人間は“煩悩の塊”?仏教で説かれる「本当の人間の姿」-三毒追放6

仏教を説かれたお釈迦様は、「人生は苦なり」とおっしゃっています。

人生は苦しみの連続で、心休まるときがない、ということです。

これを苦諦(くたい)ともいわれます。「人生苦なり」は真理(=諦)であると教えられているのですね。

なぜ「人生苦なり」となるのでしょうか。

病気の苦しみにはその病気の原因が必ずあるように、「人生苦なり」となる原因も必ずあるのですね。

原因を突き止めないことには、その病気を根本から治すことができないように、「人生苦なり」の原因を正しく知らないことには、心から安心したり満足したりすることはできません。

では仏教で苦しみの原因はどう教えているのでしょうか。

それは無明=煩悩)であるといわれます(この真理を「集諦(じゅうたい)」といいます)。

煩悩とは私たち人間を苦しませ、悩ませるものであり、全部で108つあります。それほどたくさんの煩悩のなかでも、特に恐ろしい3つの煩悩を「三毒」と教えられています。

三毒とは、

  1. (とん)
  2. (じん)
  3. (ち)

の3つです。

貪とは貪欲(とんよく)のことであり、貪欲は限りのない欲の心のことです。

欲の心が邪魔されると出てくるのが瞋であり、瞋は瞋恚(しんい、=怒りの心)です。

そして怒りを表に出せない相手(自分より強い人や立場の高い人など)に対しては癡が起きます。癡とは愚痴のことであり、愚痴は嫉妬心や恨みの心をいいます。

私たちは満たしても満たしきれない欲や、それが妨げられて出てくる恐ろしい怒り、そして醜い嫉妬心や恨みの心などの愚痴で苦しんでいるのですね。

それではその三毒に悩まされることなく、幸せに生きるにはどうすればいいのでしょうか。

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人間の“煩悩は塊”?三毒はなくすことはできない

いっそ三毒をなくすことができれば、もう悩むことはないのではないでしょうか。

財欲がなくなればお金の悩みも消えるでしょうし、名誉欲がなくなれば他人からの評価に悩まされることもなくなるでしょう。

色欲がなくなれば男女間のトラブルもなくなり、睡眠欲がなくなれば寝ることに時間を取られずに、もっと有意義に過ごすことができるのではないでしょうか。

欲がなくなれば、その欲が邪魔されて腹が立つこともなくなり、また、嫉妬心や恨みの心で苦しむこともなくなるはずです。

そのように三毒がなくなれば、あらゆる悩みが解消され、とても生きやすくなると思いますよね。

では三毒は綺麗サッパリなくすことができるかというと、残念ながら、なくすことはできません。

仏教では人間のことを「煩悩具足(ぼんのう ぐそく)」と教えられています。

煩悩具足とは、「煩悩の塊」ということです。人間は煩悩のみでできているのであり、煩悩に目鼻をつかたのが人間、ということですね。

たとえていいますと、雪だるまは雪の塊であり、雪のみでできていますね。

雪だるまから雪を取ってしまえば、何もなくなってしまいます(目や腕は残る!と言われるかもしれませんが、それらはオプションなので無視します)。

それと同様に、人間から煩悩を取ってしまえば、何もなくなるということなのです

そもそも、人間から煩悩がなくしてしまえば、生きていけなくなります。

食欲がなくなれば餓死しますし、睡眠欲がなくなっても、眠ることができないため、脳が死んでしまいます。
財欲がなくなればお金を稼げずに生きていけなくなり、名誉欲がなくなると社会生活そのものが平和に営めなくなってしまいます。

三毒を含め、人間は煩悩から離れることはできないのです

三毒から離れることができないのが人間と知った上で、ではその三毒とどのように向き合っていけばいいのでしょうか。
その適切な対処法を知ることは、幸せに生きていくために、人と良好な関係を気づいていくために大切なことです。

次回以降、その対処法をご紹介していきます。

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南 雄一郎

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