勉強会主催の みなみ です。
『幸福優位 7つの法則』を通して、心理学の新しい分野である「ポジティブ心理学」とは何か、
ポジティブ感情を高めて幸福になるにはどうすればいいかについて、続けてご紹介しています。
今回はその12回目です。
幸福優位7つの法則 仕事も人生も充実させるハーバード式最新成功理論
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あきらめずに取り組み、目標を達成する人(グリットの高い人)の共通した習慣とは?
『幸福優位 7つの法則』は、ハーバード大学のポジティブ心理学者 ショーン・エイカー氏によって書かれました。
エイカー氏の研究によって、人は幸福感を覚えているときに、頭もよく働き、モチベーションも高まり、仕事も人間関係もうまくいくこと-幸福優位性(ハピネス・アドバンテージ)-が明らかになりました。
では幸福優位性の恩恵を受けるには具体的にどうすればいいのでしょうか。エイカー氏は、そのための法則を7つにまとめて教えられています。
前回は、2番目の法則「心のレバレッジ化」の、「成長のマインドセット」を持つための方法をご紹介しました。
「成長のマインドセット」の人は、困難にもすぐにあきらめることなく、それを乗り越え、長期的な目標を達成できる力(グリット・やり抜く力)を持っています。
そのグリットの高い人が行っていることとして、
- ポジティブな言葉がけ
- 物語を編集し、行動を変える
の2つをお話ししました。
自分自身への「だいじょうぶ」「きっとできる」というポジティブな心のつぶやき、前向きな言葉はグリットにプラスの影響を与え、粘り強くものごとに取り組むことを助けます。
また、「そもそも自分とはどのような人間なのか」という自分のストーリーをポジティブなものに置き換え、さらにその役を演じ切ることで、強い信念・「自分ならできる」という自己イメージが形成され、自己成長・自己実現へとつながるのです。
詳細に関しては前回の記事をご覧ください
今回は、マインドセットを使って、いまの仕事を天職へと変える方法をお話ししていきます。
業績を大きく左右する?仕事に対する3種類のマインドセット
仕事のとらえ方、仕事に対するマインドセットが業績に与える影響を長年にわたって研究しているのが、イェール大学マネジメントスクールのエイミー・レズネスキー教授です。
レズネスキー教授は、何百人ものあらゆる業種の労働者と面接を行った結果、仕事に対するマインドセットには3種類あるという結論に達しました。
あなたは自分の仕事をどのようなものととらえているでしょうか。
「やらないといけないから、仕方なくやっている」という人もいれば、「自分の仕事が好きでたまらない。大きなやりがいを感じている」という人もいるでしょう。
どのようなマインドセットを持っているかは仕事への意欲や姿勢、さらには業績をも左右するのです。今一度、ぜひ振り返っていただければと思います。
では、レズネスキー教授が見出した、3種類の仕事へのマインドセットとは何かというと、
- 勤め
- 専門職
- 天職
の3つです。
仕事のマインドセット① 勤め
仕事は単なる作業であり、「働かなければならないから、働いている」と思っていて、いつも次の休みの日を心待ちにしている人が、「勤め」のマインドセットといわれています。
仕事のマインドセット② 専門職
単に必要だから働く、というだけでなく、「仕事を通して技能を高めたい、より大きな成功を手にしたい」と考えている人は「専門職」のマインドセットです。
仕事には時間・エネルギーを投じたいと思っている人たちです。
仕事のマインドセット③ 天職
仕事そのものに意味を感じられる人は「天職」のマインドセットの人です。
「天職」のマインドセットの人は、報酬が与えられるからではなく、「仕事が世の中のためになり、自分の強みも発揮できる」と考え、仕事を通して満足感を得ることができています。
仕事そのものに大きなやりがいを感じているので、進んで熱心に長時間働き、結果として高い成果を上げて、他の人より抜きん出ることができるのです。
このように、自分の仕事をどう認識しているかで、仕事の実際の取り組みが変わり、仕事の成果にも影響してくるとわかります。
天職かどうかは仕事内容で決まらない!仕事への意欲、人生への満足感を高める方法
このような話を聞かれると、
「自分の仕事をどう思うかは、仕事内容で決まるのではないか? 自分のやっている仕事内容では、とてもそれが天職だとは思えない」
という思いを持たれる方もいるでしょう。
ところがエイカー氏は、仕事内容とマインドセットとの関係について、こう言われています。
レズネスキーの最も興味深い発見は、人々の仕事のとらえ方に3種類あるというだけでなく、それが仕事の内容によって決まらないということだ。
医師でも自分の仕事を単なる「勤め」と考えている人もいるし、清掃作業員の中にも、仕事を天職だと考える人がいた。
医師のような専門性も報酬も高い仕事でも「勤め」と感じる人もいれば、専門性がそこまで高くない仕事でも天職だと捉え、やりがいを感じ、幸せな気持ちで働いている人もいるのですね。
24人の事務アシスタントを対象にした調査では、作業の内容や給料、待遇が客観的に見てほぼ同じと思える職場環境であっても、仕事に対するマインドセットは、ほぼ3分の1ずつ、3種類に分かれていたことがわかりました。
レズネスキー教授は「仕事の意義を考えることによって新しい可能性が開かれる」といわれています。
「いまの仕事は明らかに天職ではない」と思っていても、自分の仕事にやりがいを感じられるかどうかは仕事内容によらず、自分で見出だせるのです。
ではどうすれば、自分の仕事を天職だと思えるようになるのでしょうか。
エイカー氏は「自分がやっていることにどんな意味や喜びがあるかを考えてみればいい」と勧められています。
たとえばあなたが、小学校で用務員の仕事をしていたとします。
自分の仕事は「毎晩、汚れた教室を掃除することだ」とだけ思っていれば、仕事前には「ああ、今日もイヤな思いをして掃除しないといけない」と考えるようになり、うんざりしてくるでしょう。
そんなときに、この仕事にはどんな意味があるのかを考えてみるのです。
「自分は子供たちのための清潔で健全な環境づくりに貢献している」と思えれば、子供たちの元気な姿が目に浮かんで温かい気持ちになり、やる気も出てくるでしょう。仕事をやり遂げた後の充実感はひとしおで、自分の人生への満足度もきっと上向いていきますね。
「自分の仕事にはどんな意味があるのか」
「どんなことに役立っているのか」
「喜びを感じられる場面はいつか」
など、意味や喜び、貢献という観点で、ぜひ一度、自分の仕事へのマインドセットを見つめていただければと思います。
次回は、天職のマインドセットを持つためにエイカー氏がコンサルティングで行っている方法をご紹介していきます。
まとめ
- イェール大学マネジメントスクールのレズネスキー教授の調査によって、仕事に対するマインドセットには以下の3つがあるとわかりました。どのようなマインドセットを持つかで、仕事への取り組み方、業績もまた変わってくることも明らかになっています
- 3種類の仕事のマインドセット
- 勤め
- 専門職
- 天職
- 3種類の仕事のマインドセット
- 仕事の捉え方は、仕事内容によって決まるのではなく、どんな仕事であっても自分の見方次第で変えることができるのです。それには自分の仕事にどんな意味・喜びがあるかを考えてみることが勧められています(例:毎晩、汚れた教室の掃除をする→子供たちのための清潔な環境づくりに貢献している)
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