静に対応でき、立ち直りが早くなります
  • 未曾有の災害であった東日本大震災が起こったときも、日本国民が歴史的な災禍に冷静さを保って対応できたのは、諸行無常が心にしみ込んでいたから、と推察されています

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コンテンツブッダとパーソナリティ心理学
この記事を書いた人
南 雄一郎

2011年 金沢大学工学部 卒業

大学では機械工学を専攻するなか、悩み解消のヒントや生きる指針を教える仏教に強い関心を持ち、仏教講演会に多数参加しました。

また大学卒業後は仏教と親和性のある心理学にも興味を持ち、独学で学びました。

現在は東京都内でライターをしながら、対人関係の悩みを解消し、自立した生き方の実現を目的とした 仏教×心理学のワークショップを開催しています。

自主開催のワークショップは累計500回以上。

2018年 新潟県キャリアセンター様主催 キャリアコンサルタント フォローアップセミナーにて講師をつとめました。

NPC法人HMC協会 認定心理カウンセラー(セルフ資格) 。

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