コンプレックスを相対化し、苦痛を和らげる5つの実践法-生きづらさを解消する 自己評価メソッド16

勉強会主催の みなみ です。

『自己評価メソッド』を通して、不安や恐れなどの生きづらさを解消するにはどうすればいいのか、そのための自己評価の高め方について、続けてご紹介しています。

今回はその16回目です。

自己評価メソッド―自分とうまくつきあうための心理学

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自己評価を悪くする“コンプレックス”、コンプレックスを相対化し、悪影響を抑えるには?

『自己評価メソッド』は、フランスで人気の精神科医 クリストフ・アンドレ氏によって書かれました。

こちらの記事では、『自己評価メソッド』で紹介されている、自己評価をよくする方法を以下の4つのパートに分けてお話ししています。

  1. 自分を受け入れる
  2. 自分との関係を改善する
  3. 他人との関係を改善する
  4. 行動の仕方を改善する

前回から、「自分との関係を改善する」の中の「自分のコンプレックスと戦う」ことについてご紹介しています。

自己評価を悪くしている大きな要素の1つがコンプレックスです。誰しもに欠点がありますが、日常生活に支障をきたすほど苦痛に感じれば、それはコンプレックスであるといわれています。

コンプレックスを抱えれば、コンプレックスを刺激しないようにと行動を制限します。そうして不自由になれば、自己評価も傷ついてしまうのです。

ではそのコンプレックスとどのように向き合えばいいのでしょうか。
コンプレックスを完全に治療する絶対的な方法はないといわれていますが、コンプレックスを“相対化”することで、その悪影響を抑えることはできるのです。

その相対化する方法について、前回は以下の2つをお話ししました。

①コンプレックスを持つにいたった原因を理解する

-両親から「お前はダメだ」と言われた、欠点をからかわれたなど、コンプレックスを持つようになった原因を考えた上で、「他の人も同じような経験をしたことがあるだろうか?」のように自問することにより、ある程度、コンプレックスを相対化できます。

②すべてをコンプレックスのせいにしない

-コンプレックスが原因でうまくいかないことはわずかであり、コンプレックス以外に原因がある場合のほうが多いです。それをコンプレックスにせいにすれば、コンプレックスへの意識をますます強め、しかも問題は解決されないままになります。

 そのため、何かがうまくいかなかったとしても、コンプレックスからはひとまず離れ、本当の原因を考えてみることが勧められています。

前回の詳細はこちら

コンプレックスを抱えることの問題点、自己評価への影響とは-生きづらさを解消する 自己評価メソッド15
勉強会主催の みなみ です。 『自己評価メソッド』を通して、不安や恐れなどの生きづらさを解消するにはどうすればいいのか、そのための自己評価の高め方について...

今回は、コンプレックスと戦い、相対化する実践法の3つ目以降をご紹介していきます。

コンプレックスと戦い、相対化するための実践法

③他の人を観察する

欠点のない人はいません。では、欠点を持ちながらもほかの人はどう生きているのか。ほかの人を観察することが勧められています。

特に自分と同じ欠点を持つ人は、同じようにコンプレックスを抱いているのか、あるいはそれをまったく隠そうとしていないのかを見てみましょう。

すると、欠点を過剰に気にすることなく、自由に生きている人もいることに気づくはずです

それはその人の性格の問題、生まれつきの気質ではなく、心の持ち方にあることを理解しよう、といわれています。

その人はもとから欠点を気にしていないのではなく、<欠点>に対する考え方を変え、劣った点を受け入れているからこそ、自由に生きることができているのです。

そのように欠点を抱えながらも心の持ちよう次第で自由に生きている ほかの人の姿を見ることで、「私の抱えているコンプレックスは、自分が思うほど大きな欠点がではないかもしれない」と、自分のコンプレックスを相対化することができるでしょう。

④誰かと話してみる、人の意見に耳を傾ける

コンプレックスを抱いていると、それを苦痛に感じて、自分の殻に閉じこもりがちになってしまいます。
しかしそのように一人で思い悩んでいても、余計に孤独を感じ、つらくなってしまいますね。

