仏教は、2600年前にお釈迦様によって説かれた教えです。
その仏教にはどんなことが教えられているのでしょうか?
仏教の目的とは何でしょうか?
仏教の目的はひと言で、「抜苦与楽(ばっくよらく)」ということができます。
抜苦とは、苦しみを抜くこと、
与楽とは、楽しみを与えることです。
つまり抜苦与楽とは、苦しみを抜いて福楽(幸福)を与えることをいいます。
人間の苦しみを抜いて幸福にするために、お釈迦様は仏教を説かれたのですね。
逆からいえば、私たちが仏教を聞き学ぶ目的は、苦しみを解消して幸せになるためといえます。
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ブッダの教えは最先端の医学にも似た処方箋
ではどうすれば、苦しみを解消できるのでしょうか?
それにはまず、苦しみの原因を知らないといけないですね。
具合が悪くて病院に行き、医者に診てもらうとき、まず医者のすることは何でしょうか?
それは問診ですよね。
「いつごろから痛みを感じますか? どこに痛みを感じますか? それはどんな痛みですか?」など聞くでしょう。
ある程度の原因の目星がついたら、次に本格的な検査を始めると思います。
そして原因が特定できたら、その原因を取り除くための手術が行われたり、薬が処方されたりするでしょう。
仮に、問診も検査もせずに、薬を処方する医者がいたとしたらどう思うでしょうか。
そんな医者はいないでしょうが、信用して薬を服用するなんて、とてもできませんよね。
原因を突き止める。これなくして、病気の完治はあり得ません。
ちょうど同じように、私たち人間の苦しみの本がわからないのに、それを抜くことはできません。
ブッダの教えについて解説され、ベストセラーとなっている『反応しない練習』(草薙龍瞬著)では、以下のように書かれてあります。
ブッダの考え方とは、悩みがあるという“現実“を見すえて、その“原因”を理解して、解決への“方法”を実践しようという、最先端の医学にも似た明快な処方箋なのです。
ブッダ(=お釈迦様)は、まさに医師のように、人間を診察され、その苦しみの本と治療法を知られたような方だとわかります。
苦しみの大本「無明」とは何か?
ではそのお釈迦様が突き止められた、私たちの苦しみの本とは何なのでしょうか?
仏教に「十二因縁(じゅうにいんねん)」という言葉があります。
これはお釈迦様が教えられた苦しみの12の区分のことです。
十二因縁の詳細はこちらで確認できます
その大本にあるのが「無明(むみょう)」です。「無明」といわれるのが、苦しみの本なのです。
無明とは何かを知ることが、抜苦の始まりになるのですね。
では、その気になる無明とは何かというと、これは「煩悩(ぼんのう)」のことです。
煩悩とは、私たち人間を煩わせ悩ませるものであり、いろいろあります。その数は108と教えられます。
108と聞くと、何をイメージされるでしょうか?
それは、除夜の鐘をつく数ですね。
「今年一年、煩悩によって苦しませ、悩まされた。来年は1つでも煩悩が減りますように」という願いを込めて、煩悩の数だけ鐘がつかれます(ただ、残念ながら毎年どれだけの鐘をついても、煩悩はなくならないのですが…)。
この煩悩の中でも、特に恐ろしい3つの煩悩があるといわれています。
それを「三毒」といいます。
名前を聞いただけで、とても恐ろしそうなものだと思いますよね。
実際にこれは恐ろしいもので、この三毒は私たちを破滅に追い込むことすらあります。
日々、残虐な事件が報道されていますが、それらは例外なく、この三毒の成せる業なのです。
次回以降、この三毒とは何か、また三毒の対処法をご紹介していきます。
まとめ
- 仏教が説かれた目的は「抜苦与楽」、人間の苦しみを抜き、福楽を与えるためです
- ブッダの教えは最先端の医学にも似た処方箋であり、仏教では苦しみの原因とその解決法が教えられています
- 苦しみの大本は「無明」であり、それは「煩悩」のことです。特に恐ろしい3つの煩悩を「三毒」といいます
引用した書籍
反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」
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