良好な人間関係を築くには?最大のポイントは“差別をなくす”-箱の心理学に学ぶ 人間関係の悩み解決のメソッド12

勉強会主催の みなみ です。

ベストセラー書『自分の小さな「箱」から脱出する方法』を通して、人間関係の悩みを解消するメソッドをご紹介しています。

自分の小さな「箱」から脱出する方法

今回はその12回目です。

記事の内容を動画でもご紹介しています

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あらゆる人間関係の問題の原因と解決法を教えた人気シリーズ・第一作

『自分の小さな「箱」から脱出する方法』は、世界で150万部を売り上げている「箱の法則」シリーズの第1作です。

この本には、あらゆる人間関係の悩みの原因は「箱」に入っていることであり(箱とは自己欺瞞や、自己正当化の心のこと)、箱から脱出することで人間関係の問題を根本から解決できると教えられています。

これまで、箱から脱出するための4つの要素

箱から脱出する4つの要素とは?-箱の心理学に学ぶ 人間関係の悩み解決のメソッド6
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相手を箱から脱出させるためのルール「和平のピラミッド」

人間関係を劇的に改善するルール「和平のピラミッド」とは-箱の心理学に学ぶ 人間関係の悩み解決のメソッド10
勉強会主催の みなみ です。 ベストセラー書『自分の小さな「箱」から脱出する方法』を通して、人間関係の悩みを解消するメソッドをご紹介しています。 自分の小さな「...

についてご紹介してきました。

そして前回は、和平のピラミッドにおける守るべき3つの教訓について詳しくお話ししました。

前回の記事はこちら

問題解決のヒントは下の階層にあり?和平のピラミッドの3つの教訓-箱の心理学に学ぶ 人間関係の悩み解決のメソッド11
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箱の法則について最後の記事となる今回は、和平のピラミッドの3番目のステップ「関係を築く」ためには具体的にどんなことをすればいいのかを、仏教の観点からご紹介します。

他者と良好な関係を築く2つのメソッド① 差別をなくす

他者と良好な関係を築くための前提条件が、「差別をなくす」ことです。

他者と良好な関係を築くには、自分自身が重要な存在であるのと同じように、他人も重要な存在だと考えなければなりません。

相手が差別があると感じれば、自分を大切に扱ってくれていないと思います。それではどんな行為をされたところで、心の溝が埋まることはないのですね。

「箱の法則」シリーズの新作である『管理しない会社がうまくいくワケ』ではこう指摘されています。

母親が自分には許していることを、子どもには許さないといった特別ルールをしている場合、その母親が子どもの考え方をよい方向に導くことはできないだろう。

なぜなら、親にだけ寛容なルールは、子どもに「ママは僕たちより自分のほうが大事な存在だと思っている」というメッセージを送ることになるからだ

その結果、子どもは母親にもルールにも反抗心をもち、憤りを感じることさえある。

たとえ親であっても、自分にだけ有利な、寛容なルールは、子供に差別を感じさせ、「大事にされていない」と思わせてしまいます。

それでは、子供は反感を抱き、憤りさえ感じさせてしまうことがあるのです。

ゆえに、親が子供とできる限り同じルールのもとで暮らし、約束事を守るようにする。そうすれば、子供たちとの関係もうまくいきます

これは上司と部下、先輩と部下との関係でも同じです。自分を特別扱いするようなルールではなく、なるべく平等のもとで関係を構築していくことが大切なのですね。

世界一の富豪でありながら、公平なルールを重視していた

差別をなくすということで想起されるのが、ウォルマートの創業者であるサム・ウォルトンです。

ウォルトンはアメリカ・フォーブス誌で1985年に世界一の富豪に名指しされ、さらに死ぬまでその地位を保持したほどの人物でしたが、金や地位を重要視していなかったといわれます。

