感覚と思考をしっかり感じる、セルフ・コンパッションの実践3ステップ-セルフ・コンパッションの効果と身につけ方5

勉強会主催の みなみ です。

『セルフ・コンパッションのやさしい実践ワークブック』を通して、

「自己への思いやり(=セルフ・コンパッション)の効果と身につけ方」について、続けてご紹介をしています。

今回はその5回目です。

セルフ・コンパッションのやさしい実践ワークブック

『セルフ・コンパッションのやさしい実践ワークブック』は、アメリカのセラピスト(心理療法家)であるティム・ディスモンド氏の書かれた本です。

ディスモンド氏は大学時代にセルフ・コンパッションと出会って実践したところ、人生の苦しみが和らぎ、気持ちもどんどん穏やかになり、「セルフ・コンパッションと出会って、私の人生は完全に変わりました」といわれるほど、その絶大な効果を実感されたのです。

こちらの本には、そのセルフ・コンパッションの概念と確かな効果、そして具体的な実践方法がわかりやすく解説されています。

セルフ・コンパッションはそもそも、

  • 自己への思いやり
  • 自分に対する慈悲

と訳されます。

セルフ・コンパッションを身につけることで、自分を否定したり、きびしく批判したりすることなく、苦しみが和らいで心のバランスが保たれるとともに、人生の喜びを最大限味わうことができるのです。

前回は、セルフ・コンパッションと似たように思える4つの概念の特徴と、セルフ・コンパッションとの違い、そして神経科学の面から見たセルフ・コンパッションの効果についてお話ししました。

前回の記事はこちら

セルフ・コンパッションと混同しやすい4つの概念と、その特徴とは-セルフ・コンパッションの効果と身につけ方4
勉強会主催の みなみ です。 『セルフ・コンパッションのやさしい実践ワークブック』を通して、 「自己への思いやり(=セルフ・コンパッション)の効果と...

セルフ・コンパッションのトレーニングを実践することで、脳のなかの「思いやり回路」が強化され、不安や抑うつ、怒りなどの不快な感情が和らぎ、幸福感が高まることがわかっています。

すぐさま簡単に効果が表れることはありませんが、実践を続けていれば誰でもセルフ・コンパッションが身につき、その効果を実感できるのですね。

今回から、具体的なセルフ・コンパッションの実践方法をご紹介していきます。

※『セルフ・コンパッションのやさしい実践ワークブック』では8通りの実践方法が紹介されていますが、ここでは特に実践しやすいものを3つのステップでお話ししていきます

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感覚と思考をしっかり感じる、セルフ・コンパッションの実践3ステップ

セルフ・コンパッションの実践を、以下の3ステップでご紹介します。

  1. ボディスキャン
  2. アクセプタンス
  3. 自分に優しくする

ステップ① ボディスキャン

最初の実践が「ボディスキャン」です。どんな場合も、まずこの実践からスタートします。

ボディスキャンとは、自分の気持ちの評価をすることをいいます。はじめにボディスキャンを実践し、いまの心と体の状態を確認してから、次の実践の方針を立てるのです。

ボディスキャンは次の順序で行います。

  1. マインドフルな呼吸
  2. 身体のマインドフルネス

1マインドフルな呼吸

3回~10回ほど呼吸をします。

呼吸をしながら、空気が流れ込んできて、流れ出ていく。その身体感覚に注意を向けましょう。

ただ注意を向けながら、自然に、心地よいままにします。

過去も未来も手放して、心を「今、この瞬間」に置きましょう。

2身体のマインドフルネス

呼吸への気づきを次第に身体全体にまで広げていきましょう。

ひと呼吸ごとに、身体に湧いてくる感覚や過ぎ去っていく感覚すべてに注意を向けます。

緊張している感じ、リラックスしている感じはありますか?

重い感じや軽い感じはいかがですか?

