8/30(木)レポート 立ち直りを妨げる“3つのP”とは-ブッダと行動心理学から学ぶ レジリエンスの鍛え方2

勉強会主催の みなみ です。

今回の勉強会には初めての方6名を含む、14名の方にご参加いただきました!

平日にもかかわらず、本当にたくさんの方に駆けつけていただき、とても嬉しく思います(^^)

今回のテーマは「レジリエンス(=立ち直り力)」であったので、挫折からすばやく回復するには具体的にどうすればいいかについて、ディスカッションをしていただきました。

大きな挫折はもちろん、小さな失敗やストレスへの対処としてもレジリエンスを鍛えることは大切です。
それを鍛えておくことは、高いパフォーマンスの維持にもつながります。

参加された皆さんの意見もお聞きして自身の知見も広がり、非常に有意義な時間となりました^^

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挫折からの回復のためのキーワード「レジリエンス」とは?

今回の勉強会のテーマは、
ブッダと行動心理学から学ぶ「レジリエンス(=折れない心)の鍛え方」
についてでした。

このテーマのときは、『OPTION B』という本の内容をメインにお話ししています。

OPTION B(オプションB) 逆境、レジリエンス、そして喜び

『OPTION B』は、女性の社会進出の現状や問題点を訴えた『リーン・イン』の著者であり、フェイスブックCOOのシェリル・サンドバーグ氏と、
『GIVE&TAKE』や『ORIGINALS』の著者としても知られる、心理学者のアダム・グラント氏によって書かれました。

2015年、シェリル氏は最愛の夫・デイブさんを不慮の事故で亡くしてしまいます。

夫を失ったことへの悲嘆と、二人の子供との将来への不安で苦しむなか、シェリル氏は友人のグラント氏に助けを求めました。

グラント氏の確かなデータをもとにした悲嘆から回復する方法によって、シェリル氏が悲嘆から立ち直っていくまでがつづられています。

前回は、この本のキーワードについて詳しくご紹介しました。

前回の記事はこちら

7/19(木)レポート レジリエンスとは?悲嘆や挫折から“すばやく立ち直れるかを決める力”-ブッダと行動心理学から学ぶ レジリエンスの鍛え方1
勉強会主催の みなみ です。 今日の勉強会には初めての方お1人を含む、3名の方にご参加いただきました^^ なかなかご都合あわなかった方が、たまたまお休みと重なっ...

この本のキーワードが「レジリエンス」です。

レジリエンスは「逆境が襲いかかってきたときにどれだけ力強く、すばやく立ち直れるかを決める力」のことであり、レジリエンスが強い人ほど、悲嘆や挫折からすばやく立ち直ることができるのですね。

このレジリエンスは変わらないもの、固定的なものではなく、肉体にように鍛えることができるのです。

ではどうすればレジリエンスを鍛えることができるのでしょうか?

それには“3つのP”の対処法を学び、実践することだといわれています。

立ち直りを妨げる“3つのP”とは?

“3つのP”とは、

  • Personalization(=自責化)
  • Pervasiveness(=普遍化)
  • Permanence(=永続化)

のことです。

何か悪いこと、不幸なことが起きたときに、

このサイテーな出来事は自分のせいだ(=自責化)、
 何もかもがサイテーだ(=普遍化)、
 このサイテーがずっと続いていく(=永続化)」

と考えることです。

この3つのPによって立ち直りを妨げられ、苦悩し、悲嘆に暮れる時間が長くなってしまうのです。

それとは反対に、つらいできごとが起こったとしても

自分ひとりのせいではない(脱自責化)、
 すべてではない(脱普遍化)、
 ずっとではない(脱永続化)」

と気づけば、立ち直りが早くなるのですね。

ネガティブなできごとを自責化、普遍化、永続化しない人は、うつになりにくく、状況によりよく対処できるのである

(『OPTION B』より引用)

といわれているように、3つのPへいかにうまく対処できるかが、素早い立ち直りのための鍵だとわかります。

“3つのP”への対処は、仕事にもおおいに役立つ

この3つのPへの対処は、大きな挫折や悲嘆のみならず、日々の小さな失敗やストレスからの回復にも有効です。

3つのPを避けることは、仕事で苦労している生命保険の外交員にも役立った。

断られたことを自分のせいだと考えず、「今日がだめでも明日があるさ」と切り替えた人は、同僚の2倍以上の販売成績をあげ、在籍期間も2倍長かったのである

(『OPTION B』より引用)

という調査結果からもわかるように、

仕事の失敗も「断られたのはタイミングが悪かったせいだ。これは調子が悪くても、あれはうまくいっている。今日がダメでも明日があるさ」と受け止めることで、意欲的にその仕事を続けることができるのですね。

逆に、「断られたのは自分のせいだ。何もかもがうまくいかない。断られるのがずっと続いていく」と考えると、仕事へのモチベーションが上がらず成績は下降線をたどり、重圧から仕事をやめざるを得なかったり、うつになったりする可能性もあります。

生命保険の外交員のように、断られることが多い営業のような仕事はもちろんですが、そうではない仕事にもこの3つのPへの対処は大いに役立つでしょう。

 

では具体的に「3つのP」への対処するにはどうすればいいのでしょうか?

自責化、普遍化、永続化のそれぞれの適切な対処法ついて、次回以降、詳しくお話ししていきます。

まとめ

  • 逆境が襲いかかってきたときに、どれだけ力強くすばやく立ち直れるかを決める力が「レジリエンス」です。レジリエンスは固定的なものではなく、肉体にように鍛えることができます
  • レジリエンスを鍛えるには、以下の立ち直りを妨げる「3つのP」の対処法を学び、実践することです
    • Personalization(=自責化)
    • Pervasiveness(=普遍化)
    • Permanence(=永続化)
  • 3つのPへの対処は、大きな挫折や悲嘆だけでなく、日々の小さな失敗やストレスからの回復にも役立ちます。仕事で苦労の多い生命保険の外交員も3つのPに対処できている人は同僚の2倍以上の販売成績をあげ、在籍期間も2倍長かったのです

続きの記事はこちら

9/20(木)レポート “自分を責めすぎない”自責化への2つの対処法-ブッダと行動心理学から学ぶ レジリエンスの鍛え方3
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この記事を書いた人
南 雄一郎

2011年 金沢大学工学部 卒業

大学では機械工学を専攻するなか、悩み解消のヒントや生きる指針を教える仏教に強い関心を持ち、仏教講演会に多数参加しました。

また大学卒業後は仏教と親和性のある心理学にも興味を持ち、独学で学びました。

現在は東京都内でライターをしながら、対人関係の悩みを解消し、自立した生き方の実現を目的とした 仏教×心理学のワークショップを開催しています。

自主開催のワークショップは累計850回以上。

2018年 新潟県キャリアセンター様主催 キャリアコンサルタント フォローアップセミナーにて講師をつとめました。

NPC法人HMC協会 認定心理カウンセラー(セルフ資格) 。

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