5/23(木)レポート 由来は仏教の“慈悲”?人生を変える「セルフ・コンパッション」とはセルフ・コンパッションの効果と身につけ方1

勉強会主催の みなみ です。

今回の勉強会には初めての方4名を含む、9名の方にご参加いただきました!

今回のメインテーマである「セルフ・コンパッション」についての勉強会は初めてであり、どうなるか不安でしたが、多くの方にご参加いただけて嬉しく思います^^

個人的に、セルフ・コンパッション(=自分への思いやり)という言葉を耳にする機会も多いと感じていたのですが、実際に関心の高いテーマなのだと感じました。

参加された方から、

「セルフ・コンパッションの具体的な実践方法がわかってよかった 」
「ボディスキャン(セルフ・コンパッションの方法の1つ)をやってみようと思いました! 」

というご感想もいただき、励みになりました。

私自身も継続して実践していきたいと思います。

記事の内容を動画でもご紹介しています

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『実践ワークブック』で学ぶ、セルフ・コンパッション

今回の勉強会は、
ブッダと心理学から学ぶ「自分への思いやり(セルフ・コンパッション)の効果と身につけ方
についてでした。

このテーマの勉強会では、『セルフ・コンパッションのやさしい実践ワークブック』という本の内容をメインでお話ししています。

セルフ・コンパッションのやさしい実践ワークブック

こちらは、アメリカの心理療法家 ティム・ディスモンド氏のセルフ・コンパッションに関する本『The Self-Compassion Skills Workbook』を翻訳した本です。

セルフ・コンパッションとはそもそも何か?
どのような効果があるのか?

などの疑問にとてもわかりやすく答えられ、実践方法も詳しく紹介されています。

セルフ・コンパッションを正しく理解して、その実践に励めば、「たった2週間でつらい気持ちを解消して、堂々とした自分になれる」とも言われているのです。

セルフ・コンパッションと出会って、人生が完全に変わった

著者のディスモンド氏とセルフ・コンパッションとの出会いは大学時代。

マインドフルネスやセルフ・コンパッションの実践の専門家であり、欧米で仏教の普及活動を行っているティック・ナット・ハン氏からセルフ・コンパッションを習いました。

ディスモンド氏の家庭はシングルマザーで、お母さんはアルコール依存症で苦しみ、非常に貧しかったそうです。
大学に通うまで、ディスモンド氏は自らの人生に対して怒りや悲しみ、苦しみを抱えていました。

しかしティック・ナット・ハン氏から教えられたセルフ・コンパッションを実践したところ、その人生の苦しみが和らぎ、気持ちがどんどん穏やかになり、その確かで高い効果を実感されたのです。

セルフ・コンパッションと出会って、私の人生は完全に変わりました。

とまで言われているほどで、

多くの苦悩と自己破壊性を抱えた人間から、穏やかさをたくさん知っていて、周囲の人と関係のなかで調和と親密さを豊かに味わう人間になった、と告白されています。

自分の人生の苦しみをこれほど和らげてくれたセルフ・コンパッションをほかの人にも共有したいという気持ちから、ディスモンド氏はセラピスト(心理療法家)としての道を歩まれることになりました。

セルフ・コンパッションとは?その由来は仏教の“慈悲”

ワークショップのキーワードである「セルフ・コンパッション」とは

自分への思いやり
自分に対する慈悲

と訳されます。

自分で自分を責めて苦しめるのではなく、自分を励ます、優しくする。それが自分に対して思いやりを持つ、ということですね。

「自分に対する慈悲」の「慈悲」という言葉、今では日常でも使われている言葉ですが、実はもともとは仏教から出た言葉です。

慈悲の教え」といわれるほど、仏教で慈悲は大切な言葉です。

セルフ・コンパッションは、仏教の慈悲の教えからそのヒントを得たと言われています。

では、その慈悲とはどんなものかというと、正確には「慈の心」と「悲の心」に分けられます。

慈の心とは「抜苦(ばっく)」、
悲の心とは「与楽(よらく)」の心です。

抜苦とは、苦しんでいる人の苦しみを抜く、
与楽とは、楽しみや喜び、幸せを与えるということですね。

つまり慈悲というのは「抜苦与楽」、「苦しみを抜いて幸せにしてあげたい」という心のことなのです。

慈悲とは抜苦与楽の心 自分に対しての慈悲=セルフコンパッション

大切な友人が目の前で落ち込んでいたり、苦しそうな表情をしたりしていたら、心配して声をかけますよね。
悩みを抱えているなら、悩みの解消に少しでも力になりたい、と思われると思います。

また、親友の喜ぶ顔が見たくて労力やお金を使われることもあるでしょう。

そのような心が抜苦与楽の心、慈悲の心です。

すべての人の苦悩を抜き、本当の幸せにすることを仏教は目的としているので、慈悲の教えといわれるのです。

この抜苦与楽の心、慈悲の心を、自分自身に向けていく、
自分の苦しみを抜いてあげる、自分に優しくして幸せな気持ちにさせる、

それが「自分に対する慈悲」、セルフ・コンパッションなのですね。

 

ではセルフ・コンパッションは、具体的にはどのような効果があるのでしょうか。
次回はそれについてお話しします。

まとめ

  • セルフ・コンパッションとは「自分への思いやり」「自分に対する慈悲」のことをいいます。心理療法家のティム・ディスモンド氏はセルフ・コンパッションと出会ったことで人生の苦しみが和らぎ、人間関係のなかで調和と親密さを味わえるようになった、といわれています
  • 「慈悲」とは、もともと仏教の言葉です。慈悲とは「抜苦与楽」、「苦悩の人の苦しみを抜いて、幸せにしたい」という心のことをいいます。仏教は、すべての人の苦悩を抜き、本当の幸せにすることが目的であるので、「慈悲の教え」ともいわれます
  • その慈悲・思いやりをを自分自身に向けるのがセルフ・コンパッションなのです(セルフ・コンパッションは、仏教の慈悲からそのヒントを得た、ともいわれています)

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コンテンツレポートブッダとセルフ・コンパッション
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この記事を書いた人
南 雄一郎

2011年 金沢大学工学部 卒業

大学では機械工学を専攻するなか、悩み解消のヒントや生きる指針を教える仏教に強い関心を持ち、仏教講演会に多数参加しました。

また大学卒業後は仏教と親和性のある心理学にも興味を持ち、独学で学びました。

現在は東京都内でライターをしながら、対人関係の悩みを解消し、自立した生き方の実現を目的とした 仏教×心理学のワークショップを開催しています。

自主開催のワークショップは累計750回以上。

2018年 新潟県キャリアセンター様主催 キャリアコンサルタント フォローアップセミナーにて講師をつとめました。

NPC法人HMC協会 認定心理カウンセラー(セルフ資格) 。

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