気づくことのできた身体の感覚すべてを書き出しましょう。

身体の感覚として、

  • 肩に緊張感
  • 心臓が重い感じ
  • 全身が苛立っている

などが例として挙げられています。

身体に不快な感情がなく、リラックスした気持ちでいる場合はステップ3の「自分に優しくする」に進みます。

身体に不快な感情を感じている場合は、ステップ2の「アクセプタンス」に進みましょう。

ステップ② アクセプタンス

2ステップ目の「アクセプタンス」は「受容」のことで、「今、ここ」にある感覚や思考をしっかりと感じたままでいる、ことを指します。

「アクセプタンス」を実行すると、一つひとつの思考や身体の感覚を迎え入れる力が強くなり、
ネガティブな思考や感情に巻き込まれなくなる効果があるのです。

アクセプタンスには、「身体の感覚のマインドフルネス」と「思考のマインドフルネス」とがあります。

まずは身体の感覚のマインドフルネスを実践し、それを邪魔する思考が出てきたら、思考のマインドフルネスを行います。

1身体の感覚のマインドフルネス

身体にある あらゆる感覚に注意を向けましょう。顔、頭、胸、お腹の辺りを特に丁寧に探りましょう。

  • 緊張した感じに気がつきますか?
  • リラックスした感じに気がつきますか?
  • 重苦しい感じに気がつきますか?
  • 軽やかな感じに気がつきますか?
  • 熱さに気がつきますか?
  • 冷たさに気がつきますか?
  • 苛立つ感じに気がつきますか?

身体にあるそうした感覚が強くなるのにまかせましょう。

何も変えようとしません。不快な感覚も追い払おうとしているのではありません。

身体にどんな感覚が湧いても、心を完全に開いて、受容しながら感じられるようにしましょう。

感覚が強くなってくるかもしれませんし、変わっていくかもしれない。そのままかもしれない。ただ眺めながら、感じます。

※身体の感覚のマインドフルネスの実践中に、思考が湧いてきて、身体の感覚に注意をし続けるのが難しくなったら、思考のマインドフルネスを行います

2思考のマインドフルネス

「今、ここ」に思考があるのを認識して、思考に呼び名をつけます。

  • 思考には反論せず、追い払おうともしません
  • それが思考にすぎないのを認識して、そのままにするか、漂ったままにします

思考には、いろんな種類があります。

身体の感覚を嫌がる思考

「こんなに緊張するのは嫌だ」という思考です。

「緊張するのが嫌でもかまわない。当然だと思うよ」と受け入れましょう。

実践を嫌がる思考

「実践してもちっとも役に立たない」という思考です。

「嫌なのがよくわかるよ。もっと楽しい気持ちを感じたいね。然だと思うよ」と受け入れつつ、「この実践を続けると、もっと大きな幸せにつながっていくんだよ」と語りかけましょう。

体験している感情と無関係な思考

「食器洗剤を買い忘れてはいけない!」などの思考です。

このような思考が出てきたら、いったん実践をやめて、忘れそうなことをメモに書き留め、その思考を手放しましょう。

自分に語りかけてくる思考

「解雇されるに決まっている」
「彼女が愛してくれさえしたら」という思考です。

「心に浮かんでいる思考が真実かもしれないし、そうでないかもしれない。それを今決めなくてもいい。心に何が浮かんでも、ただ受容しているだけ」と受け入れましょう。

※思考のマインドフルネスを実践し、思考を手放すことができたら、身体の感覚のマインドフルネスに戻ります

アクセプタンスを実行し、ネガティブな感情や思考に巻き込まれることなく、感覚や思考をしっかりと受け入れることができたら、次は3つのステップ「自分に優しくする」に移ります。

「自分に優しくする」を具体的にどう実践するかについては次回、詳しくご紹介していきます。

まとめ

  • セルフ・コンパッションとは自己への思いやり、自分に対する慈悲のことです。トレーニングを実践することで生きづらさがやわらぎ、人生の喜びを最大限味わうことができます
  • セルフ・コンパッションの実践3ステップが、以下のものです
    1. ボディスキャン
    2. アクセプタンス
      • 身体の感覚のマインドフルネス
      • 思考のマインドフルネス
    3. 自分に優しくする

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