ある弁護士が取った外向き思考による行動とは?-ブッダと「箱」の法則に学ぶ 外向き思考10

心理学&仏教ワークショップ主催の みなみ です。

このブログでは、『管理しない会社がうまくいくワケ』を参考にした「劇的な変化を起こす“外向き思考”」の内容を少しずつご紹介しています。

自分の小さな「箱」から脱出する方法 ビジネス篇 管理しない会社がうまくいくワケ

今回は、その10回目です。

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2つのマインドセットと、外向き思考への3ステップ

「外向き思考」のマインドセット

「外向き思考」は、マインドセット(=ものの見方、考え方)の1つです。

それはどのようなマインドセットかというと、「他者のニーズや目的に関心を持ち、相手を理解しようとする」考え方です。いわば相手を“人”として見ている、ということですね。

日頃の言動が気に入らなくてイライラし、嫌悪感を抱いている相手に対し、ふと、その人が実は大きな苦しみや悩みを持っていることを聞いたり見たりしたとき、どんな気持ちになるでしょうか?

「あ、この人には実はこんな事情があったのか。だからあんな態度を取っていたのか。自分がこの人と同じ立場だったら、確かに同じようなことをやってしまうな」というような気持ちになるかもしれません。

日頃、自分にキツく当たってくる人は、実は自分の成長を願ってくれているとわかれば、それまでと同じ言動がまったく違って見えてくることもあるでしょう。
そして、この人のためにがんばろう、少しでもこの人の助けになるように努力しよう、という思いさえわいてくるのではないでしょうか。

「内向き思考」のマインドセット

この「外向き思考」と反対のマインドセットが「内向き思考」です。

他者のニーズや目的に関心を持つ外向き思考とは違い、内向き思考は他者のニーズや目的には関心がなく、関心があるのは自らのニーズや目的のみです。

ゆえに相手を自分のニーズや目的を満たしてくれるかどうか、役に立つかどうかで判断するのです。これはいわば相手を人ではなく“物”として見ている状態ですね。

自分が物として見られて嬉しい人はいないでしょう。
いくら外面が良くても、内心、自分を利用しようとしたり、邪魔者扱いしたりしているような人は、長く接すれば接するほどその人の心がわかるようになり、印象はどんどん悪くなるでしょう。

このようなマインドセットでは、他者と深く良好な関係を築くことはできませんね。

しかし私達自身がどうしても自分中心で物事を考えてしまい、内向き思考に陥りがちです。

外向き思考のための3つのステップ

ではそんな私達が外向き思考へと踏み出すにはどうすればいいのでしょうか?

そのための3つのステップが、以下のように教えられています。

  1. 相手のニーズ・目的・課題に目を向ける
  2. 相手の役に立つよう適した努力をする
  3. 相手に与えた影響を評価する

まず最も大事なことが、「相手のニーズ・目的・課題に目を向ける」ことですね。

相手の内情がわかるだけでも、誤解が解消され、相手のことがこれまでとは大きく違って見えることがあります。相手を知る努力が必要なのですね。

前回まで、内向き思考から外向き思考へと変化したことをきっかけに、深刻な業績悪化から回復したフォード・モーターの例をご紹介していました。

前回の記事はこちら

“君自身は赤じゃないよ”フォードの財政難を救った施策とは?-ブッダと「箱」の法則に学ぶ 外向き思考9
心理学&仏教ワークショップ主催の みなみ です。 このブログでは、ワークショップの内容を少しずつご紹介しています。 今回は、「劇的な変化を起こす“外...

元CEOのアラン・ムラーリー氏の施策と、国外事業担当責任者のマーク・フィールズ氏の勇気を出した正直な申し出により、会社全体が外向き思考へと変わり、世界的金融危機も自助努力で乗り切ることができたのです。

今回は、ステップの2番目、3番目について、具体例をまじえながらお話ししていきます。

ある弁護士が取った外向き思考による行動「相手に与えた影響の評価」

相手のニーズや目的を知ることができたなら、次は「相手の役に立つよう適した努力をする」ことが大切です。

相手の目的や必要としていることがわかっても、自分に力や知識が足りなければ、相手をサポートすることはできないので、そのためには適切な努力が必要です。

そして最後に、「相手に与えた影響を評価する」ことも不可欠です。

自分では相手の助けになっていると思ったことでも、実は相手にとって不要であった、ありがた迷惑であった、ということは残念ながらありますね。

早めに気づいて軌道修正するためにも、事あるごとに、相手に与えた影響、それによる「結果」を正しく評価することが大切です。

このステップがいかに大事であるか、チャールズ・ジャクソンという弁護士のエピソードを通して紹介されていました。

弁護士 チャールズ・ジャクソンに起きた問題

チャールズは弁護士事務所に所属しつつ、それとは別に個人的に2人のクライアントと契約をしていました。

あるとき、その2人のクライアントから続けてクレームを受けたのです。

1人は「かかった時間」、もう1人は「請求額」に対しての不満を持っていることがわかりました。

これに対してチャールズはどのような行動を取ったのでしょうか?

『管理しない会社がうまくいくワケ』にはこう記されています。

2件のクライアントに及ぼした影響についてじっくり考えてみたとき、チャールズは受け取った額を両者に返却すべきだと感じた

そして、それを実行した

驚くことに、チャールズは自分がもたらした影響を考え、その結果が望ましいものでないと判断し、報酬を2人のクライアントに返したのです。

これはなかなかできることではありませんね。
報酬を返してなるものかと自分の利益を優先して考え、自分がもたらした影響を過大評価してしまう人もいる中で、チャールズが取った行動はまさに外向き思考によるものでした。

さらにチャールズの取った外向き思考による行動はこれだけにはとどまりませんでした。

それについては次回、詳しくご紹介していきます。

まとめ

  • 行動の元にあるのがマインドセット(=見方、考え方)であり、『管理しない会社がうまくいくワケ』では、他者のニーズに関心を持ち、相手を人として見る「外向き思考」と、自分のニーズを満たすかどうかで人を見る、いわば人を“物”として見る「内向き思考」が教えられています
  • 良好な対人関係、良いチームを築ける「外向き思考」になるにはどうすればいいのか、そのための3つのステップが以下のものです
    1. 相手のニーズ・目的・課題に目を向ける
    2. 相手の役に立つよう適した努力をする
    3. 相手に与えた影響を評価する
  • 相手のニーズがわかれば、次は相手の役に立つよう適した努力をし、最後には相手に本当に貢献できたかどうか、相手に与えた影響を評価する必要があります。弁護士 チャールズ・ジャクソン氏は、クライエントに自分がもたらしたことは望ましくなかったと判断し、クライエントに報酬を返すことまでされたのです

続きの記事はこちら

外向き思考のラスト・ステップ「及ぼした影響に責任を持つ努力を怠らない」-ブッダと「箱」の法則に学ぶ 外向き思考11
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コンテンツブッダと「箱」の法則
この記事を書いた人
南 雄一郎

2011年 金沢大学工学部 卒業

大学では機械工学を専攻するなか、悩み解消のヒントや生きる指針を教える仏教に強い関心を持ち、仏教講演会に多数参加しました。

また大学卒業後は仏教と親和性のある心理学にも興味を持ち、独学で学びました。

現在は東京都内でライターをしながら、対人関係の悩みを解消し、自立した生き方の実現を目的とした 仏教×心理学のワークショップを開催しています。

自主開催のワークショップは累計500回以上。

2018年 新潟県キャリアセンター様主催 キャリアコンサルタント フォローアップセミナーにて講師をつとめました。

NPC法人HMC協会 認定心理カウンセラー(セルフ資格) 。

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