勉強会主催の みなみ です。
『自己評価メソッド』を通して、不安や恐れなどの生きづらさを解消するにはどうす ればいいのか、そのための自己評価の高め方について、続けてご紹介しています。
今回はその24回目です。
記事の内容を動画でもご紹介しています
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自己主張ができるための実践法
『自己評価メソッド』は、フランスで人気の精神科医 クリストフ・アンドレ氏によっ て書かれました。
こちらの記事では、『自己評価メソッド』で紹介されている、自己評価をよくする方 法を以下の4つのパートに分けてお話ししています。
- 自分を受け入れる
- 自分との関係を改善する
- 他人との関係を改善する
- 行動の仕方を改善する
前回は、「自分との関係を改善する」の中の、<自分が不完全であることを受け入れるための、具体的な4つの実践法>をお話ししました。
「自分は完全でなくてはならない」という思い込みがあると、完璧に物事をこなせなかったときに、「こんなこともできないなんて、私はダメな人間だ」と感じてしまい、「自分は劣っている」という感覚を持ってしまいます。
その感覚は、自己評価に悪影響を与えてしまうのです。
これを根本的に解決するには、自分が不完全であることを受け入れることです。
不完全さを受け入れれば、劣っているという感覚は和らぎ、まわりから劣っていると見られる不安も解消できます。
そのための具体的な方法として、以下の4つをご紹介しました。
実践法① 嘘をつかない
自分の不完全さを隠すために嘘をついても、恐れや不安はなくならず、根本的な解決にはなりませんね。
嘘をつかないことが、自分の不完全さを受け入れる第一歩なのです。
実践法② 自分が完全を求めていることに気づく
人は無意識のうちに「私は間違ってはならない、完璧にやらないといけない」などと、自分に対する要求が高くなっていることがあります。
そのような無理な要求をしていることに気づくことで、不完全であっても問題ない、と思い直すことができます。
実践法③ 自己主張訓練する
わからないことは「わからない」、できないことは「できない」と言える訓練をしましょう。
自分が不完全であることを認め、正直に話したほうが、相手からサポートしてもらえるなど、メリットは大きいといわれています。
実践法④ 自分の不完全さを受け入れると強くなれる、と知る
自分が不完全であることを認めていれば、相手からの指摘にも冷静に耳を傾けられ、「まわりから悪く思われていたら、どうしよう」という過剰な不安はなくなります。精神的な強さを手にできるのです。
前回の詳細はこちら
今回は、感情(気分)と自己評価との関係についてお話ししていきます。
自己評価と気分(感情)との関係とは
自己評価と気分との間には、相関関係がある
自己評価は、
「自分をどう見るか」
「自分についてどう考えるか」
だけの問題ではない、といわれています。
「自分について考えた時、どんな気持ちになるか」ということも、自己評価に含まれています。
感情の要素を抜きにして、自分を評価することはできないのです。
実際に、私達の<感情>や<気分>と、<自己評価>との間には相関関係がある、といわれています。
すなわち気分がよくなれば自己評価は上がり、気分が悪くなれば自己評価は下がるのです。
これとは逆に自己評価がよくなれば気分もよくなり、自己評価が傷つけば気分も沈んでしまうのです。
自己評価がもたらす気分への影響
自己評価がもたらす気分への影響に関して、自己評価のもろい人は、ストレスのかかる状況では、怒りや悲しみなどのネガティブな感情を抱きやすい、ということもわかっています。
また、低い自己評価は、うつ病をはじめとする「気分障害」の1つの症状である、と考える研究者もいるそうです。
一方で、よい自己評価を持っている人は「感情知性」が高いともいわれているそうです。
感情知性とは、自分や他人の感情に気づき、正確に把握することができる能力、また、いまの気分をよい方向へと持っていける能力などのことです。
よって、よい自己評価を持つ人は感情をうまく調整し、気分を切り替えることが上手なのですね。
低い自己評価がもたらす、<ネガティブな感情>と<悪い自己評価>との悪循環
感情のコントロールが上手な よい自己評価の人に対して、自己評価の低い人は、何かうまくいかないことが起こったとき、気分の切り替えができない、といわれています。
それどころか、ますます気分を悪化させていく傾向にあるのです。
- 対人関係がうまくいかないと感じるとき
→ 関係を改善しようとするのではなく、自分ひとりでくよくよ悩む - 失敗した、と感じるとき
→ 自分を励まして次の行動に結びつけるのではなく、自分を責めて、自分に価値がないと考える
このようなことを繰り返して、気分が沈み、そこからなかなか抜け出せなくなると、感情的にすり減り、
「自分には何もすることができない」
「何をしてもうまくいかない」
といった無力感に陥ることがあります。
無力感は自己評価を悪化させ、さらにその無力感に浸って行動しなくなれば、状況はいっこうによくなりません。
こうして、「悪い自己評価」から「悪い気分」、その「悪い気分」から「さらなる悪い自己評価」と、悪い気分と悪い自己評価は「悪い円環構造」にはまってしまうのですね。
こうした悪循環にはまった人は、ほんの少し気分が低下しただけで、日常のちょっとした問題を解決するのが難しくなったり、病気を再発しやすくなったりと、決して軽い影響では終わらない、と指摘をされています。
では、悪循環にはまることなく、自己評価と気分の関係を好循環に持っていくためにはどうすればいいのでしょうか。
次回は、気分をよくすることで自己評価もよくし、好循環に入るための実践法をご紹介していきます。
まとめ
- 自己評価は「自分について考えたときにどう感じるか」という感情の要素も含まれています。自己評価と気分には相関関係があるのです
- 自己評価のもろい人はストレス下でネガティブな感情を抱きやすく、反対に、よい自己評価の人は感情知性が高く、感情を切り替えることが上手といわれています
- 悪い自己評価から悪い気分が生まれ、その悪い気分はさらに自己評価を悪くし、無力感に陥ってしまいます。このように、悪い気分と悪い自己評価は「悪い円環構造」にはまってしまうのです
続きの記事はこちら
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