外向き思考のラスト・ステップ「及ぼした影響に責任を持つ努力を怠らない」-ブッダと「箱」の法則に学ぶ 外向き思考11

心理学&仏教ワークショップ主催の みなみ です。

このブログでは、ワークショップの内容を少しずつご紹介しています。

今回は、「劇的な変化を起こす“外向き思考”」の11回目(最終回)です。

※『管理しない会社がうまくいくワケ』を参考にお話ししています

自分の小さな「箱」から脱出する方法 ビジネス篇 管理しない会社がうまくいくワケ

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2つのマインドセットと、外向き思考への3つのステップ

外向き思考と内向き思考

外向き思考とは、マインドセット(=物事の見方、考え方)の1つです。

それは、「他者のニーズや目的に関心を持ち、他者を理解しようとする」という見方です。いわば人を“人”として見ているマインドセットですね。

これとは反対のマインドセットが内向き思考です。

内向き思考は、他者のニーズや目的には関心がなく、自分のニーズを満たしてくれるかどうかで他者を判断し、うまく利用しようとしたり、邪魔者扱いしたりするマインドセットです。
これはいわば人を“物”として見ているといえます。

内向き思考は対人関係でも組織内でも状況の悪化を招いてしまいます。

反対に外向き思考であれば、他者との関係は良好になり、組織も業績が上向いていくのです。

私達の感覚としても、自分を物として見ている人とはとても仲良くなれないと思いますし、かけがえのない人として見てくれる人はこちらも相手を尊重し、良い関係を築けると思いますよね。

しかし私達はどうしても自己中心的になりがちで、放っておくと自分のニーズを優先する内向き思考になってしまいます。

外向き思考ための3つのステップ

ではどうすれば外向き思考になれるのか。そのための3つのステップがあることを続けて紹介しています。

そのステップとは

  1. 相手のニーズ・目的・課題に目を向ける
  2. 相手の役に立つよう適した努力をする
  3. 相手に与えた影響を評価する

の3つでした。

まず大切なのは相手のニーズ・目的・課題に目を向けることです。相手のニーズを知らずして、相手と良好な関係を築くことはできませんね。

また、内向き思考にはまって抜け出せなくなっているときも、相手の事情を知ることで、これまでの考え方がガラッと変わって、スッと外向き思考へ踏み出すこともできます。

そして、その上で大切なのが相手の役に立つよう適した努力をし、さらに本当に相手に役立っているかを評価することです
自分では役立てているつもりでも、ありがた迷惑になっていれば、残念な結果を招いてしまいます

前回は、相手に与えた影響を評価することの大切さを示す、チャールズ・ジャクソン弁護士の例をご紹介しました。

前回の記事はこちら

ある弁護士が取った外向き思考による行動とは?-ブッダと「箱」の法則に学ぶ 外向き思考10
心理学&仏教ワークショップ主催の みなみ です。 このブログでは、『管理しない会社がうまくいくワケ』を参考にした「劇的な変化を起こす“外向き思考”」の内容を少し...

チャールズさんは、個人的に契約をしていた2人のクライアントからクレームを受けました。

それについてチャールズさんは真摯に対応し、両者に与えた影響を考えた上で、なんと、受け取った報酬を返却したのです。

さらにチャールズさんの行動はこれにとどまりませんでした。

チャールズ・ジャクソン弁護士の取り組み「及ぼした影響に責任を持つ努力を怠らない」

チャールズさんは以下のような行動を取ったのです。

その年の5月に費用を返却したチャールズは、その後も彼らと定期的に連絡をとることで、自分がクライアントに及ぼした影響を追跡調査しはじめ、自分の仕事が相手の期待に応えているか、あるいは期待以上の結果をもたらしているか確かめた

(『管理しない会社がうまくいくワケ』より引用)

いったん費用を返却したのち、クライアントに及ぼした影響を続けて調査をしたのですね。

自分のニーズしか関心のない内向き思考の人なら、そもそもクレームにろくに対応せずに、報酬を返そうとはせず、さらには与えた影響の追跡調査など決してしないでしょう。

しかしチャールズさんは外向き思考にもとづき、与えた影響の評価を怠らなかったのですね。

すると、クライアントたちが自分の友人や知人にチャールズさんのことを「正直で誠実な弁護士」と紹介するようになったのです

そのことにより、そのはじめの月には1週間に7件の依頼がチャールズさんのもとに入りました。

さらにその4ヶ月後には1週間に13件の依頼を受けるようになり、翌年には独立するまでになったのです

なぜこのような素晴らしい結果がもたらされたのかといえば、

こうなったのはすべて、チャールズがクライアントに及ぼした影響を常に追跡調査し、それに責任を持つ努力を怠らなかったからにほかならない

(『管理しない会社がうまくいくワケ』より引用)

からですね。

相手のニーズを知り、それが満たさせるよう努力し、さらにその影響に責任を持つようにする。
それはとても大変なことですが、相手と良好な関係を築けるだけでなく、その良い影響は相手の周りの人へも及ぶことがわかります。

外向き思考になれるよう、まず相手のニーズを知り、相手をひとりの人間として理解することから始めていきたいですね。

まとめ

  • 他者のニーズに関心を持ち、人を“人”として見ているのが「外向き思考」、自分のニーズにのみ関心があり、人を“物”として見ているのが「内向き思考」です。内向き思考は他者との関係の悪化を招きます。外向き思考であれば他者との関係も良好になり得るのです
  • 外向き思考になるための3つのステップが、以下のものです
    1. 相手のニーズ・目的・課題に目を向ける
    2. 相手の役に立つよう適した努力をする
    3. 相手に与えた影響を評価する
  • ステップの3つ目「相手に与えた影響を評価する」について、弁護士のチャールズさんはクライアントから受けたクレームに対して、両者に与えた影響を考え、受け取った報酬を返還されたのです。さらにその後もクライアントに定期的に連絡を取り、自分が及ぼした影響の追跡調査をされました
  • やがてクライアントたちが知人や友人にチャールズさんのことを紹介するようになり、多くの依頼がチャールズさんのもとへ舞い込み、独立をするまでになりました。相手に与えた影響を調べ、それに対して責任を持つ努力が実を結んだといえます

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この記事を書いた人
南 雄一郎

2011年 金沢大学工学部 卒業

大学では機械工学を専攻するなか、悩み解消のヒントや生きる指針を教える仏教に強い関心を持ち、仏教講演会に多数参加しました。

また大学卒業後は仏教と親和性のある心理学にも興味を持ち、独学で学びました。

現在は東京都内でライターをしながら、対人関係の悩みを解消し、自立した生き方の実現を目的とした 仏教×心理学のワークショップを開催しています。

自主開催のワークショップは累計750回以上。

2018年 新潟県キャリアセンター様主催 キャリアコンサルタント フォローアップセミナーにて講師をつとめました。

NPC法人HMC協会 認定心理カウンセラー(セルフ資格) 。

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