思いやりが持てて、幸福感が高まる!「自分に優しくする」2つの方法-セルフ・コンパッションの効果と身につけ方6

勉強会主催の みなみ です。

『セルフ・コンパッションのやさしい実践ワークブック』を通して、

「自己への思いやり(=セルフ・コンパッション)の効果と身につけ方」について、続けてご紹介をしています。

今回はその6回目です。

セルフ・コンパッションのやさしい実践ワークブック

『セルフ・コンパッションのやさしい実践ワークブック』は、アメリカの心理療法家(セラピスト)であるティム・ディスモンド氏によって書かれた本です。

この本には、セルフ・コンパッション(自己への思いやり、自分に対する慈悲)の概念と確かな効果、具体的な実践方法がわかりやすく紹介されています。

セルフ・コンパッションのトレーニングを実践することで、人生がつらいときはその苦しみが和らぎ、心のバランスを取り戻すことができます。
また、人生が順調なときに実践しても、罪悪感をもたずに喜びを味わえるようになれる、といわれています。

つらいときも順調なときも、いつのときもセルフ・コンパッションはおすすめなのですね。

前回から、具体的なセルフ・コンパッションの実践法を、以下の3つのステップでご紹介しています。

  1. ボディスキャン
  2. アクセプタンス
  3. 自分に優しくする

1つ目は自分の気持ちを評価する「ボディスキャン」です。どんなときも、まずこの実践からスタートし、心と体の状態を確認してから、次の実践の方針を立てます。

ボディスキャンのうちの、身体のマインドフルネスの実践後に不快な感情を感じている場合は、2つ目の「アクセプタンス」に進みます。

アクセプタンスは「受容」のことで、「今、ここ」にある感覚や思考をしっかりと感じたままでいることです。

アクセプタンスを行い、ネガティブな感情・思考に巻き込まれずに、しっかりと受け入れることができれば、3つ目のステップ「自分に優しくする」に移ります。

今回はこの「自分に優しくする」の具体的な実践方法をお話ししていきます。

※ボディスキャン、アクセプタンスの詳細なやり方は、前回の記事をご覧ください

感覚と思考をしっかり感じる、セルフ・コンパッションの実践3ステップ-セルフ・コンパッションの効果と身につけ方5
勉強会主催の みなみ です。 『セルフ・コンパッションのやさしい実践ワークブック』を通して、 「自己への思いやり(=セルフ・コンパッション)の効果と...

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セルフ・コンパッションの実践3ステップ

ステップ③ 自分に優しくする

自分に優しくすることには2つの方法があります。

1つ目は「誰かからコンパッションを受け取る」です。

1 誰かからコンパッションを受け取る

  1. 誰かを思い浮かべましょう
    • よく知っている人
    • 宗教的な人物
    • 大自然からのイメージ
    • 動物
    • 白い光など、
      自分を完全に受け容れてくる存在を書き出してみましょう
  2. その人に集中しつづけます。はっきりとイメージします
  3. その人に集中をしつづけながら、身体の感覚を感じましょう
    (少なくとも10回呼吸するあいだ続けます)
  4. その人が次のフレーズをあなたに語りかけてくるのを思い浮かべましょう
    • あなたが幸せでありますように
    • 健やかでありますように
    • 安全でありますように
    • 愛されますように
      ※フレーズを自由に変えてもかまいません
  5. その人がフレーズを何回か繰り返して語りかけてくれるのを思い浮かべながら、身体の感覚が自然に変化するのにまかせましょう

終了後には、気がつく身体の「感覚」を書き出してみてください。

誰かから優しさを受け取るだけでなく、自分自身をイメージして、自分へ優しい言葉を送ること、または、誰かをイメージして、その誰かに自分が優しいフレーズを送ることも効果的です。

