人から受け入れられない恐れ・不安を解消する、3つの実践法-生きづらさを解消する 自己評価メソッド31

勉強会主催の みなみ です。

『自己評価メソッド』を通して、不安や恐れなどの生きづらさを解消するにはどうすればいいのか、そのための自己評価の高め方について、続けてご紹介しています。

今回はその31回目です。

自己評価メソッド―自分とうまくつきあうための心理学

記事の内容を動画でもご紹介しています

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「自分は注目を浴びている」は勘違い?“スポットライト効果”から知る事実

『自己評価メソッド』は、フランスで人気の精神科医 クリストフ・アンドレ氏によって書かれました。

こちらの記事では、『自己評価メソッド』で紹介されている、自己評価をよくする方法を以下の4つのパートに分けてお話ししています。

  1. 自分を受け入れる
  2. 自分との関係を改善する
  3. 他人との関係を改善する
  4. 行動の仕方を改善する

前回は、「他人との関係を改善する」パートの中の「スポットライト効果」についてお話ししました。

スポットライト効果とは、「人は実際よりも『自分が注目を浴びている』と思ってしまう」心理効果のことです。

ある実験で、被験者に少し引け目を感じるような服を着てもらい、その後にほかの人が大勢いる部屋に入ってもらうのですが、その前に被験者に自分の服のおかしさにどれくらいの人が気づくかを予想してもらいました。

すると、被験者は、少なくとも50%の人が自分の服に気づき、「おかしな服を着ているな」と思われるだろうと予想したのに対し、
実際には、25%の人が服のことをぼんやりと思い出しただけだったのです。

この実験をはじめ、多くの研究によって

自分が思っているより、他の人は自分に注目をしていないこと
他人は自分に厳しい視線を向けてはいないこと

それにもかかわらず、私達は「自分は注目を浴びている」と思い込んでいることがわかりました。

このように、自分にスポットライトが当たっていると勘違いしている心理効果が、スポットライト効果なのです。

このスポットライト効果に気づき、「自分はそれほど厳しい目で見られていない」とわかれば、人から受け入れられていないことへの不安は緩和できるのですね。

前回の詳細はこちら

今回は、スポットライト効果も踏まえた、“人から受け入れられない恐怖”と戦う実践法をお話ししていきます。

人から受け入れられない恐怖と戦う、3つの実践法

実践法① 「人から受け入れられていない」というのは思い込みに過ぎないことを知る

私達は「人は自分に厳しい目を向けている。自分は受け入れられていない」と思ってしまいますが、それはスポットライト効果にもよる思い込みである場合がほとんどです。

ゆえに、人から受け入れられていないことへの恐怖を和らげる出発点は、「受け入れられていない」ことは思い込みであると気づくことです。

クリストフ・アンドレ氏のもとを訪れた、ある女性相談者は友達から

そんなに小さくならないで。あなたはそんなに大きくないのだから

といわれたそうです。

言い換えれば、

あなたは誰もが注目して批判するほど大きくない。だから、そんなに小さくなって生きないで

ということでしょう。

まずはこの言葉を胸に刻んでおこう、と勧められています。

実践法② 思い込みが顔を出しそうになったときに気づく

「人から受け入れられていない」という思いは、単にあなたの思い込みである可能性が高いことをお話ししました。

そこで、自分はどういうときに「人から受け入れられていない」と思い込むかを知って、その思い込みが顔を出しそうになったら、ちょっと立ち止まって考えてみるといい、といわれています。

たとえば、メールに対して返事がなかったら、あなたはどう思うでしょうか。

「私は嫌われてしまったかもしれない」という思いが出てくるかもしれません。

そんなときは、ちょっと立ち止まってみて、「『嫌われている』というのは私の思い込みでないか」と自問自答してみましょう。

そうすると、「おそらく、相手は忙しくて返信ができなかったに違いない。文面を変えて、もう一度メールを書いてみよう」と思えるかもしれませんね。

よい自己評価の人は、相手の反応を「人から受け入れられていない」ことに過剰に結びづけずに、普通に過ごしている、ともいわれています。

自分の思考に気づき、立ち止まる習慣を持つようにしましょう。

実践法③ とりあえず行動し、その結果を受け入れる

「人から受け入れられていない」思いが出てきたら、ちょっと立ち止まって考える。

そして、それは思い込みではないかと疑ったら、次は実際に行動してみて、思い込みかどうかを確かめてみましょう。

先の、メールに対して返事がなかった例でいえば、文面を変えてもう一度、送ってみましょう。

たいていの場合、「返事が遅れてごめん」という言葉が返ってくるはずです。

では、もし本当に「人から受け入れられていない」ことがわかったら、どうすればいいのでしょうか。

そのときは、その結果を受け入れた上で、自分に非があるならば過ちを正し、関係を修復していきましょう。
相手に非がある場合は、無理にその関係を続けることにエネルギーを使わずに、距離をとればいいのですね。

このように実際に行動してみることで、「人から受け入れられていないわけではない」とわかる場合が多く、「人から受け入れられていない」不安や恐れはなくなります

反対に行動しなければ、いつまでも「人から受け入れられていない」思いを払拭することはできなくなり、やがては行動しなかったことを後悔することにつながります。

「このまま行動しなかったら、どうなるか(いつまでもこの不安は消えず、やきもきすることになってしまう)」と先を見据えて、とりあえず行動してみることが勧められています。

どのような結果になったとしても、少なくとも恐れや不安はなくなり、相手との関係もよい方向に進んでいくはずです。

以上が、“人から受け入れられない恐怖”と戦う実践法でした。

次回は、「人から受け入れられない」恐怖の底にある気持ち「存在を認められたい・愛されたい」ということについてお話ししていきます。

まとめ

「人から受け入れられていない」恐怖と戦う実践法として、以下の3つをご紹介しました。

  1. 「人から受け入れられていない」というのは思い込みに過ぎないことを知る-
    スポットライト効果により、「人から受け入れられていない」というのは思い込みである可能性が高いです。そこに気づくことが、不安を和らげる出発点です
  2. 思い込みが顔を出しそうになったときに気づく-
    自分がどういうときに「人から受け入れられていない」不安を持つかをあらかじめ知り、思い込みが顔を出したら、ちょっと立ち止まるようにしましょう
  3. とりあえず行動し、その結果を受け入れる-
    不安を抱いたら、まず実際に行動することが勧められています。行動することで、思い込みに過ぎないことがわかって不安が和らぎます。思い込みではなく、本当に人から受け入れられていなかった場合は、その結果を受け入れた上で、関係改善の努力をしていきましょう

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この記事を書いた人
南 雄一郎

2011年 金沢大学工学部 卒業

大学では機械工学を専攻するなか、悩み解消のヒントや生きる指針を教える仏教に強い関心を持ち、仏教講演会に多数参加しました。

また大学卒業後は仏教と親和性のある心理学にも興味を持ち、独学で学びました。

現在は東京都内でライターをしながら、対人関係の悩みを解消し、自立した生き方の実現を目的とした 仏教×心理学のワークショップを開催しています。

自主開催のワークショップは累計850回以上。

2018年 新潟県キャリアセンター様主催 キャリアコンサルタント フォローアップセミナーにて講師をつとめました。

NPC法人HMC協会 認定心理カウンセラー(セルフ資格) 。

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