勉強会主催の みなみ です。
『自己評価メソッド』を通して、不安や恐れなどの生きづらさを解消するにはどうすればいいのか、そのための自己評価の高め方について、続けてご紹介しています。
今回はその5回目です。
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自己評価にゆがみもたらすもの、生きづらくなる自己評価とは?
『自己評価メソッド』は、フランスで人気の精神科医 クリストフ・アンドレ氏によって書かれました。
自己評価とは、
「自分についてどう思うか、自分をどんな人間だと思っているのか。いい人間、価値ある人間だと思っているのか。あるいは大して価値のない人間、ダメな人間だと思っているのか」
「他人からどう見られていると感じているのか。親切な人、できる人と思われているのか。あるいは取るに足らない人、できない人と思われていると感じているのか」
の2つから成り立っている、といわれています。
自分に自信を持ち、周りからも愛されていると感じていて、積極的に行動している人もいますが、
自分に自信が持てず、周りからもあまりいい人と思われていないと感じ、思い切って行動できない、言いたいことも言えない、という方のほうが多いのではないでしょうか。
自己評価が低ければ不安や恐れを感じやすくなり、行動や自己主張を避けがちになって、生きづらくなってしまいます。
どうすれば自己評価を高め、少しでも自分に自信を持ち、勇気を持って行動できるようになるのでしょうか。
その前提として、自己評価にゆがみをもたらすものとは何か、
またその結果として自己評価はどうなるのかを知っていただきたいと思います。
自己評価にゆがみをもたらす主なものとは、
- 欠点ばかりへの注目
- 完璧主義
- 悪い形で人と比較する
- 他の人の目や判断を気にしすぎる
の4つでした。
人間誰しもに欠点があり、できていないところはどうしても気になりますが、欠点ばかりを見ていては自己評価は高まりません。
また、自分に厳しくすることも自己成長には欠かせませんが、あまりに厳しすぎる基準で自分を見れば、自分を責めてしまい、やはり自己評価は高まりませんね。
人の優れたところを見て「あの人に比べて、自分はなんてダメなんだろう」と思っても自己評価は下がり、
人からどう思われているかを気にしすぎて、やるべきことをやれず、言うべきことも言えなければ、そんな自分に失望してしまうでしょう。
このようにゆがみが生じれば自己評価は傷つき、「低い自己評価」あるいは「高くてもろい自己評価」になる、といわれています。
前回は、「低い自己評価」の人がたどるプロセスと、そのプロセスを通してますます自信を失ってしまうメカニズムをご紹介しました。
前回の詳細はこちら
今回は、「高くてもろい自己評価」の人がたどるプロセス、高くてもろい自己評価になれば、さらに生きづらさを感じてしまうメカニズムをお話ししていきます。
高くてもろい自己評価の人がたどるプロセス、ますます自己評価が傷つくメカニズム
成功を収め、社会的地位が相対的に高い人が特にこの「高くてもろい自己評価」を持たれる傾向にあります。
成功体験があるため、一見、自身が持てている人のように思いますが、内心は人から低く見られていないかと不安を抱えています。
人からもっとよく見られようと努力を重ね、さらなる成功を収めたり、名声を得たりしますが、心からの安心はできないのです。
人から悪く思われるのを恐れ、その裏返しとして、他人に対して攻撃的な態度、傲慢な態度、高圧的な態度をとり、バカにされないようにします。
あるいは、自分よりも地位の低い人を軽蔑し、安心しようともします。
また、高くてもろい自己評価の人は、何より失敗を恐れます。失敗し、それを認めれば、周りから低く見られてしまうと思っているからです。
そのため、自分の失敗を認めなかったり、それを他人のせいにしたりします。
他人に攻撃的・高圧的な態度をとったり、自分の失敗を認めずに他人のせいにしたりすれば、他の人との関係は悪くなってしまいます。
そうなれば、ますます周りから低く見られてはいないか、バカにされてはいないかと不安になる…、という悪循環に入っていくのですね。
「高くてもろい自己評価」の人とは反対に、よい自己評価の人はどのようなプロセスをたどるのでしょうか。
よい自己評価の人は、人から低く見られているのではないか、と過度に不安に思うことはありません。
適度な自信が持てていて、落ち着いています。他人の目を極端に気にすることはないのです。
また他人に対して傲慢な態度をとることはなく、むしろ相手を尊重し、思いやれます。
一見、自分よりも劣っているように思う人であっても、その人のできているところに注目し、学ぼうとします。
失敗をしても、それを人のせいにすることはなく、過ちを認め、失敗から学びます。
思いやり、いたわり、誤りも進んで認めるような人がいたら、どのように思うでしょうか。そのような人にはとても好感が持てますよね。
よい自己評価の人は周囲の人との関係も良好になっていきます。そうなれば、他人の目を気にして不安になることはますます少なくなるでしょう。
これが「高くてもろい自己評価」の人がたどるプロセス、ますます自己評価が傷つくメカニズム、そしてよい自己評価の人がより自信をつけていくメカニズムでした。
「低い自己評価」、そして「高くてもろい自己評価」は、別々のもののように思えますが、実は表裏一体・近い関係にあり、よい自己評価を持たない人は2つのあいだを行き来する、といわれています。
「低い自己評価」の人が何かで成功し、高い地位を手にすれば、自己評価も高まるように思います。
しかし内心に他人から低く見られているのではないかという不安があれば、それは「高くてもろい自己評価」です。
その「高くてもろい自己評価」の人が大きな失敗をし、地位を失うようなことがあれば、「低い自己評価」へと戻ります。
行動や自己主張を避け、これ以上 自己評価を下げないようにするのです。
では、そのような「低い自己評価」「高くてもろい自己評価」の人が、よい自己評価を持つことはできるのでしょうか。
自己評価はもともと高い・低いが決まっているのであり、後から高めることは難しいのでしょうか。それとも高めるのに遅いということはないのでしょうか。
次回はそれについてお話ししていきます。
まとめ
- 自己評価とは「自分についてどう思うか」また「他人からどう思われていると感じるか」の2つで成り立っています。自己評価が低ければ恐れや不安を感じやすく、生きづらくなってしまいます
- ゆがみによって自己評価は「低い自己評価」、または「高くてもろい自己評価」に分かれます。高くてもろい自己評価の人は周りから低く見られるのを恐れ、他人に対して傲慢な態度をとり、失敗は人のせいにしがちです。そうなれば周囲の人との関係が悪化し、ますます周りからの目が気になり、不安になります
- よい自己評価の人は適度に自信を持っていて、他者を思いやり、いたわります。失敗を人のせいにせずに進んで誤りを認め、成長の機会と捉えます。ゆえに周囲の人との関係は良好になり、他者の目線に対しての不安はさらに減り、自己評価は安定していくのです
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