仏教で説かれる、運命の法則「因縁和合」とは?-パーソナリティ心理学に学ぶ 幸福度を高める 主体的な生き方8

ワークショップ主催の みなみ です。

ベストセラー書『自分の価値を最大にする ハーバードの心理学講義』を通して、幸福度を高める主体的な生き方をご紹介しています。

自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義

今回は8回目です。

記事の内容を動画でもご紹介しています

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自己解決型の致命的なデメリット「ボタンがダミーでだったら…」

『ハーバードの心理学講義』は、ハーバード大学の人気教授 ブライアン・R・リトル氏によって書かれました。

リトル教授の専門である「パーソナリティ心理学」について、興味深い心理学実験、リトル氏の体験も含めた具体例が数多く書かれ、わかりやすく紹介されています。

パーソナリティ心理学は、

  • パーソナリティ(=性格)は何によって形成されるのか
  • パーソナリティを構成する要素とは何か
  • 性格と幸福度との関係とは?

ということについて教えている学問です。

ここでは運命のついての考え方、信念を続けてご紹介しています。

リトル教授は、運命に対しての考え方には主に「自己解決型」と「他者依存型」があるといわれています。

自己解決型は「運命は自分でコントロールができる」という信念、
他者依存型は「運命を他者や環境にゆだねる」という信念です。

このうち、自己解決型のほうがメリットが多く、幸福感がもたらされやすい一方で、自己解決型には肉体や精神の健康にかかわる致命的なデメリットがあります。

それは突如としてコントロール感が奪われる出来事が生じたとき、健康や幸福感が極度に悪化してしまう、ということです。

前回は、リトル教授の身に実際に起きた出来事についてお話ししました。

リトル教授の人生観を変えた 非日常的体験とは?-パーソナリティ心理学に学ぶ 幸福度を高める 主体的な生き方7
ワークショップ主催の みなみ です。 ベストセラー書『自分の価値を最大にする ハーバードの心理学講義』を通して、幸福度を高める主体的な生き方をご紹介してい...

その出来事は、なんと“脅迫状”が届いた、というものです。

最初はイタズラだろうと思っていたリトル教授ですが、殺害を予告された日が近づくにつれて恐怖感に苛まれ、衰弱してしまうほどでした。

この事件をきっかけに、リトル教授はコントロール感の考え方への訂正を迫られたのです。

それは、コントロール感に絶対の自信を持つことなく、予想され得る最悪の事態も慎重に想定すべき(ボタンがダミーでないかどうかチェックする)、ということです。

今回は、仏教の観点から、ボタンのダミーのチェックの仕方を紹介します。

仏教の見解「運命はどのようにして起こるのか?」

仏教では運命についてどう教えられているのでしょうか?

宗教で運命といえば、神が私たちにつくって与えているものだ、と教えられていると思いますよね。

そう教えている宗教が多いと思いますが、仏教はそのようには説かれていないのです。

お釈迦様が説かれたことを書き残されたお経には、こういう言葉があります。

一切法は因縁生なり(大乗入楞伽経*)

*お経の1つ。お経は七千巻以上残されています。

「一切法」は、すべてのもの万物ということです。

「因縁生」とは、「因」と「縁」とが結びついて結果が生じる、ということです(因は直接的な原因、縁は間接的な原因です)。

すべてのもの、私たちの身に起こるすべてのことは例外なく因と縁とが結びついて生じている、というのが仏教の根幹にある教えです。

因と縁との関係を具体的に見てみますと、

結果を「」とすると、

因にあたるのは「もみだね」です。もみだねがなければ、絶対に米はできないですよね。

では もみだね さえあれば米はできるのかいえば、それは無理です。
床にまいても、米は決してできません。

米ができるには、米ができるのを助けるもの、日光や水、土壌や肥料などが必要です。これらが縁にあたります。

その因と縁とが結びついて(因縁和合といいます)、米ができあがるのですね。

これは米の話ですが、私たちに起こる出来事はすべて因縁和合したものだと、仏教では説かれています。

そしてもう1つ大切なことは、自分の受ける運命の原因は自分自身の行いよる、ということです。

これを「自業自得」といわれます。自業自得は元々、仏教の言葉です。

自業自得というと、悪い結果が起きたときに、それはあなた自身のせいですよ、と意味で使われています。

しかし本当は、悪い結果だけでなく、善い結果の原因も自分の行いであり、自業自得なのです

「“悪縁”によって悪果が生じることもある」を考慮に入れる

この因縁和合、自業自得の観点から、「自己解決型」「他者依存型」について考えてみましょう。

私の身に起こる運命の原因は自分の行いなので、自分の行い次第で運命を変える、コントロールすることはできるのですね
仏教の観点から「自己解決型」は正しい考えといえます。

しかし縁の存在を忘れてはいけません

縁によって助けられることもあれば、それによって思うような結果が返ってこない、むしろ苦しみの結果を受けることもあり得ます。

先のリトル教授の脅迫状や、突然の事故・災害は「悪縁」であり、それによって悪果を受けることもあるのです。

縁の存在を考慮に入れておかないと、突如の出来事によって取り乱し、その悪影響を大きく受けることになってしまいます。

なので、「運命は基本的には自分の行いによって変えられる」という考えをベースにしつつ、悪縁の存在にも備え、心づもりをしておくのをぜひおすすめしたいです

そうすれば、自己解決型の致命的なデメリットも克服することができるでしょう。

 

次回は、仏教の観点からもう1点、自己解決型のデメリットの克服法をご紹介します。

まとめ

  • 運命についてのパーソナリティには「自己解決型」「他者依存型」があります。運命は自分でコントロールできると考える自己解決型のほうがメリットは多いものの、コントロール感が欠如すると、幸福感・健康が大きく損なわれるというデメリットもあります
  • コントロール感に絶対の自信を持つことなく、最悪の事態を想定することが、自己解決型のデメリットの克服に必要です
  • 仏教で運命は、因と縁とが結びついて(因縁和合して)生じる、と説かれています。運命は自分の行い+環境や周囲の人、タイミングなどの「縁」とで決まる、ということです。「悪縁」によって思わぬ悪果を受けることもあります
  • 運命は基本的には自分で変えられるという考えを持ちつつ、悪縁に備える生き方が、仏教の観点からも望ましい生き方といえるでしょう

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コンテンツブッダとパーソナリティ心理学
この記事を書いた人
南 雄一郎

2011年 金沢大学工学部 卒業

大学では機械工学を専攻するなか、悩み解消のヒントや生きる指針を教える仏教に強い関心を持ち、仏教講演会に多数参加しました。

また大学卒業後は仏教と親和性のある心理学にも興味を持ち、独学で学びました。

現在は東京都内でライターをしながら、対人関係の悩みを解消し、自立した生き方の実現を目的とした 仏教×心理学のワークショップを開催しています。

自主開催のワークショップは累計500回以上。

2018年 新潟県キャリアセンター様主催 キャリアコンサルタント フォローアップセミナーにて講師をつとめました。

NPC法人HMC協会 認定心理カウンセラー(セルフ資格) 。

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