“君自身は赤じゃないよ”フォードの財政難を救った施策とは?-ブッダと「箱」の法則に学ぶ 外向き思考9

心理学&仏教ワークショップ主催の みなみ です。

このブログでは、ワークショップの内容を少しずつご紹介しています。

今回は、「劇的な変化を起こす“外向き思考”」の9回目です。

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対人関係を良好にする「外向き思考」と、そのための3ステップ

外向き思考」は、シリーズ累計150万以上の『管理しない会社がうまくいくワケ』という本の中で紹介されているマインドセットのことです。

自分の小さな「箱」から脱出する方法 ビジネス篇 管理しない会社がうまくいくワケ

マインドセットとは他人や物事をどのように見ているのかという、物の見方・考え方のことですね。

では外向き思考はどんなマインドセットかというと、

他者を理解しようとし、他者のニーズや目的に関心を持つこと

いわば他者を“人”と見ていること

でした。

この外向き思考の反対が「内向き思考」です。

内向き思考は、

他者のニーズや目的には関心がなく、理解しようとせず、他者を自分のニーズや目的を満たしてくれるかどうかで判断し、満たしてくれなければ厄介者、邪魔者と見なす

いわば他者を人ではなく“物”として見ている

というマインドセットです。

都合の良い人として、物として見なされ、自分のことを理解しようとしない内向き思考と、
自分を理解しようとし、自分のニーズに関心を持ってくれて、自分を助けようとしてくれる外向き思考と、あなたならどちらのマインドセットで見られたいでしょうか?

それは当然、外向き思考ですよね。外向き思考によって他者との良好な関係を築くことができます。

しかし私たちはどうしても内向き思考になり、人を物として見てしまいがちなのです。

ではどうすれば内向き思考を外向き思考へと変えることができるのか。
そのための3つのステップと、1つ目のステップをフォード・モーターの例を通して、前々回からご紹介しています。

  • 外向き思考のための3つのステップ
    1. 相手のニーズ・目的・課題に目を向ける
    2. 相手の役に立つよう適した努力をする
    3. 相手に与えた影響を評価する

前回の記事はこちら

フォード幹部の“赤のチャート”が状況を一変させた!外向き思考のレッスン開始のきっかけ-ブッダと「箱」の法則に学ぶ 外向き思考8
心理学&仏教ワークショップ主催の みなみ です。 このブログでは、ワークショップの内容を少しずつご紹介しています。 今回は、「劇的な変化を起こす“外...

フォード・モーターの元CEO アラン・ムラーリー氏は、著しい業績の悪化に歯止めをかけるべく2回のミーティングを実施しましたが、思うような成果を挙げることはできていませんでした。

それは、各部門の幹部たちに業績状況を書き込ませたチャートを提出させても、自己保身のために正確な業績を記入していなかったのが大きかったのです。

そんな事態を大きく変えるきっかけをつくったのが、国外事業の責任者であったマーク・フィールズ氏でした。

彼は、新型車のフォード・エッジに欠陥があったことを会合で報告したのです。緑で統一されていないチャートを幹部たちの中で初めて出したのでした
※その分野の業績が安定していれば、チャートには緑で塗ることになっていました。また重大な遅れがあれば赤で記すことにもなっていました

フィールズ氏は責任を取らされることを覚悟していましたが、結果は予想とは違いました。

批判をするどころか、ムラーリー氏は「君の状況を見る力はすばらしい」をフィールズ氏を称えたのです。

そしてムラーリー氏が他の幹部たちに、フィールズ氏の力になれはしないかとたずねると、同僚たちが次々と提案をしていきました。これが外向き思考の最初のレッスンになったのでした。

「君自身は赤じゃないよ」実を結んだアラン・ムラーリー氏の施策

ムラーリー氏はフィールズ氏にこう声をかけたといいます。

君自身は赤じゃないよ

君が取り組んでいる問題が赤なだけだ

ムラーリー氏は決してフィールズ氏自身を責めることなく、相手を人として見て、困った事態に手を差し伸べてくれのですね。

またフィールズ氏が正直に業績を報告したことで、ほかの幹部たちの態度も大きく変わりました。

  • 自分は会社の役に立っていないはずがない
  • 自分の地位は守らなくてはならない
  • 足を引っ張っているのはおそらくアイツだ

と、まさに内向き思考だった幹部たちのマインドセットが変わり、「自分の部門さえ守れればいい、悪いのは他の部門だ」という姿勢が正され、フィールズ氏を助けようと、さまざまな案を提示し、実行へと移してくれたのです。

このフィールズ氏の件を皮切りに、自分の部門の状況を正確にチャートに書き込んで提示するとともに、ほかの部門への支援が増え始めました。

メンバーは、個々にも、そしてグループとしても 自分たちの状況を明確にし、また仲間がこれからすべきことを明確にできるよう手助けをするようになったのです

さらに、それぞれが自分の仕事だけでなく、仲間に対して与えた影響についても追跡するようにもなりました

その結果、フォードの業績は大きく回復し、ムラーリー氏がCEO就任前は年間170億ドル超の赤字を抱えていたのが、2007年から2008年にかけての世界的金融危機時にアメリカの自動車企業の中で唯一国の助成金を受けずに切り抜けることができたのです

このフォード・モーターの例から、

  • 自分たちの状況を明確にし、相手に伝えること
  • 相手の状況をよく理解しようとし、ニーズや目的に目を向けること

がいかに大切がわかりますね。

日々の生活にぜひ取り入れていきたい取り組みだと強く感じました。

 

次回は、外向き思考のための2ステップ目、3ステップ目についてご紹介していきます。

まとめ

  • 物事の見方・考え方をマインドセットといいます。他者を理解しようとせず、自分にとって都合がいいかどうかで判断し、物と見るのが内向き思考のマインドセット、反対に他者を理解しようとし、相手のニーズに目を向ける、人を人として見るのが外向き思考のマインドセットです。外向き思考によってこそ他者との良好な関係が築かれます
  • 以下が、外向き思考のための3つのステップです
    1. 相手のニーズ・目的・課題に目を向ける
    2. 相手の役に立つよう適した努力をする
    3. 相手に与えた影響を評価する
  • フィールズ氏が正直に業績を報告したことでニーズが明らかになり、幹部たちのマインドセットが変わり、次々と支援が集まりました。以降、各部門の業績が正確に報告され、お互いの状況が明確になり、ほかの部門への支援が増え始め、フォードの業績自体も大きく回復したのです
  • 「自分たちの状況を明確にし、相手に伝えること」「相手の状況をよく理解しようとし、ニーズや目的に目を向けること」が、外向き思考への切り替えとしての大きな一歩になります

続きの記事はこちら

ある弁護士が取った外向き思考による行動とは?-ブッダと「箱」の法則に学ぶ 外向き思考10
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コンテンツブッダと「箱」の法則
この記事を書いた人
南 雄一郎

2011年 金沢大学工学部 卒業

大学では機械工学を専攻するなか、悩み解消のヒントや生きる指針を教える仏教に強い関心を持ち、仏教講演会に多数参加しました。

また大学卒業後は仏教と親和性のある心理学にも興味を持ち、独学で学びました。

現在は東京都内でライターをしながら、対人関係の悩みを解消し、自立した生き方の実現を目的とした 仏教×心理学のワークショップを開催しています。

自主開催のワークショップは累計500回以上。

2018年 新潟県キャリアセンター様主催 キャリアコンサルタント フォローアップセミナーにて講師をつとめました。

NPC法人HMC協会 認定心理カウンセラー(セルフ資格) 。

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