ウォルトンがほかのなによりも大切にしてきたのは、人々、人間だったのです

このようなエピソードが伝わっています。

創業して間もない頃、

ウォルトンは土曜日も出社すると言い張った。
週末も勤務につかなければならない店員との公平をはかるためだ

そのうえ、彼は従業員の誕生日や記念日のことまでことこまかに覚えており、レジ係の母親が胆のうの手術をすることさえ知っていた

重役たちが高級車を運転することを強く非難し、専用ジェット機の利用に長年抵抗した。

平均的なアメリカ人がそうしたものをもっていないのなら、庶民のための闘士である自分たちもまた、そんなものをもつべきではない、と。

(『WHYより始めよ!』より引用)

世界の富豪の中でもトップに立ちながら、社員との公平なルールのもとで生活をしようとし、さらに従業員一人ひとりに対しても“人”として見て、大切に接していたのですね。

ウォルトンほどの人が(ウォルトンほどの人だからこそ、ともいえますが)公平なルールを重視し、差別ををなくそうとしていたのに、自分はどうか、ちょっとしたことで自らを特別扱いしていなかったかと反省させられます。

他者に守るよう要求していることを、果たして自分もしっかりと守れているかどうか、常に振り返っていきたいですね。

元手なし!良好な関係が築かれる七つの施し

最後に紹介したいのが、仏教で説かれている「無財の七施」です。

無財の七施とは、財が無くてもできる七つの施し他者への貢献親切)のことです。

実行すれば、相手と良好な関係が築かれ、相手も自分も幸せになれる行為であるため、お釈迦様はおおいに実行を勧められています。

まず差別をなくし、次にぜひこの無財の七施を実行してみてください。無財の七施は元手はいらず、心がけさえあれば、すぐにでも実行できます。

詳しくはこちらをご覧ください

元手なし!誰でもできる、仏教で説かれる7つの他者貢献とは?
アドラー心理学では、他者貢献感を持つことが進められています。 他者貢献感とは「私は他人の役に立てている」と感じている状態のことです。 アドラーが 自分に価値があ...

 

今後、人間関係で行き詰まったとき、

自分は箱に入っていないだろうか、
自分を特別扱いしていないだろうか、
相手を物として見ていないだろうか

と振り返って、箱から脱出する方法を思い出し、実行に移して問題の解決につなげていただければ幸いです。

まとめ

  • 「箱の法則」では、あらゆる人間関係の悩みの原因は、自分が「箱」に入っていること(自己欺瞞に陥っている、自己正当化している)だと教えられています
  • 相手を箱から脱出させるには、和平のピラミッドの段階を踏むことが必要です。その三番目に当たるのが「関係を築く」こと、相手と信頼関係を築くことです
  • 相手と良好な関係を築くには「差別をなくす」ことが勧められています。「自分は許されるけれど、相手は許されない」という自分に有利なルールを設けると、相手は「大切に扱われていない」と感じ、心の溝ができてしまいます
  • 世界一の富豪にも名指しされたことのあるウォルマートの創業者 サム・ウォルトンは、その立場にかかわらず、できる限り店員との公平をはかろうとしました。従業員一人ひとりを“人”として見て、大切に接していたのです

引用した書籍

自分の小さな「箱」から脱出する方法 ビジネス篇 管理しない会社がうまくいくワケ

WHYから始めよ! インスパイア型リーダーはここが違う

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コンテンツブッダと「箱」の法則
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この記事を書いた人
南 雄一郎

2011年 金沢大学工学部 卒業

大学では機械工学を専攻するなか、悩み解消のヒントや生きる指針を教える仏教に強い関心を持ち、仏教講演会に多数参加しました。

また大学卒業後は仏教と親和性のある心理学にも興味を持ち、独学で学びました。

現在は東京都内でライターをしながら、対人関係の悩みを解消し、自立した生き方の実現を目的とした 仏教×心理学のワークショップを開催しています。

自主開催のワークショップは累計750回以上。

2018年 新潟県キャリアセンター様主催 キャリアコンサルタント フォローアップセミナーにて講師をつとめました。

NPC法人HMC協会 認定心理カウンセラー(セルフ資格) 。

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