勉強会主催の みなみ です。
『自己評価メソッド』を通して、不安や恐れなどの生きづらさを解消するにはどうすればいいのか、そのための自己評価の高め方について、続けてご紹介しています。
今回はその11回目です。
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「最悪のシナリオを想像する・過去を受け入れる」ことで、自己評価はよくなっていく
『自己評価メソッド』は、フランスで人気の精神科医 クリストフ・アンドレ氏によって書かれました。
自己評価とはそもそもどんな要素から構成されているのか、
よい自己評価の利点、低い自己評価・高くてもろい自己評価の問題点とは何かということ、
悪い自己評価をよい自己評価にしていくためのメソッドが詳しく紹介されています。
こちらの記事では、よい自己評価の持つためのメソッドを4つのパートに分けてお話ししています。
- 自分を受け入れる
- 自分との関係を改善する
- 他人との関係を改善する
- 行動の仕方を改善する
前回は、1つ目のメソッド「自分を受け入れる」ための実践法の3番目(最悪のシナリオを考える)、4番目(過去を受け入れる)をお話ししました。
ミスをしてしまったとき、思うように事が進まなかったとき、あえて起こりうる最悪の事態を考えることで、たいていの場合は、「自分はほとんど起こり得ないことを心配していた」を気づけて、冷静さを取り戻し、現状を受け入れることができます。
仮にその最悪の事態に陥る可能性があったとしても、あらかじめ想定して、新たな解決策を見つられれば、安心することができるのですね。
これが3番目の実践法です
4番目の実践法は「過去を受け入れる」です。たとえやりたいと思ったことがあっても、「過去にこんな嫌なことがあったから、やっぱりやめよう」となっては、自己評価をよくする機会を失ってしまいます。
反対に、「過去にはこんなことがあったけれど、それはいまでは良い教訓になっている。あの経験があったからこそ、自分の生き方がよりよくなった」と過去を受け入れていれば、自己評価をよくしていけるのですね。
特に深刻な心的外傷を伴う過去は、セラピストや心療内科医など、専門家の方のサポートを受けること、
深刻な心的外傷を伴わない過去であれば、自分一人でもできる過去を受け入れる方法として「ジャーナリング」を実践することをご紹介しました。
詳細はこちら(前回の記事)
今回から、自己評価をよくするメソッドの2番目「自分との関係を改善する」をお話ししていきます。
「自分との関係を改善する」前提は、自分を批判しないこと
1つ目のメソッド「自分を受け入れる」ことが少しずつできるようになれば、次のステップは「自分との関係を改善する」ことです。
自分との関係を改善するには、「自分を批判しない」ことが前提となります。
自分に対して厳しすぎる判断を下してしまい、自分を責めてしまうこと、自分を批判することはないでしょうか。
そのように厳しすぎる基準で自分を批判していては、自分との関係を改善することはできません。
なぜ私達は自分を批判してしまうのでしょうか。またその結果、どんな事態になるのでしょうか。
自分を批判する理由、自分を批判することの問題点
実は「他の人は自分をこう見るだろう」という目で見て、判断している
自分を厳しく批判する何よりの理由とは、自分を見る目が自分の目ではなく、自分に対する判断が自分の判断ではないから、といわれています。
つまり、自分を判断するとき、私達は他の人の目、「他の人は私をこう見て、私をこう判断するだろう」というやり方で判断しているのです。
その結果、自分を冷静に理解しようとできずに、たいていの場合、厳しく判断してしまうのですね。
なぜ他の人の目で自分を判断してしまうのかといえば、これまで他の人の厳しい批判にさらされてきたことが原因の1つに挙げられるでしょう。
たとえば親から「これができれなければならない」と要求され、「こんなことをしてはならない」と厳しく叱責されてきたならば、自ら自分を判断するときも、親の目線というのを意識するようになるでしょう。
他人の見方・他人の言葉が、自分の言葉・自分の見方として取り込まれていくのです。
それは「私は他の人から見て、完璧でなければならない」という自己評価のゆがみへとつながってしまうのですね。
「自分に厳しい」ことを立派なことだと考えている
自分を批判するもう1つの理由が、「自分に厳しい」のは立派なことだと考えていることにあります。
「あの人は自分に厳しい」などの言葉は、褒め言葉として使われていますね。自分に厳しいことは、人格者の特徴とも思われているでしょう。
しかし、いついかなるときも自分に対して容赦なく厳しさを用いるとしたら、問題のほうが大きい、と指摘されているのです。
その問題とは、自分に厳しくしすぎれば、「自分は満足にできること、うまくできることは何1つない」と思い込み、「どうせ駄目なんだから、何をしても無駄だ」と思わせて、行動する気力を奪ってしまうことです。
それでもなんとか行動したとしても、もし失敗でもすれば「こんな失敗をするなんて。やっぱり私はダメな人間だ」と批判して、自己評価を傷つけてしまうのですね。
自分を批判して落ち込むばかりでは、失敗から学ぶこと、自己を向上させることもできないでしょう。
自己批判と自己評価との関係
自分に厳しくすること、すなわち「自分を見つめ、悪いところを反省すること」も大切です。それができれば自己を向上させることもできますね。
しかし「自分の悪いところだけを見て、自分をダメな人間だと思う」のであれば逆効果であり、それでは自己評価をよくし、自己を向上させることはできません。
いまの自分を認めることなく、厳しすぎる視線を向け、「まだ足りない」「もっと上を目指せ」と駆り立て、その要求に応えられないとなれば、自己評価は下がってしまいます。
たとえがんばり続けたとしても、要求に応え切ることはできないため、自己評価は上がらず、ストレスを抱え込むことになってしまうのです。
心理学の研究でも、「強く自分を批判する」人は、小さなことでイライラしたり、不安になったり、不機嫌になったりすることが多い、とわかっているそうです。
またストレスに弱く、ちょっとした障害にぶつかるとすぐに「こんなことはできるはずがない」と投げ出してしまう傾向にある、ともいわれています。
これでは自己評価によい影響がもたらされるとは、とてもいえないでしょう。
それでは自分を批判することなく、自分との関係を改善する一歩を踏み出すには、どうすればいいのでしょうか。
次回、自分を批判しないための実践法をご紹介していきます。
まとめ
- 自己評価をよくするメソッドの2番目が「自分との関係を改善する」ことです。自分との関係改善の前提となるのが「自分を批判しない」こと、といわれています
- 自分を批判する理由として、以下の2つが教えられています
- 「他の人は自分をこう見るだろう」という目で見て、判断している-
他者の厳しい言葉を取り込んできた結果、他の人の目で見るかのように判断し、たいていの場合、自分を厳しく判断をしてしまいます - 「自分に厳しい」ことを立派なことだと考えている-
「自分に厳しい」ことは褒め言葉として使われていますが、いついかなるときでも自分に厳しくすれば、行動する気力を失い、自己評価を傷つけ、失敗からも学ばなくなります
- 「他の人は自分をこう見るだろう」という目で見て、判断している-
- 自分を見つめ、悪いところを反省することも、自己改善・自己成長には欠かせません。しかし悪いところだけを見て自分に厳しくしすぎれば、自己を向上させることはできないのです
続きの記事はこちら
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