そこで思い切って「私はこんなことにコンプレックスを抱いている」と誰かに打ち明けることが勧められています。

打ち明けることで、コンプレックスはなくならなくても、気持ちが落ち着き、コンプレックスの痛みも軽減されるでしょう。

話を聞いてもらえるだけでも気持ちが楽になりますが、さらに相手のほうも「実は私もこんなことにコンプレックスを抱いている(あるいは、抱いていたが、このようにしたことで今は気にならなくなった)」と語ってくれるかもしれません。

そうなれば、自分のコンプレックスに対しても距離をとって見ることができるようになるはずです。

また、「それは気にする必要はないこと」と、意見を言われることもあるでしょう。

それに対して「私が気になるのだから、仕方ないじゃないか」と反発し、人の意見には耳をふさいでしまいたくなるかもしれません。

しかし他者からの客観的で肯定的な意見は貴重であり、心の持ち方を正しくしてくれるものです
意見を言ってもらえたときは、言い返したくなる気持ちを抑えて、大切に聞き入れ、落ち込みそうなときはそれを思い出すようにしてみましょう。

⑤もっと大きな目で自分を見る

コンプレックスを抱いていると、どうしても<自分の劣っていると思う部分>に意識が向かってしまいます。短所を拡大解釈してしまうのです。

例として、スタイルに対して強いコンプレックスを持つ人の例が挙げられていました。

そのような人は自分の容姿のほかの優れた部分には目もくれず、劣っていると思う部分ばかりを考えてしまい、その結果、拒食症やその反動で過食症になることもあるといわれています。

その対策としては、コンプレックスにつながる欠点や弱点、限界にばかり注目するのではなく、自分の長所や優れているところに意識的に注目してみましょう

そうすれば、劣ったところばかりの人間ではないと気づき、コンプレックスを相対化することができるのです。

 

以上が、コンプレックスと戦い、相対化する5つの実践法でした。

次回は、現代がコンプレックスを助長する時代となった2つの原因(テクノロジーの発達、平等社会の実現)と、社会の有害な影響から自己評価を守る実践法について 詳しくご紹介していきます。

まとめ

  • 自己評価を悪くする大きな要素の1つがコンプレックスです。コンプレックスを抱えれば、コンプレックスが刺激されないよう行動を避けたり、悪いところばかりに目が向いたりして、自己評価が傷つきやすくなります
  • そのコンプレックスと戦い、苦しみを和らげる実践法を3つ、ご紹介しました
    1. 他の人を観察する-
      自分と同じ欠点を持ちながらも、心の持ち方を変えて自由に生きている人を観察することで、自らのコンプレックスを相対化できます
    2. 誰かと話してみる、人の意見に耳を傾ける-
      自分の殻に閉じこもりがちだからこそ、思い切ってコンプレックスがあることを人に打ち明ければ気持ちが楽になり、さらにその人の経験・意見を聞き、受け入れると、自分のコンプレックスと距離がとれるようになります
    3. もっと大きな目で自分を見る-
      コンプレックスにつながる短所や欠点ばかりではなく、長所やできているところに意識的に注目すれば、自分は劣った人間ではないと認められ、不安や苦痛を軽減できます

続きの記事はこちら

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コンテンツブッダと自己評価の心理学
この記事を書いた人
南 雄一郎

2011年 金沢大学工学部 卒業

大学では機械工学を専攻するなか、悩み解消のヒントや生きる指針を教える仏教に強い関心を持ち、仏教講演会に多数参加しました。

また大学卒業後は仏教と親和性のある心理学にも興味を持ち、独学で学びました。

現在は東京都内でライターをしながら、対人関係の悩みを解消し、自立した生き方の実現を目的とした 仏教×心理学のワークショップを開催しています。

自主開催のワークショップは累計500回以上。

2018年 新潟県キャリアセンター様主催 キャリアコンサルタント フォローアップセミナーにて講師をつとめました。

NPC法人HMC協会 認定心理カウンセラー(セルフ資格) 。

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