勉強会主催の みなみ です。
『自己評価メソッド』を通して、不安や恐れなどの生きづらさを解消するにはどうすればいいのか、そのための自己評価の高め方について、続けてご紹介しています。
今回はその6回目です。
スポンサーリンク
「高いけれど、もろい」内面は不安を抱える自己評価
『自己評価メソッド』は、フランスで人気の精神科医 クリストフ・アンドレ氏によって書かれました。
自己評価とは、「自分についてどう思うか」そして「他人からどう見られていると感じるのか」の2つから成り立っているといわれています。
自分に自信が持てず、人から必要とされていると感じられなければ、やりたいことも積極的にやれず、気持ちも落ち込みがちになり、生きづらさを抱えてしまうでしょう。
生きづらさを感じる自己評価には、「低い自己評価」と「高くてもろい自己評価」があります。自己評価に対してのゆがみがあると、自己評価はこのどちらかになります。
前回は、「高くてもろい自己評価」の人がたどる さらに自己評価がマイナスになるプロセス、それとは反対に「よい自己評価」の人がたどる ますます自己評価が高まるプロセスをご紹介しました。
「高くてもろい自己評価」の人は内心、人から低く見られることへの不安があります。
そのため人から悪く言われることを恐れ、他人に対して攻撃的な態度をとってバカにされないようにしたり、あるいは軽蔑した態度をとって安心しようとしたりします。
また、何より自分の失敗は認めたくなく、自らの失敗は人のせいにします。そうなれば周囲との関係は悪化し、ますます人から低く見られることを恐れるのです。
対してよい自己評価の人は、他者には思いやりを持って接し、相手のよいところを見つけようとし、また、自らの失敗も認めて、自己成長の糧にします。そうなれば周囲との関係は良好になり、ますます自己評価が高まるのですね。
プロセスを詳しくご紹介した、前回の記事はこちら
今回は、「低い自己評価」「高くてもろい自己評価」は、「よい自己評価」へと変えることができるのか、自己評価は後からでも高めることができるのかについて、お話ししていきます。
自己評価は誰でも高めることができる!自分を変えるときの3つの心がけ
自己評価に問題があれば、うつ病や不安障害など、精神疾患に冒されることもあります(心理的な障害と低い自己評価とは関連が深い、と指摘されています)。
精神疾患に冒されるほどの問題はなかったとしても、行動することに対して不安、恐れを感じやすくなったり、自分は低く見られているのではないかと思って他者に怒りや嫉妬を抱きやすくなったり、困難に直面すれば過剰にストレスを感じて無力感に陥ったりと、生きづらさが生まれてしまうでしょう。
では、問題のある自己評価をよくすることはできるのでしょうか。
それについてアンドレ氏は、「精神医学の最近の研究の結果を踏まえていえば、答えは『できる』である」といわれています。
先に紹介したように、自己評価が低かったり、高くてもろかったりすると、うつ病になる危険性がありますが、そのうつ病に対して効果のある方法はいくつも発見されているため、自己評価をよくすることもまた可能といえるのです。
その自己評価を高めていくために心がけるべきことを3つ、ご紹介していきます。
心がけ① 現在の自己評価はすべて過去によってつくられたのではない
私たちがいま どんな自己評価を持っているかは、過去と大きく関係しているともいわれています。
子供のときに両親がよく愛情を注いでくれたり、自分を励ましてくれたりすれば、それだけ自分は大切な存在なんだと思えて自己評価は高まりやすくなります。
反対に、愛情を十分に受け取ることができなかったならば、自己評価にはマイナスな影響があるでしょう。
しかしだからといって、自己評価は過去によってのみ決まるのではありません。
「現在の自己評価はすべて過去によってつくられたものではない」といわれています。
現在の自己評価に問題があるとするなら、それは現在の生き方にも問題があるのであり、現在の生き方次第で過去を癒やし、自己評価をよくすることはできるのです。
心がけ② 一瞬で自分を変えることはできない。毎日実践してこそ実を結ぶ
自己評価と聞くと、「一瞬で自分を変えることができる!」などの自己啓発に関する文言を思い出されるかもしれません。
しかし、突然自分の中に変化が起きる、瞬時に変われるというのは「映画やドラマでしか起きないこと」といわれています。
自己評価を高めるには、そのための方法を、毎日少しずつ実践していくことが大切なのです。
「自分がそう考えてしまうのはなぜか?どんな思い込みがあるのか?」
「そんなふうに行動する背景には何があるのか?過去の出来事とどう関わっているのか?」
と自分を見つめ、過去を紐解いていき、その上で適切な考え方、行動の仕方を学んで実践し、身につけていくことが勧められています。
心の奥底にある物の考え方・身体にしみついた行動パターンは、突然には変えられません。
しかし自己評価をよくするための正しい努力をすれば、その効果はかなり早くから表れ、生きるのが少しずつ楽になっていくのを感じることもできます。
そこからさらに努力を重ねれば、自己評価のゆがみを正し、思い込みを変えることもでき、行動パターンも前向きなものになっていきます。
「道は長い。だが道はある」とアンドレ氏は励まされているのです。
心がけ③ 自己評価をよくする目的を誤らない
自己評価をよくすることは、「魔法をかけられたようにすっかり変わる」「誰か別の人間になる」ことではない、といわれています。
おとなしく控えめな人が、いきなり派手でおしゃべり好きな人間になることはありませんし、それが目的ではありません。
自分以外の何かになろうとしても、だんだんと無理がたたって精神的に苦しくなってしまうでしょう。自分のもともとの性格を変えようしてはならないのです。
自己評価をよくするのは「今までどおりの自分でいて、少し生きやすくなること」が目的です。
自己評価がよくなっていけば、
- 少しだけ落ち着いた気分でいられる
- 少しだけ自信が持てる
- 少しだけ勇気を持って行動できるようになる
- 少しだけ人の目を気にしなくなる
のです。
そのように自己評価がよくなっていけば、これまで苦手意識を持っていたことにも「とりあえず一度、やってみよう」という気持ちになり、積極的に行動していけるようにもなるのですね。
以上の3つのことを念頭において、今後ご紹介していく自己評価をよくするための方法を試していっていただければと思います。
次回からは、よい自己評価を形成していくメソッドを4つのパートに分けてお話ししていきます。
まとめ
- 精神医学の研究の観点から、どんな人でも、自己評価は後からでも高めることができるといわれています。その自己評価をよくしていくときに心がけるべきことが、以下の3つです
- 現在の自己評価はすべて過去によってつくられたのではない-
自己評価は過去とも関係がありますが、それがすべてではありません。現在の生き方次第で過去を癒やし、自己評価をよくすることができます - 一瞬で自分を変えることはできない。毎日実践してこそ実を結ぶ-
突然、瞬時に自分を変えることはできません。毎日、少しずつ自己評価メソッドを実践してこそ、少しずつ生きることが楽になり、やがては思い込みや行動パターンも変わっていきます - 自己評価をよくする目的を誤らない-
「今までどおりの自分でいて、少し生きやすくなること」が自己評価をよくする目的であり、自分以外の何かになることはできず、それが目的でもありません
- 現在の自己評価はすべて過去によってつくられたのではない-
続きの記事はこちら
スポンサーリンク