自己評価の高い人と、低い・高くてもろい自己評価の人との決定的な違いとは-生きづらさを解消する 自己評価メソッド7

勉強会主催の みなみ です。

『自己評価メソッド』を通して、不安や恐れなどの生きづらさを解消するにはどうすればいいのか、そのための自己評価の高め方について、続けてご紹介しています。

今回はその7回目です。

自己評価メソッド―自分とうまくつきあうための心理学

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自己評価は誰でもよくすることができる!そのための3つの心得

『自己評価メソッド』は、フランスで人気の精神科医 クリストフ・アンドレ氏によって書かれました。

自己評価とは、「自分についてどう思うか」そして「他人からどう見られていると感じるのか」の2つから成り立っているといわれています。

自分のことを価値ある存在だと思えれば、また人から愛されていると感じることができれば(よい自己評価を持てれば)、積極的に行動でき、適切に自己主張もでき、思いやりを持って人に接することができ、たとえ失敗しても自分の人生をよくしてくれる経験だと捉えることができます。

反対に自己評価が低かったり、内心は人から低く見られることへの恐れがあったりすれば(低い自己評価、高くてもろい自己評価を持っていれば)、行動や自己主張を避けたり、あるいは人に対して攻撃的な態度をとって、自分の失敗を認めず人のせいにしたりしてしまい、ますます自己評価は悪い方へ向かいます。

そうなればネガティブな感情を多く抱き、生きづらさを感じ、精神的な障害につながってしまいかねないのです。

ではこのような問題のある自己評価をよくすることはできるのかについて、

前回、精神医学の研究からも自己評価はよくすることができること、また、自己評価を高めていくときの3つの心がけ及び注意点をお話ししました。

詳細はこちら(前回の記事)

自己評価は誰でも高めることができる!自分を変えるときの3つの心がけ・注意点-生きづらさを解消する 自己評価メソッド6
勉強会主催の みなみ です。 『自己評価メソッド』を通して、不安や恐れなどの生きづらさを解消するにはどうすればいいのか、そのための自己評価の高め方について、続け...

自己評価は過去からの影響を受けていますが、すべてが過去によってつくられたものではないこと、

突然自分の中で何かが変わることはなく、毎日の少しずつの自己評価メソッドの実践が不可欠であること、

自己評価をよくする目的は、誰か別の人間になることではなく(別の人になることはそもそもできないですね)、今までどおりの自分でいて、少し生きやすくなることであるとお話ししました。

今回から、よい自己評価を形成していくメソッドをお話ししていきます。

よい自己評価を形成するメソッド① 自分を受け入れる

よい自己評価を形成していくための方法を、以下の4つのパートに分けてご紹介します。

  1. 自分を受け入れる
  2. 自分との関係を改善する
  3. 他人との関係を改善する
  4. 行動の仕方を改善する

最初のメソッドは「自分を受け入れる」ことです。

よい自己評価の人と、低い・高くてもろい自己評価の人との違いとは?

よい自己評価を持つ人というのは、みんな頭がよくて、容姿も優れ、幸せな子供時代を過ごした人ばかりなのでしょうか。

決してそうとは限りませんね。

よい自己評価を持つ人にも欠点があり、成功することもあれば失敗をすることもあります。自分の能力や生き方に対して不安を感じ、自分が弱い人間だと思うこともあるでしょう。

では、よい自己評価の人と、低い自己評価・高くてもろい自己評価の人との違いは何なのでしょうか。

それは、よい自己評価の人は、欠点や失敗、自分に対する不安や弱さといったものすべてを受け入れていることにある、といわれています。

失敗すれば、誰でも傷つきますが、よい自己評価の人は、その失敗も受け入れ、力に変えることができます。
「欠点があるのが自分だ」と受け入れているので、人から間違いを指摘されても、それを素直に認め、改善しようと努力できるのです。

