ワークショップ主催の みなみ です。
今回のワークショップには初めての方4名を含む、8名の方にご参加いただきました^^
SEの方や看護師さん、キャリアコンサルタントの方やアメリカの大学に通っている大学生など、いろいろな業種の方が参加されました。
やはり心理学は、どんな職に就いている方も関心を持たれる分野だと、改めて実感しました。
心理学とともにお話ししているのが、それと親和性のある仏教です。
仏教には馴染みのなかった方も、今回を機に興味を持たれたようで、嬉しく思います。
意欲の高い方ばかりで、私自身も大きな刺激をいただきました(^^)
スポンサーリンク
パーソナリティ(=性格)はどのようにして形成されるのか?
今回のテーマは
ブッダとパーソナリティ心理学から知る、「幸福度を高める“主体的な生き方”」
でした。
こちらの『自分の価値を最大にする ハーバードの心理学講義』という本を参考にし、お話ししています。
著者のブライアン・R・リトル教授は、ハーバード大学卒業生による投票で3年連続人気教授に選出された方で、有名なパーソナリティ心理学者です。
パーソナリティ心理学とは、
- パーソナリティ(=性格、人格)は何によって決まるのか
- パーソナリティはウェルビーイング(=幸福度)にどのような影響を与えているのか
について研究しているものです。
前回の記事では、
パーソナリティの形成には、①遺伝、②環境、③動機の3つが影響を与えていること、
そして、人間には生まれ持ったパーソナリティ特性を超えて行動できる能力(=自由特性)がある、とリトル教授が提唱されていることをお話ししました。
前回の記事はこちら
性格と聞くと、「遺伝によって決まっていて、変えられるものではない」という思いを持つ人も多いと思いますが、
「パーソナル・プロジェクト」による動機づけによって元々のパーソナリティを超えた行動ができる、とリトル教授は言われているのです。
このように言われると、自分の性格について悩んでいる人も、気持ちが前向きになれると思います。
では、動機づけに必要な「パーソナル・プロジェクト」とはいったい何なのでしょう?
それについて今回は詳しくお話ししていきます。
自由特性理論のキーとなる「パーソナル・プロジェクト」とは?
パーソナル・プロジェクトは、日常生活で取り組んでいるさまざまなプロジェクトのことをいいます。
プロジェクトの大きさには関係なく、取り組んでいるあらゆるプロジェクトはパーソナル・プロジェクトに含まれます。
たとえば、「木曜日に犬の散歩をする」というのは小さなものですが、これもパーソナル・プロジェクトであり、「民衆を解放する」のような偉大なプロジェクトもまたパーソナル・プロジェクトです。
自由特性はこのパーソナル・プロジェクトと深く関連しています。
このパーソナル・プロジェクトによって自由特性が形成され、人は自由特性に導かれた行動を取れる、とリトル教授は説明されているのです。
パーソナル・プロジェクトの中でも、自分にとって特に重要な、日常の大部分を占めるプロジェクトを「コア・パーソナル・プロジェクト」といいます。
仮にコア・パーソナル・プロジェクトが元々のパーソナリティ特性では成し遂げられないものであったとしても、私達はそのパーソナリティ特性を超えて行動できるようにもなるのです。
自由特性理論の正しさを“身をもって証明する”リトル教授
元々の性格を超えて行動ができるようになるなんて、そんなことは本当に可能なのでしょうか?
実はこれは、リトル教授自身が身をもって証明をされています。
リトル教授といえば、先に紹介した通り、ハーバード大学の卒業生の多くに支持をされている人気教授です。
その理由の1つが、リトル教授の行う授業が熱烈で、かつ非常に魅力的なものだからです。
そんな授業をするリトル教授はさぞ外向的な性格の持ち主だ、と思われるかもしれません。
ところがリトル教授は大変内向的な性格で、パーソナリティ特性が外向型か内向型かを調べる実験でも「内向型」という結果が出ているそうです。
内向的な性格であるリトル教授がなぜ、それほど魅力的な授業を行えるのでしょうか?
その鍵となるのが「パーソナル・プロジェクト」です。
リトル教授は
愛する生徒たちに、愛する専門分野の新しい情報やワクワクすること、伝えたくてたまらないことを伝える
というコア・パーソナル・プロジェクトを持っています。
そのプロジェクトを成し遂げるには、内向的な性格のままでは難しいでしょう。
しかしコア・パーソナル・プロジェクトによって自由特性が形成され、その特性に導かれて、リトル教授は生徒たちと接しているときは外向的な振る舞いができるようになっているのですね。
まさに、リトル教授自身が自由特性理論を実証されているのです。
この自由特性論についてさらに掘り下げると、元々のパーソナリティを超えた行動を取るのには、2つの重大な要素がある、ともいわれています。
それについては次回、詳しくご紹介します。
まとめ
- 性格は何によって決まるのか、性格と幸福とはどのような関係にあるのかを研究している学問がパーソナリティ心理学です。人間には生まれ持ったパーソナリティを超えた行動ができる能力(=自由特性)があるといわれています
- もともとの性格を超えた行動ができるのは、パーソナル・プロジェクト(日々取り組んでいるあらゆること)による動機づけによります
- パーソナル・プロジェクトなかでも「コア・パーソナル・プロジェクト(日々の大部分をしめる活動)」による動機づけの影響は大きく、これによって自由特性が形成され、人は自由特性に導かれた行動をとるのです
続きの記事はこちら
スポンサーリンク