「自分が不完全であることを受け入れる」4つの実践法-生きづらさを解消する 自己評価メソッド23

勉強会主催の みなみ です。

『自己評価メソッド』を通して、不安や恐れなどの生きづらさを解消するにはどうす ればいいのか、そのための自己評価の高め方について、続けてご紹介しています。

今回はその23回目です。

自己評価メソッド―自分とうまくつきあうための心理学

記事の内容を動画でもご紹介しています

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自己主張ができるための実践法

『自己評価メソッド』は、フランスで人気の精神科医 クリストフ・アンドレ氏によっ て書かれました。
こちらの記事では、『自己評価メソッド』で紹介されている、自己評価をよくする方 法を以下の4つのパートに分けてお話ししています。

  1. 自分を受け入れる
  2. 自分との関係を改善する
  3. 他人との関係を改善する
  4. 行動の仕方を改善する

前回は、「自分との関係を改善する」の中の<劣っている勇気を持ち、不完全なまま生きる>ということについてお話ししました。

「自分は劣った人間だ」と思っている人は、精神疾患をわずらっていない人でも15%いる、といわれています。
となると、ある特定の状況で一時的に「自分は劣っている」と感じる人はもっと多いでしょう。

この「自分は劣っている」という感覚は自己評価に悪い影響を与えます。

では「自分は劣った人間だ」という感覚はどこからきているかというと、「自分は完全でなくてはならない」という思い込みから、といわれています。

完全でなくてはならない、と思っているので、完璧に物事をこなせなかったときに「自分はダメな人間だ」と感じ、まわりから劣った人間だと思われることを恐れるのです。

「自分は劣った人間だ」という感覚の原因

その不安を解消しようと、私達はできている“ふり”をしがちです。

しかしそれには2つの問題点があります。

  • 問題点① ふりがばれたとき、いっそう恥ずかしい状況に置かれる
  • 問題点② ばれたら困ると思って、いつでもひやひやしていなければならない

このようにふりをしたとしても根本的な不安を消すことはできず、むしろ悪影響のほうが多い、といえるのです。

根本的に解決するには「自分が不完全であることを受け入れ、劣っている勇気を持つこと」です。
「不完全さ」を受け入れれば、劣っていると思われることへの恐れはなくなり、ふりをする必要もありません。

そこから出発し、<不完全な部分>を少しでも<完全>に近づけるよう努力することで、自己評価はよくなっていくのです。

前回の詳細はこちら

なぜ「自分は劣った人間だ」と思ってしまうのか?その原因と、できている“ふり”をすることの問題点-生きづらさを解消する 自己評価メソッド22
勉強会主催の みなみ です。 『自己評価メソッド』を通して、不安や恐れなどの生きづらさを解消するにはどうす ればいいのか、そのための自己評価の高め方について、続...

今回は、自分が不完全であることを受け入れるための具体的な実践法をお話ししていきます。

「自分が不完全であることを受け入れる」4つの実践法

実践法① 嘘をつかない

「自分が不完全である」ことを隠すために<嘘をつく(本当は知らないのに 知っていると言う、本当はできていないのに できていると言う、など)>のは望ましいやり方ではない、といわれています。

嘘をついて、その場は切り抜けることができたとしても、問題の根本的な解決にはならず、後で嘘がバレたときには一層恥ずかしい思いをし、自己評価が傷ついてしまいます。

嘘をつくことに慣れてしまい、向き合うべき問題から逃げるようにもなる、とも指摘されています。

嘘をつかないことが、「自分が不完全である」ことを受け入れるための第一歩なのです

実践法② 自分が完全を求めていることに気づく

嘘をつかないことに加え、自分とよく話をして「自分が完全を求めているかどうか」を確かめる習慣をつけることも勧められています。

人は無意識のうちに

「私は決して失敗してはならない。完璧にやらないといけない」
「まわりから、できない人と思われてはいけない」

など、「自分に対する要求水準が高くなっている」こともあるからです。

「自分は完全でなくてはならない」と思い込んでいることに気づければ、

「そこまで自分を追い込まなくてもいい。肩肘張らなくてもいい」
「できなかったとしても、バカにされることはない。みんな、優しく見守ってくれている」

と思い直すことができるでしょう。

実践法③ 自己主張訓練をする

「自分が完全でなければならない」という思いに気づけたら、次に大切なのは<自己主張訓練>を通じて、「不完全な自分を受け入れる」練習をすること、といわれています。

わからなかったこと、理解できなかったことは

「わかりませんでした」
「理解ができませんでしたので、もう一度、説明してもらえませんか」

と、率直に話す訓練をしてしみましょう。

わからないまま過ごしていては、嘘やふりがバレて、取り返しのつかない悪い事態を招きかねません。

知らない、わからないことは恥ずかしいことではありません
「自分は不完全であること」を認め、それを正直に話をしたほうがメリットは大きい
のですね。

実践法④ 自分の不完全さを受け入れると強くなれる、と知る

『自己評価メソッド』の中で紹介されていたある男性は、自分の欠点を自らが認めることで、誰から非難をされたとしてもびくともしないそうです。

非難をはねつけるのでも、全面的に受け入れるのでもなく、ただ、「なるほど。それについてはぼくも詳しく知りたいから、もっと詳しく話してくれる?」と言うのです。

しばらく話を聞いているうちに、相手は何も言えなくなってしまう…。

このように、自分が不完全であると認めていれば、相手の指摘に逆上することもなく、冷静に話を聞くことができるのです。

「人からどう思われてしまうだろう」と過剰に不安になることもなく、精神的な強さを手にすることができるでしょう。

 

以上が、「自分が不完全であることを受け入れる」4つの実践法でした。

次回は、自己評価には実は「自分について考えたとき、どんな気持ちになるか」という<感情>の要素も入っていること、感情(気分)と自己評価との関係についてお話ししていきます。

まとめ

「自分が不完全であることを受け入れる」実践法について、以下の4つをご紹介しました

  1. 嘘をつかない-
    自分の不完全さを隠すために嘘をついても、根本的な解決にはなりません。嘘をつかないことが不完全さを受け入れる第一歩です
  2. 自分が完全を求めていることに気づく-
    人は無意識のうちに自分に高い要求をしていることもあります。そのような完全を求めていることに気づくことで、不完全であっても問題ないことにも気づけます
  3. 自己主張訓練する-
    わからないことは「わからない」と言える訓練をしましょう。正直に話したほうがメリットは大きいのです
  4. 自分の不完全さを受け入れると強くなれる、と知る-
    自分で自分の欠点を認めてしまえば、他人からどう思われるかを恐れなくなり、自分への非難にも冷静に耳を傾けられるようになります

続きの記事はこちら

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この記事を書いた人
南 雄一郎

2011年 金沢大学工学部 卒業

大学では機械工学を専攻するなか、悩み解消のヒントや生きる指針を教える仏教に強い関心を持ち、仏教講演会に多数参加しました。

また大学卒業後は仏教と親和性のある心理学にも興味を持ち、独学で学びました。

現在は東京都内でライターをしながら、対人関係の悩みを解消し、自立した生き方の実現を目的とした 仏教×心理学のワークショップを開催しています。

自主開催のワークショップは累計750回以上。

2018年 新潟県キャリアセンター様主催 キャリアコンサルタント フォローアップセミナーにて講師をつとめました。

NPC法人HMC協会 認定心理カウンセラー(セルフ資格) 。

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