2 ジャーナリング

自分に優しくする2つ目の方法がジャーナリングです。

ジャーナリングとは「自分に宛てて文章を書くこと」をいいます。

書くことは、自己への思いやりを身につけるための強力なツール、といわれています。試されない手はないでしょう。

ジャーナリングの効果を証明する実験があります。

その実験では参加者に、失敗や屈辱的な出来事を思い出してもらいました。

  • 職場で上司に厳しく叱責をされた
  • 恋人とひどい別れ方をした
  • 大勢の人の前でのプレゼンがまったくうまくいかず、恥ずかしい思いをした

などが挙げられると思います。

その後で、同じ失敗をした友人をなぐさめるつもりで、自分宛てに手紙を書いてもらいました。

たとえば、

「それは辛かったね。でもそういうこともあるよ」と、共感した上で励ます。

「あなた自身がダメな人間ではない。誰にも落ち度はある」と、自分を過度に責める(=自責化)のではなく、“不完全なのが人間”と、自分への思いやりを持つように勧める。

「失敗を糧にして少しずつ努力すれば、この次はうまくいくよ」と、過去の失敗から教訓を得て、次に生かすように諭すなど。

すると、ジャーナリングを通して自分に優しくした人たちは、単に自分の長所について書いた対照群に比べ、幸福感が40%高く怒りの度合いが24%低下した、という結果が出たのです。

このように失敗や屈辱的な出来事に対して、自分をなぐさめるつもりで手紙を書くことで、自己への思いやりが持てて、幸福感も高まり、自制心も身につくのですね。

 

以上が、セルフ・コンパッションの3ステップの「自分に優しくする」でした。

誰かを鮮明にイメージしてコンパッションを受け取り、自分の身体の感覚の変化に気づく(あるいは自分自身や誰かに自分がコンパッションを送る)、

自分宛てに文章を書いて、共感し、自責化を和らげ、失敗から学べるようにし、前向きな気持ちを取り戻す。

どちらでもやりやすい方法を実践していただければと思います。

セルフ・コンパッションの大前提「人間誰しも本質的に価値ある存在」

最後にお話ししたいのが、セルフ・コンパッションの前提となる認識です。この認識が欠けていては、どれだけセルフ・コンパッションのトレーニングを行っても、本当の効果を得ることはできません。

その認識とは、

人間として生まれてきたというだけで、誰もが本質的に価値ある存在だ

というものです。

人間存在そのものに価値があると思えなければ、自分も相手も大切にすること、思いやりを持って接することはとてもできませんね。

セルフ・コンパッションの概念の元にある「慈悲の教え(=仏教)」も、前提となるのが、「人間には一人ひとりが果たすべき大事な使命があるがゆえ、誰もが本質的に価値がある」ことです。

その人その人に大切な使命があり、存在自体に大きな価値がある。この認識を持ってこそ、自分にも相手にも優しくできる、尊重できる、思いやりを持って接することができるのですね。

ぜひこのような認識を持っていただきたいと思います。

 

「セルフ・コンパッションの効果と身につけ方」に関する記事は、今回で終わりです。ほかにもさまざまな心理学や、仏教の内容を紹介していますので、ぜひ続けてご覧ください。

まとめ

  • 自己への思いやり、自分に対する慈悲がセルフ・コンパッションです。セルフ・コンパッションのトレーニングを実践することで、人生の苦しみが和らぎ、人生の喜びは罪悪感を持たずに味わうことができます
  • セルフ・コンパッション実践の3ステップ目が「自分に優しくする」ことです。それには以下の2つの方法があります
    1. 誰かからコンパッションを受け取る(あるいは自分自身、誰かにコンパッションを送る)
    2. ジャーナリング-自分宛てに文章を書き、共感・励まし・自責の相対化・ベネフィットファインディング(つらい経験のなかから良かった点を見つける)を得る
  • セルフ・コンパッションの前提となる認識が「人間として生まれてきたというだけで、誰もが本質的に価値ある存在だ」ということです。誰しも価値ある存在と認めてこそ、自分にも相手にも優しくできるのです

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