勉強会主催の みなみ です。
今回の勉強会には初めての方4名を含む、5名の方にご参加いただきました!
今回のテーマはレジリエンス(=立ち直り力)ということで、どうすれば挫折から早く立ち直ることができるのか、参加された皆さんにもディスカッションを通して語っていただきました。
皆さんのご経験と、それをどう対処されたかをお聞きし、さまざまな角度からの知見を得ることができました。
今回ご紹介したレジリエンスを高める方法が、これからのより充実した生活の実現に少しでもお役に立てば、嬉しく思います。
記事の内容を動画でもご紹介しています
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挫折からいかに早く立ち直れるかを決める「レジリエンス」
今回の勉強会のテーマは、
ブッダと行動心理学から学ぶ「レジリエンス(=折れない心)の鍛え方」
についてでした。
このテーマのワークショップでは『OPTION B』という本の内容をメインにお話ししています。
OPTION B(オプションB) 逆境、レジリエンス、そして喜び
『OPTION B』は、困難と適切に向き合うにはどうすればいいか、逆境をいかに乗り越えるかを、確かな心理学実験にもとづいて紹介されている本です。
話題となり、全米でベストセラーになりました。
この本のキーワードが「レジリエンス」です。
レジリエンスとは「立ち直り力」ともいわれ、逆境が襲いかかってきたとき、どれだけ力強く、すばやく立ち直れるかを決める力のことです。
生きていれば、親しい人との別れ、思わぬ災害、大きな失敗など、逆境に襲われないことはないでしょう。残念ながら、それらをすべて避けることはできません。
ゆえに、そこからいかにすばやく立ち直れるかというレジリエンスを高めることは、充実した人生を送る上で必須といえるでしょう。
そのレジリエンスは生まれつき決まっているものではなく、鍛えることができるのです。
レジリエンスを鍛えるときのポイントが、立ち直りを妨げる「3つのP」とその対処法を知ることです。
3つのPとは、
- Personalization(=自責化)
- Pervasiveness(=普遍化)
- Permanence(=永続化)
のことです。
すべてを自分のせいだと責め(=自責化)、
何をやってもうまくいかないと思い(=普遍化)、
悪いことはずっと続くと想像すると(=永続化)、
立ち直りまでに時間がかかり、最悪、立ち直れなくなる可能性もあります。
この3つのPに適切に対処することが、立ち直りに不可欠なのです。
前回は、自責化への対処について詳しくお話ししました。
前回の記事はこちら
自責化への対処は、それにつながる言葉の使用を禁止する「禁止ワードの設定」、また「自己への思いやり」を持つことが有効です。
自分を責め過ぎない、むしろ失敗を受け入れ、自分に優しい言葉をかけてあげることが大切でした。
今回は、その自己への思いやりについてより深く考察します。
人間は、人生最悪のあやまちでは計れない存在
自己への思いやりについて『OPTION B』では
自己への思いやりは、「人間である以上、落ち度があるのは当たり前」という認識から始まる
と書かれています。
失敗してしまったからといって、それで自分は最低の人間だ、と責めるべきではありません。
失敗や落ち度は当たり前と受け止め、そこから何を学び取れるかを考え、それを今後に生かしていくことで、挫折からも早く立ち直れます。
アメリカで人権弁護士として活躍しているブライアン・スティーブンソンさんは、
私たちのだれしもが、人生最悪のあやまちでは計れない存在
と言われています。
最悪と思われるあやまちを犯したとしても(その行為自体は反省し、改めるべきですが)、それでその人の価値が決まるわけではない、ということです。
ことわざにも「罪を憎んで人を憎まず」とあります。
犯した行為は当然許されるべきものではなく、懺悔・反省し、改善しなければなりませんが、だからといってその人の存在そのものまで否定すべきではない、ということです。
「すべて自分が悪い。そんな私は最低な存在だ」と自分の存在を否定するのではなく、その失敗や挫折、苦しみから得られるものを見つけていけばいいのですね。
「自己憐憫」と「自己への思いやり」はどう違う?
「自己への思いやり」と聞くと、それは「自己憐憫」なのではないですか?と言われる人がいます。
しかし「自己への思いやり」と「自己憐憫」は似てまったく非なるものです。
自己憐憫は、自分ではなく他者に目が向いています。
自分の行為は棚に上げ、自分を被害者だと見なし、他者を責めている状態です。
自己への思いやりは他者を責めたり、責任逃れをする、というものではありません。
過去の言動を反省し、しかし自分の存在を否定せず、自分を痛めつけないこと、それは自己への思いやりです。

責任逃れをし、他者を責める自己憐憫では当然周りとの関係が悪化しますし、自分を痛めつけすぎる自責化は立ち直りを妨げてしまいます。
自己への思いやりが、レジリエンスを高めることに直結するのですね。
次回は、では、自己への思いやりを持つにはどうすればいいのか、その具体的な方法をご紹介します。
まとめ
- 立ち直りを妨げる「3つのP」の1つが自責化です。すべて自分のせいだと責めることで、立ち直るまでに時間がかかってしまいます
- 自責化の対処法の1つが「自己への思いやり」を持つことです。「すべて自分が悪い、こんな自分はダメな人間だ」と自分の存在を否定するのではなく、あやまちで人の価値は計れないと認識し、失敗や挫折から得られるものに目を向けることです
- 「自己への思いやり」と「自己憐憫」はまったく異なるものです。責任逃れをするのではなく、言動を適切に省みる「自己への思いやり」に対して、自己憐憫は自分の行為は棚に上げて自らを被害者だと思い、他者を責めている状態のことです。それでは周囲との関係が悪化していきます
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