勉強会主催の みなみ です。
『自己評価メソッド』を通して、不安や恐れなどの生きづらさを解消するにはどうすればいいのか、そのための自己評価の高め方について、続けてご紹介しています。
今回はその28回目です。
記事の内容を動画でもご紹介しています
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人から受け入れられず、自己評価が傷つくことの4つの悪影響
『自己評価メソッド』は、フランスで人気の精神科医 クリストフ・アンドレ氏によっ て書かれました。
こちらの記事では、『自己評価メソッド』で紹介されている、自己評価をよくする方法を以下の4つのパートに分けてお話ししています。
- 自分を受け入れる
- 自分との関係を改善する
- 他人との関係を改善する
- 行動の仕方を改善する
前回から、自己評価をよくする3つ目のパート「他人との関係を改善する」についてお話ししています。
人間は社会的動物であり、人から受け入れられたい、拒否されたくないという思いがあります。
人から受け入れられれば安心できて、「自分は価値ある存在だ」と思うことができますね。
反対に、人から受け入れられないと、私達の自己評価は傷つけられ、下がってしまうのです。それは心理学の研究からも明らかになっています。
自分の意見を聞いてもらえない、
メールやメッセージへの返信がないなど、
日常で「人から受け入れられていない」と感じるケースは珍しくありません。
人との交流によって私達は多くの喜びを感じることができますが、一方で 自己評価が傷つく恐れも避けることはできないのです。
人に受け入れてもらえず、自己評価が傷つくことには、主に以下の4つの悪影響があるといわれています。
①自分を受け入れられなくなる
人から受け入れてもらえないことで、自分が自分を好きになることもできなくなり、味方であるべき自分自身が自分に背を向けてしまいます。
②自分に不利益な行動をとる
人から受け入れてもらえないと、「攻撃的になる・孤立に走る」という行動をとり、ますます受け入れてもらえなくなる状況をつくってしまいます。
③頭の働きが悪くなる
「人から受け入れられない」状況に入ると、意識しているかどうかにかかわらず脳の活動が鈍ってしまうことが、実験で確かめられています。
④感情に影響が出てくる
人に受け入れられてもらえないと、まず悲しみ・怒りの感情が引き起こり、次に屈辱・後悔・恨みなどのネガティブな感情が生まれます。
あるいは感情をシャットアウトし、ショックを和らげようとしますが、それは空虚感や無力感にもつながってしまいます。
※前回の詳細はこちら
人から受け入れられなかったとき、「拒否された」と感じるとき、こういった悪影響を和らげ、自己評価を回復させるにはどうすればいいのでしょうか。
今回は、人から受け入れられなかったときの実践法をご紹介していきます。
人から受け入れられなかったときの4つの実践法
実践法① 鏡を見る
人に受け入れられなかったときにぜひ取りたい行動の1つ目が「鏡を見る」ことです。
私達は「人から受け入れられない」と、鏡に映った自分の姿を見るのを避けるようになることが実験でわかっています。
しかしこういう時には反対に「鏡を見る」のが有効であることも、実験でわかっているのです。
人から受け入れられないと感じたときに鏡を見た被験者は、そうでない被験者に比べて、<自分をコントロールする力>を回復した、といわれています。
鏡を見て、「自分のいいところは何か?」と問いかけてそれを考えることで、「人から受け入れられなかった」マイナスを相対化できるのです。
人から受け入れられなかったとしても、それで自分の価値が下がったわけでも、なくなったわけでもありませんね。
改めて自分の存在価値を問い直すことで、自己評価のマイナスになった部分を補うことができます。
実践法② 日常の小さなことをする
人から受け入れられないと、悲しみや怒りを感じるなど、感情に悪影響が出ます。
その悲しみ、ショックの大きさのあまり、何もする気がなくなってしまうこともあるでしょう。
けれど、そこでじっとしているままでは、ますますネガティブな感情や考え、無力感にとらわれてしまいかねません。
そこで勧められているのが、掃除や家具の組み立てなど、何かをやってみることです。
たとえ小さなことでも、とにかくやってみることで「自分をコントロールする力」を徐々に取り戻すことができます。
やがては、ネガティブな感情やショックからも抜け出すことができるでしょう。
実践法③ 攻撃的にならない
先の悪影響でもお話ししたように、相手から受け入れられないと思うと、自分に不利益な行動(攻撃的な態度・行動)をとりやすくなる、といわれています。
相手が冷たい態度をとるのを見ると、こちらもお返しにと冷たい態度、攻撃的な態度をとりたくなります。
しかしこれでは、相手からますます受け入れられなくなりますね。
実践法①、②でご紹介した、鏡を見たり、小さなことをやったりして自己コントロール感を取り戻し、感情を前向きにした上で、相手とコンタクトをとっていきましょう。
実践法④ 人と交流する
「人から受け入れられなかった」ときの戦略として“いちばん”といわれているのが「人と交流」することです。
人から受け入れられないと「孤立に走る」傾向にあることも、先でご紹介しました。
人から拒否されたと感じると、どうしても自分のなかに閉じこもりがちになり、新たな交流を求めなくなります。
しかしそれは根本的な解決にはならず、「人から受け入れられない」という嫌な場面を心のなかで何度も繰り返し考え、つらい思いをし、ますます人と付き合うのが怖くなる…、ということもなりかねません。
ゆえにそういうときこそ、逆に人と交流することが勧められているのです。
新たな交流をしても、相手が自分のことをよくわかってくれるとは限らず、慰めてくれるとも限りませんが、ひとりでいるよりはいいのですね。
人との関係は浅いところから深いところまで、できるだけたくさん持っていたほうがいい、ともいわれています。
さまざまな人とのつながりがあれば、1つの関係で「受け入れられない」ことがあっても、その悲しみや苦しみを相対化できるからです。
親密な関係ほど得られる喜びも大きなものになります。
しかし数少ない相手との親密な関係だけを求めれば、その関係で「受け入れられなかった」経験をすると、もっとつらいことになってしまいますね。
そもそも、<広くて浅い関係>のたくさんある人が、<親密な関係>を持っていないとはいえないです。
この2つは両立することが可能なのですね。
親密な関係を求めつつも、広くて浅い関係も大切にしていきたいですね。
以上が、人から受け入れられなかったときの4つの実践法でした。
次回は、人から受け入れられない“恐怖”がもたらす問題、恐怖との向き合い方についてご紹介しています。
まとめ
- 人から受け入れられなかったときに、自己評価を回復させる実践法として以下の4つをご紹介しました
- 鏡を見る-人から受け入れられないと感じたときこそ鏡を見て、「自分のいいところは何か?」と問いかけ考えることで、人から拒否されたと感じることのマイナスを補えます
- 日常の小さなことをする-小さなことでもとにかくやってみることで、自己コントロール力を取り戻せて、拒否されたことのショックから抜け出せます
- 攻撃的にならない-ますます人から受け入れられなくなる攻撃的な態度はやめましょう
- 人と交流する-自分のなかに閉じこもっていても、根本的な解決にはなりません。親密な関係のみならず、広くて浅い関係を築いておくことで、1つの関係での「受け入れられない」経験のつらさを相対化できます
続きの記事はこちら
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