勉強会主催の みなみ です。
今回のワークショップには、初めての方2名を含む、8名の方にご参加いただきました。
今回は、高校生も参加してのワークショップでした。
来年からゼミを受講するにあたって、心理学を学んでおきたいと申し込みをしたそうです。
意欲も高く、自分の意見もはっきりと言えていて、すごくしっかりしていると思いました。私の高校生だったときが恥ずかしいくらいです苦笑
ほかにも、昨年にお会いして以来 久しぶりにご参加いただいた方もいらして、嬉しく思いました(^^)
記事の内容を動画でもご紹介しています
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最も成功から遠いのはギバー、最も成功しているのもギバー。その理由とは?
今回の勉強会のテーマは、
ブッダと行動心理学から学ぶ「人間の3つのタイプと、GIVEの精神」
についてでした。
このテーマのワークショップでは、『GIVE&TAKE』という本の内容をメインにお話ししています。
GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)
この『GIVE&TAKE』は、ペンシルベニア大学ウォートン校の心理学者教授 アダム・グラント氏によって書かれ、世界24カ国で翻訳されたベストセラーです。
この本では、人間の3つのタイプと、その社会的な成功との関係が明らかにされています。
3万人以上を対象に行った調査をもとに、グラント教授が分類した3つのタイプとは、
- ギバー
- テイカー
- マッチャー
です。
ギバーは受け取るより多くを与えようとする人、
テイカーは与えるより多くを受け取ろうとする人、
マッチャーは与えることと受け取ることのバランスを取ろうとする人のことです。
この中で、最も成功から遠い位置にいるタイプはギバーといわれています。なぜならギバーは多くを与える“いい人”であるがゆえに騙されやすく、利用されやすいからです。
ところが最も成功しているタイプもまたギバーです。
それは、同じ多くを与えるギバーであっても、自己犠牲型のギバーと他者志向性のギバーの2通りがいるからなのです。
自己犠牲型のギバーは成功から離れてしまいますが、他者志向性のギバーは成功の階段の一番上にのぼることができるのですね。
ではどうすれば自己犠牲に陥らずに、他者志向性のギバーになることができるのでしょうか?
前回は、詐欺師タイプのテイカーに利用されないために「愛想の良さにだまされないこと」が大切だとお話ししました。
前回の記事はこちら
私たちには、愛想の良い人はギバーであって親切な人、という先入観があります。しかしそのなかには、愛想よく振る舞っているテイカーもいるのです。
だから利用されないためには、相手の本質を見極め、タイプに応じて対応を変えることが必要になります。
そのための具体的なやり方をご紹介していきます。
人の本質を見極める方法とは?立場の低い人への扱い方に注目を
相手の本質、内側を見抜く方法として、イギリスの文学者であるサミュエル・ジョンソンの言葉が引用されています。
それは
自分にまったく利益をもたらさない人間をどうあつかうかで、その人がどんな人間かがはっきりわかる
というものです。
自分に利益をもたらさない人間とは、例としてタクシーの運転手やレストランの店員が挙げられていました。
店員に対して客はもてなされる立場、上の立場といえるでしょう。そのときにどのような態度を取るかによって、その人の本質がわかるのですね。
仮にその立場を利用して店員に対して横柄な態度を取る人は、本質はテイカーといえるでしょう。
反対に、どんな相手にも謙虚に振る舞う人の本質はギバーといえるのですね。
相手の本質を見極めたいときは、その人が自分より立場の低い人をどう扱っているかにぜひ注目をしてみましょう。
テイカーに対して取るべき行動とは?グラント教授のアドバイス
では相手がテイカーであるとわかったとき、どのように対応すればいいのでしょうか?
グラント教授はこうアドバイスをされています。
テイカーとつき合うときには、 マッチャーになればいいのだ。
ただし、最初はギバーでいたほうがよいだろう。
信頼は築くことこそ難しいが、壊すのは簡単だからだ。
それでも、相手が明らかにテイカーとして行動したら、 ギバー、マッチャー、テイカーの三タイプを使い分け、 ぴったりの戦略をとるのが得策だろう。
テイカーに対して、ほかの人と同じように接すれば利用されてしまいかねません。
ゆえにテイカーにはマッチャーとして振る舞えばいいのですね。
具体的には、2回までは相手を信用するものの、3回目でも自分を裏切るような行為をしたならば相手にペナルティーを与える(罰金を払わせる、弁償させる、付き合いをやめるなど)という戦略が勧められています。
まず相手を信頼することはとても大切なことですが、自らを破滅の道に追いやらないために、自分を守る術を知って実行しているのが、他者志向性のギバーなのですね。
次回は、仏教で説かれる、相手に施しをするときの心がけをご紹介します。
まとめ
- アダム・グラント教授が分類した3つのタイプ(ギバー・テイカー・マッチャー)のうち、最も成功しているタイプも、最も割を食っているタイプもギバーであるとわかりました。ギバーはさら2通りに分けられ、他者志向性のギバーこそ最も成功していたのです
- 他者志向性のギバーになるには、テイカーに利用されないために相手の本質を見極め、タイプに応じて対応を変える必要があります
- 相手の本質を見抜く方法として、自分に利益をもたらさない相手にどんな態度を取っているかを見る、というものがあります。立場を利用して相手に横柄な態度を取る人は、テイカーの傾向が高いといえるでしょう
- 相手がテイカーだとわかったときには、マッチャーとして振る舞うことが勧められています。具体的には、2回目までは相手を信用し、3回目でも自分を裏切るような行為をすれば、相手にペナルティーを与えるようにしましょう
続きの記事はこちら
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