勉強会主催の みなみ です。
『自己評価メソッド』を通して、不安や恐れなどの生きづらさを解消するにはどうすればいいのか、そのための自己評価の高め方について、続けてご紹介しています。
今回はその12回目です。
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自己評価を傷つける「自己批判」をしてしまう理由とは?
『自己評価メソッド』は、フランスで人気の精神科医 クリストフ・アンドレ氏によって書かれました。
自己評価とはそもそも何か、どんなものから構成されているのか、
自己評価を悪くする原因である“ゆがみ”とは何かということ、
そして、自己評価をよいものにしていくためのメソッドが詳しく紹介されています。
こちらの記事では、よい自己評価を持つためのメソッドを4つのパートに分けてお話ししています。
- 自分を受け入れる
- 自分との関係を改善する
- 他人との関係を改善する
- 行動の仕方を改善する
前回は、メソッドの2番目「自分との関係を改善する」ための前提についてご紹介しました。
自分を受け入れることができた後のステップは「自分との関係を改善する」ことであり、そのための前提が「自分を批判しない」ことといわれています。
自分を厳しすぎる基準で判断し、自分を批判すれば、自分との関係を改善することはできませんね。
自分を批判する理由としては、
これまで他の人の厳しい批判にさらされた結果、「他の人はこう見てるだろう」という目で見てしまうこと、
そして、「自分に厳しい」ことを立派なことだと考えていることが挙げられています。
しかしそうして自分に厳しくしすぎれば、「何をしてもうまくいかないだろう」と行動する気力が奪われ、失敗すれば自分をダメな人間だと思い、自己評価が傷ついてしまうのです。
自分の高すぎる要求に応えられないことに対してのストレスを抱え、生きづらくもなってしまうでしょう。
自分を批判する理由、自己評価への影響に関する詳細はこちら(前回の記事)

それでは自分を批判することなく、自分との関係を改善するにはどうすればいいのでしょうか。自分を批判しないための実践法をご紹介します。
自分を批判しないための実践法-自分に好意的になって公平な見方をする
『自己評価メソッド』で紹介されている自分を批判しないための実践法を、以下の3つに分けてお話していきます(今回は1番目について)。
- 自分に好意的になって公平な見方をする
- 事実と解釈を区別する
- すぐに効果が表れることを期待しない
①自分に好意的になって公平な見方をする
自分を批判しないために何より大切なのは、
「自分に好意的になること」、そして
「公平な見方をする」ように心がけること、といわれています。
自分の悪いところ、いたらないところばかりを問題にし、「だから私は駄目なんだ」という見方は公平ではなく、好意的でもありませんね。
欠点や弱点、失敗だけでなく、自分の長所やできているところにも目を向けるようにしてこそ、公平な見方、好意的な態度といえるでしょう。
これは「自分の悪いところを認めない」ということではありません。それでは公平な見方ではなく、盲目的になってしまいますね。
自分の失敗や限界、できていないところは認めて、受け入れる(それが、よりよく変わることの一歩になります)、
しかし「だから自分は悪い人間だ」と断罪しない、「私には長所もある」と見るのが、自分を批判せずに好意的になる、ということです。
公平な目で見て、自分に好意的になる2つのポイント
自分を公平な目で見て、自分に好意的になる2つのポイントをご紹介します。
ポイント①「自分のことは自分がいちばんよく知っている」と思わない
自分を批判するとき、自己評価の低い人は、「自分のことは自分がいちばんよく知っている。だからこの批判は間違いない」と思う傾向にあり、自己批判の内容は正しいと思い込んでしまいます。
しかし自己評価の低い人は自分を相対的に見ることができず、短所や弱点を大きなものとして捉えていて、自分の一部しか知らない、と指摘されています。
ゆえに「自分のことは自分がいちばんよく知っている」という思いに疑いを持ち、「いいところも悪いところも含めて、自分は自分のことが見えていないのではないか。見方が偏っているかもしれない」と考えることで、自分に対してもっと公平な見方ができるようになるのです。
ポイント② 他の人に対する時のように言う
自分にとって大切な人のあやまちを指摘しなければならないとき、あなたならどのような言い方をされるでしょうか。
頭ごなしに「お前はバカだ」とか「お前はダメだ」という言い方はされないですよね。大切な人であるほど、感情的に責めるような言い方はしないでしょう。
決めつけたり、レッテルを貼ったりするのではなく、
「あなたはいい人だと思う。〇〇や△△などは、とてもよくやってくれている。でもこれについてはよくなかったんじゃないかな」というような言い方をされるのではないでしょうか。
こういう場合は、指摘の言葉は人格全体に関わるものではなく、ある事柄に関連した具体的なもの(人格全体ではなく行為)になりますね。
仮に自分が指摘をされるとすると、「お前はダメだ」と言い放たれれば、とても聞く耳を持つことはできないでしょう。反発して言い返すか、ショックを受けて自分に「ダメな人」という烙印を押してしまいますね。
そうではなく「この次は気をつけてね」と言われれば、しっかりと聞く耳を持ち、自分の行いを冷静に振り返って、悪かったところは認め、言動を改めようとするでしょう。
これは自分で自分を指摘する場合も同じです。
自分の人格を否定するような言い方はやめて、「私は決してダメな人間ではない。でもこれに関してはよくなかった。失敗を認めて、次回からは気をつけよう」というように、自分に語りかけてみてください。
次回は、自分を批判しないための実践法の2つ目、3つ目をご紹介していきます。
まとめ
- 自分との関係を改善するための前提が「自分を批判しない」ことです。自分を批判しないために何より大切なのが「自分に好意的になる」「公平な見方をする」ことと教えられています
- 公平な見方とは、自分の悪いところばかりに目を向けるのではなく、長所やできていることも認めることです。それは「自分の欠点には目をつぶる」ということでもなく、できていないところは認めて受け入れる、だからといって「私はダメな人間だ」と断罪しないことです
- 公平に見て、自分に好意的になるポイントを2つ、ご紹介しました
- 「自分のことは自分がいちばんよく知っている」と思わない-
自己評価の低い人ほど自分への批判が正しいと思い込んでしまいますが、その批判はあくまで自分の一部に対してのものでしかない、と考えてみましょう - 他の人に対する時のように言う-
大切な人への指摘は人格全体に対する感情的なものではなく、具体的な行為に対してものになるはずです。自分に対しての指摘も、他人に対してのと同じように人格を否定するものではなく、行為に注目するものにしていきましょう
- 「自分のことは自分がいちばんよく知っている」と思わない-
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