失敗を恐れたり、間違いを認めようとしなかったり、欠点に固執してしまったりする人とは根本的に異なるとわかります。

この「自分を受け入れる」ことについては誤解があるともアンドレ氏は指摘されています。その誤解を2つ、お話しします。

自分を受け入れることの誤解① 自分を受け入れる=あきらめ、開き直り

自分を受け入れるのは、

「欠点のあるのが自分」
「失敗するのが自分」
「間違いを犯すこともあるのが自分」

と認めることです。

そう聞くと、「受け入れること=仕方がないとその状況に甘んじること、開き直ること」と感じるかもしれません。

しかしどうすることもできないとあきらめることでも、自己正当化することでもなく、「問題がある」と認めることは、「変わること」へのステップであるのです。

自分を受け入れることで変わることが容易になることは、心理学的研究・調査による数多くのデータでも示されているそうです。

「自分のことが恥ずかしい」「自分は完璧でなければならない」と思っていては、真に変わることはできないでしょう。

問題のあることを素直に認め、それに真正面から立ち向かうこと。それが受け入れることであり、変わることへの一歩を踏み出したことになるのです。

自分を受け入れることの誤解② 自分を受け入れる=劣った人間と認める

特に自己評価の低い人は「自分を受け入れる」と聞くと、「自分を抑えて、相手や状況に合わせる」ことや、「自分が劣った人間だと認める」ことだと思ってしまいます。

しかしこれらはともに誤りです。

「自分を受け入れる」とは、「自分を抑えて、相手や状況に合わせる」のではなく、「その事実があると認める」のであり、その上で自分にできることを考え、行動に移すことです。
事実に対して目をつむることは受け入れているのでなく、現実逃避をしているのですね。

また、「自分が劣った人間だと認める」ことではなく、「自分の劣った点を認める」ことが自分を受け入れることです。

すべてにおいて劣っている人はおらず、誰にでも優れている点、長所は多くあります。そのできているところを認めた上で、劣った点も認める。そうすれば気持ちも楽になり、変わることにも前進できるのです。

さらに言えば、自分を受け入れるとは、「たとえ劣った点があっても、自分には人間としての価値がある」と納得し、確信することをいいます。

その確信が根底にあれば、自分自身に対しても周囲に対しても、むやみに怒ったり悲しんだりしないですみます。
自分の劣った点にいつまでもこだわって落ち込んだり、あるいは周りの人にいらついて当たったりしなくなるのですね。

また「自分を受け入れる」とは、「自分の使い方がうまくなること」ともいわれています。
一つの思考、偏った考えにこだわって、身動きが取れない状態に陥るのではなく、自分や周囲の状況を俯瞰的に見て、もっと柔軟に考え、行動できるようになることともいえるのです。

 

次回からは、自分を受け入れることの利点・受け入れないことの問題点、また、自分を受け入れるための実践法をご紹介していきます。

まとめ

  • よい自己評価の人と、低い自己評価・高くてもろい自己評価の人との違いは、自分を受け入れているか、いないかです。自分を受け入れることができれば、欠点・失敗も認め、間違いへの指摘を素直に聞き、改善しようと努力ができるのです
  • 自分を受け入れることに対しての誤解を2つ、お話ししました
    1. 自分を受け入れる=あきらめ、開き直り
      -自分を受け入れることはどうにもならないとあきらめたり、開き直ったりすることではなく、問題を素直に認め、それに真正面から立ち向かうこと=変わることへの一歩 なのです
    2. 自分を受け入れる=劣った人間と認める
      -誰にでも長所はあり、劣った人間はいません。できているところを認めた上で、劣った点も認めることが、自分を受け入れることです

続きの記事はこちら

自分を受け入れることのメリット・受け入れないことの問題点、自分を受け入れる最初のステップ-生きづらさを解消する 自己評価メソッド8
勉強会主催の みなみ です。 『自己評価メソッド』を通して、不安や恐れなどの生きづらさを解消するにはどうすればいいのか、そのための自己評価の高め方について、続け...

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コンテンツブッダと自己評価の心理学
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この記事を書いた人
南 雄一郎

2011年 金沢大学工学部 卒業

大学では機械工学を専攻するなか、悩み解消のヒントや生きる指針を教える仏教に強い関心を持ち、仏教講演会に多数参加しました。

また大学卒業後は仏教と親和性のある心理学にも興味を持ち、独学で学びました。

現在は東京都内でライターをしながら、対人関係の悩みを解消し、自立した生き方の実現を目的とした 仏教×心理学のワークショップを開催しています。

自主開催のワークショップは累計750回以上。

2018年 新潟県キャリアセンター様主催 キャリアコンサルタント フォローアップセミナーにて講師をつとめました。

NPC法人HMC協会 認定心理カウンセラー(セルフ資格) 。

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